プリシアの冒険のやつのやつ

で遊んでいます。今はクリア後コンテンツやってる。

どんなゲームかというと、1画面マップの中に敵とかアイテムとかが配置される、敵との戦闘は(攻撃力-防御力)で交互にダメージを与え合って先にHPがなくなったほうが負け、アイテムを取る順や敵を倒す順といったリソース管理が鍵になったりする……みたいな感じのRPGで、ゲームの手触り的にはカエルの為に鐘は鳴るに近い感じ。

本作はマップに入り直すと敵やアイテムが再生成されたり回復アイテムを大量に持ち込んだりという要素があってリソース管理よりはハクスラを周回するゲームという趣なんですが、キャラクターを永続的に強化する手段が限定的で、能力値がボトルネックになって通行が制限されるというところがパズル的、結果、マップは1画面でマップに進入したらそのマップにあるすべてのものが開示されるのにその行き方は示されないので考えたり試行錯誤したりする必要があって探索の楽しさが強いというおもしろい作りになっています。ゼルダとかメトロイドヴァニアの「見えてるけど行き方がわからない(からたぶん後で取りに行けるようになるんだろうな)」が至るところにある。

アイテムを大量に持ち込んだりできるとは行ったものの、入手にかかる時間やコストと消費したときのリターンのバランスは考える必要があり、効率よく周回するためにどういう装備の構成でどういうルートを通るのかということは考えていく必要がある。この考えるのがとても楽しい。

WWAっぽくもあるしハクスラの楽しさもあるし探索ゲーの楽しさもあって本当に楽しさのボリュームが大きい。単純な作業の繰り返しの時間はけっこう多いのに、なんかついついやってしまう。それはゲームのテンポがよくてそれでいて丁寧にこまかい演出があって飽きが少なくて、ダレてきそうなところでボトルネックが解消できてできることが増えて脳汁が出る、というサイクルがうまくキマっていて、とにかく手触りがとてもよい。このゲームのよさは根本的にはこれに尽きるのかなと思います。いやーおもしろい。

スピンドルもそうだったんだけど、戦闘をここまでシンプルに削ぎ落としたり攻略順が実質的に強く制限されていても、プレイヤーにとって手触りがよければゲームとしてちゃんと面白いんすよね。「ゲームシステムこそキモ、メカニクスがいいから面白い」ということを思いがちなんですが、ゲームは「気持ちよさ」こそがまず最初にあって、ゲームシステムやメカニクスってけっきょくその「気持ちよさ」を製造する装置にすぎない。そこの装置を工夫するだけじゃなくて、「気持ちよさ」を損ねないように提供する丁寧さとか、「気持ちよさ」に集中できる環境を整えるとか、そういうのもめちゃめちゃ重要だし、そこの繰り返しだけでもめっちゃ気持ちよくなれるということを忘れがち。

今作はまずレベルデザインがすぐれていてリソース配分がうまくてみたいな、ちゃんとゲームデザインしてるっていうのがわかる。

それこそ前回の記事で遊んだバグと魔法使いだってレベルデザインが90割なんすよね。しかしプレイヤーはメカニクスの斬新さに目に奪われてしまうので気付かない。でもレベルデザインがカスだとメカニクスが活きない。メカニクスを活かしたレベルデザインをちゃんとやってるからおもろい。

忘れないでやっていきましょう。

こちらからは以上です。

バグと魔法使い

というパズルゲームで遊びました。

どんなゲームかというと、頭の上のライフを消費して殴り合ってすべての敵を倒すのが目的のWWA風味の倉庫番です。どのへんが倉庫番かというと敵の頭の上にあるライフを押せる。通常ライフは頭の上にくっついていて、移動に追従します。障害物に遮られると追従できなくて途切れます。途切れたときに頭の上からライフがなくなると死。逆に敵のライフを押して頭の上からライフを消せば倒せます。つまり殴り合いに見せかけてライフを押して動かしていくゲームなので本質は倉庫番。なんだけどライフを押すための道を作るためには殴り合いが必要な場面もある、という感じ。

直感的にはRPGだとライフは温存して進むのが正しいんですが、このゲームは倉庫番です。自分の上にあるライフはときにどこかの目的地まで運ぶ荷物であり、ときに目的地までの移動を遮る障害物であり、なので敵を殴るということは持っていくべき荷物を消費することでもあり、邪魔な障害物を消すということでもあります。最終的にライフが1しかなくてもすべての敵を倒しきっていればいいので、ライフのやりとりを計算してどの順でライフを運ぶのかを考えることになる。これは完全に倉庫番です。

これがモチーフを荷物にすれば倉庫番なので倉庫番の脳で考えられるんですが「戦闘でライフを消耗する」というメタファーにした結果頭の上のライフは大事にしなければいけないという直感をプレイヤーに抱かせることになり、ひらめきに一工夫必要になる。ステージもそういうふうにギミックが組まれています。

全100ステージをひととおりクリアした後にはプレイヤーの頭にあるのはただプレイヤーに追従するだけの荷物だという前提が持てるようになっていて、盤面上のライフの総和からどの順で何をすべきか判断するようになっていました。思考のベースが切り替わって解法がぱっと思い浮かぶようになると脳汁がやばい。

おもしろかったです。

50ステージ以降は特に難易度が高めで、柔軟な発想をどれだけできるかどうかが鍵になってきます。特に100ステージはこれまでに解いたステージのことをぜんぶ思い出して何をどうするのか考えていくのが楽しかったです。ほかの人の解法みたらそんなこともできるんだという驚きがあり、奥ふけえ……となった。

いちおうえっちなゲームなので大人の方はぜひ。大人になってから遊んでね。まあなんか全年齢版も出そうな気はします。

5月26日に投稿した体で今年もまた一年の無事を祝う

アラフォーとかではなく単にフォーティになりましたあおたくですこんにちは。まあ around の定義からすれば44まではアラフォーなんだけど。

毎年書いてるものを書いてないことに気づいたのが昨日(27日)で、昨日は仕事で疲れて即死したので蘇生した今書いてます。26日当日はどうだったかというと大の里が優勝したりノリさんがダービー勝ったりしてそれどころじゃなかったんよね。

特に書くことはあんまりないんですが、近況の話をすると、最近はAWSをいじったりする仕事をしています。terraform で構成書いて AWSコンソールにらめっこして Jmeter のシナリオ書いて AWS の分散負荷テストツールでテストしたりしてる。
Docker と terraform がある時代にインフラさわってるのは多分タイミングがよくて、AWSコンソールでカチカチやるのは相当しんどいし(手順を再現するのめちゃ大変)、Cloudformation 書けって言われるとこれも相当しんどいなと思う。まあ terraform が楽かっていうと terraform には terraform の苦労があるんだけど、まああってよかったなとは思ってる。ないと触れてなかったと思うし、ないと面白いと思えなかったなというか。Docker もそうだけど、一回書いたものが以降繰り返し使えるのがうれしい。複雑な手順を何度も繰り返したくない。Jmeter のシナリオにしても、手動で手順を実施してとかじゃなくてパラメータ設定してシナリオ流せば同じ試験を繰り返せるのがいい。この調子でE2Eテストの自動化とかもやりたいね……。

コードは最近はそんなに書いてない。趣味で書いたりもあんまりしてない。なんか書くかという気持ちはある。仕事でちいさめのElectron のアプリ作ったりはしたんだけど、これくらいのものを作るのがいちばん楽しい気がする。

狼と香辛料のアニメの話はこないだしたし、あんまり書くことないな。

あ、こないだスペイン村行ってきました。愛知に移り住んで以来死ぬほどCMで見たけどいちども行ったことなかったスペイン村、愛知を離れてから行くことになるとは……ンゴちゃんがいなかったらぜったい行かなかったと思う。前評判と違ってめちゃたくさん人がいました。ほぼ人気テーマパーク。GWだったからね。チュロスがめちゃうまかったのでスペイン村いったらチュロス食べてください。出来立てのチュロスってこんなおいしいんだ……ってなった。ホテル志摩スペイン村もいちど泊まってみたいので有給取って泊まりに行こうと思ってる。

まあそんな感じで元気にはすごしています。来年は当日に書こうね。

近況

年度末を倒しても「GW前に終わらせたい」が発生するので忙しさは続くのじゃ。


狼と香辛料の新作アニメの放映がはじまりました。 きわめて丁寧なつくりで毎週楽しみに見ています。

で、ふと思い立って旧1期と見比べてみたんですが、台詞回しとか大筋では1期も新アニメも実はそんなに大きく違っていなくて、その上で新アニメの出来がすばらしいのは、やはり演技の間であったり、シーンの絵の回し方であったりという演出部分のつくりの巧みさにあるのかも、と感じています。

旧1期はキャラクターデザインが原作と大きく異なっていたことが原作から楽しみにしてた視聴者にとっては不満点のひとつだったと記憶していて、わたし自身もアニメが始まる前はけっこう不安に感じていたんですが、実際に見てみると、また今あらためて見返してみても、作画は多少不安定ながら、コンテの出来自体はむしろ悪くなく、当時のアニメの水準から考えればよくやっているほうだったと思います。劇伴もすばらしく、シーンはよく演出されていて臨場感がありました。

ロレンスとホロの配役は当時はけっこうミスマッチに受け止められていたのを覚えています。1話2話あたりのロレンスとホロの掛け合いを見ていると、役作りがまだ手探りな感じが伝わってきて、今見ると初々しさがあります。これが2期にもなるとものすごく自然にロレンスとホロになるのがすごい。声のトーンとかはあんまり変わってないんですけど、間の取り方がすごく自然になるんですよね。生っぽいというのか、その場にロレンスとホロがいてやりとりをしている感じになっていく。そういう関係性ができあがる過程が楽しめるという意味では唯一無二の作品だったと思っていて、だから新作アニメがはじまって出来がよいと旧アニメが引き合いに出されて「下げ」られるのはちょっと違うんじゃないの、と思ったりもします。

じゃあ新アニメのロレンスとホロはどうかというと、逆に2期ほどのこなれがないので、ロレンスとホロの関係性としては適当そうに思います。2話はけっこう感情の振れ幅がある話なんですが、緊張感がよく伝わってくるいい掛け合いだったと思いますね。旧1期はちょっとロレンスの怒りにぎこちなさがあったんですが、新アニメはより自然な怒り方に感じられましたし、しおらしくなったホロがやり返して緊張が解けるところまでの一連のシーケンスが非常によかった。こういうところが本当に丁寧に感じます。

旧1期を見ていれば旧1期の思い出を懐かしみつつ楽しめるし、これから触れる人は新鮮な気持ちで見ることができると思います。

完全に余談なんですが、BookWalkerで新作アニメ放映記念セールで狼と香辛料の既刊がお買い求めやすくなってたんですが、全部持ってました。はは。原作は完結までは紙で持ってる*1し、コミックスは途中まで紙で揃えてたのにKindleで全巻買ってBookWalkerでも全巻買う謎の動きをしてしまった。それくらい好きな作品なので毎週が楽しみです。しかしこのペースでアニメやって果たしてどこまでやるのか。完結までやってほしいなあと思いつつ。

夏は夏で小市民アニメ化するし今月末には冬期限定が出てしまう。ついに出てしまうという気持ち。秋期限定のサイン会当日に風邪で会場にいけなくてかなしい気持ちになってから10年以上経ってるな……。でも楽しみ。

こちらからは以上です。

*1:完結後の短編集は電子版で買いました

ハーヴェステラ、プレイした感想

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スクエニ製の牧場物語RPG、なんですが、本質はRPGなのでRPGだと思ってプレイすると事故が少ないと思います。 Switch 向けということもあってグラフィックは省コスト化されちゃってるけど、手触りもよかったし満足感は高かったです。

よかったところ

ストーリーはよくも悪くも王道なんだけど、魅力的なキャラクターがいる、それだけで好きなゲームになりました。お気に入りはメインヒロインのアリアなんだけど、敬虔な聖女ポジなのに脳筋シュリカとか、キャラストがとてもよかったハイネとか、なんだかんだみんなそれぞれによさがありました。
SFの名作に対するオマージュがそこかしこに見られるので、SFファンはちょっとニヤっとできる場面があるかも。ハードSFを期待するとたぶん肩透かしなんだけど、味付けとしてはよかったです。

グラフィックは3Dは前述のとおりやや粗いですがクオリティが低いということはなく、普通にプレイしている分にはそこまで気にならないです。イベントシーンはちょっと表現力不足な感じはありますが、2Dのキャラクターイラストは美麗で、総じてそこまで悪くはなかったです。

サウンドは全体的にすばらしく、BGMは本当にこのゲームをよく表現していると思います。風の草原やヒガン渓谷はゲームの序盤ということもあって冒険心をくすぐるワクワクする曲調なんですが、そこから先、中盤以降になると、美しくて、厳かで、もの寂しくて、退廃的で、どこにいってもこの世界の終わりを感じさせないことがない。

SEもよかったです。SEはプレイヤーに適切なフィードバックを伝えるためにめちゃくちゃ重要で、鳴ってほしいところで鳴ってほしい音が鳴る、これだけのことが本当に気が効いている。

今作よくインディーゲームが引き合いに出されて「このゲームより値段がもっと安くて面白い牧場物語フォロワーいくらでもあるからそっちやったほうがいい」っていう意見を目にするんですが、今作くらいサウンドの品質が高いインディーゲームはなかなか遊べないと思います。なんだかんだスクエニはこういうところが本当によくできてる。

探索パートはどのステージも非常にレベルデザインがよく練られていると思います。ショートカットを開通させながら日数かけて挑むべきということが最初から提示されています。朝起きて夜寝るまでという一日のサイクルがあるので、プレイヤーは一日の時間経過という制約が課せられているわけですが、だからこそあちこちにショートカットがあるし、ゲームの最初に帰還アイテムを作らせているし、作った人がどう遊んでほしいのかちゃんと伝えてくれてる。どのステージのマップを見てもあきらかに「ショートカット開通させたから帰って寝て明日続き進めるか」みたいな感じで進行することを推奨していると思います。
まあ近年のゲームだと別にそこまで珍しいことではないと思いますが、それを丁寧にやっていることは素直に好感が持てます。

戦闘は位置と距離の概念があるシームレスなリアルタイムコマンドバトルという感じです。あくまでコマンドバトルであり、アクションRPGではないと思ったほうがよいでしょう。アクションRPGじゃないけど位置取りやタイミングにはそれなりに気を使う必要があるので、戦術性はあります。むしろコマンドバトルとは親和性がある。
レベルを上げればクリアしやすくなるあたりもちゃんとRPGになっている。わたしはここで何回かRPGはレベルを上げて物理で殴ってクリアできればよいという旨のことを言っているんだけど、RPGというのはキャラクターが強くなったことを実感できるべきであり、わかりやすい強さが与ダメの増加と被ダメの減少で、キャラクターが極まって強くなったならあっけなく倒せてよい、と思っています。今作はそういう意味ではしっかりレベル上げをすれば充分楽になるし、それでいて倒したときには充実感もある、というバランス調整になっていて、よくできていたと思います。

最後に今作の特色たる農業パート……なんですが、これはけっこう凡庸です。ふつうの牧場物語フォロワーで、特筆すべきことはない。ただ、今作の一要素としてみると、その存在にはそれなりに高い価値と意義があります。
敵を倒して得られるアイテムは基本的には料理やクラフトの材料で、換金アイテムはあんまりありません。あっても売値がやすいので、これでやっていくのは無理。つまり作物を育てて売るのがもっとも効率のよい金策になります。が、武器強化以外にRPGパートに必要な金策はないので、むしろ重要なのは作物を育てて料理をするということ。野菜や果物はインスタント回復アイテムであるジュースになるし、スタミナを回復できる料理にもなる。料理は腹がふくれるので連続して何度も使えないのでジュースはジュースで必要だけど、ジュースは農場に果樹を植えれば繰り返し果実を入手できるので結構簡単に確保できる。料理は季節の野菜を育てていれば充分作れるようになっている。
で、探索と戦闘をしっかり行うとけっこうすぐガス欠になる。スタミナ管理が重要なのでちゃんと飯食えよというのがわかる(チュートリアルの早い段階でサンドイッチが渡されることからも食事の重要性がよくわかる)。飯のために農業させる作りになっている。食事のバフは強力で、これがあるとかなり楽になる。というかないと難しくなるので、食事はしたほうがよい。食事に必要なアイテムは、前述のとおり、普通に探索と農業をやっていれば充分、余裕があるだけ手に入る。

一方で、農業はそこまで真面目にやんなくても困らない、前述の通りインスタント回復アイテムは果樹を植えれば恒久的に繰り返し手に入るし、採取アイテムだけで作れる料理でもスタミナ回復手段になる、金策はそこまでがんばらなくてもよい、レベルを上げれば攻略が楽になる……ということもあって、割と自由に遊べるようにもなっています。

というわけで提示されたとおりの遊び方をするかぎりは快適に遊べるし、提示されたとおりの遊び方をしなくてもクリアできるようになっている。ストーリーはちゃんと面白いので、ゲームとしては総じてよくできているなあという感じでした。

よくなかったところ

メインシナリオもサブシナリオもカットシーンが多すぎる。戦闘はシームレスなのに、サブシナリオはインゲームの会話でシームレスに進行しないの何。この関係でかなりテンポが悪かったです。まあリアルタイム3Dのゲームだとキャラクターの位置だったりなんだりをちゃんと同期とって動かすにはカットシーンに切り替えてしまうほうが楽で安全に実装できるという事情があるのはよくわかるし、近年のRPGはだいたいこうなっているので今作が特別わるいというわけでもないんですが、まあなんとか解決してほしいですねという気持ちはあります。

あと、ゲームの遊び方の提示はそれなりにちゃんとやってくれているとは思うんだけど、全体的に説明はちょっと不親切。「死季に果樹は枯れない」とかちょっとわかりにくかったと思います。どの敵がどこに出るかとか、どのアイテムがどこで手に入るかとかも、ゲーム内の図鑑でカバーできるようになっていてほしい。「攻略サイト見ればいい」の時代は平成で終わっていて、今はゲーム内で攻略情報が完結するくらいでちょうどよいと思っています。

キャラクターとのかかわりがキャラスト後ぱったりなくなってしまうのもさみしいですね。せっかくキャラクターと仲良くなったのに、仲良くなってからできることがない。会話はバリエーションに乏しいし。プレゼントあげたりデートしたりしたかった。そういうゲームじゃないって言われるとそうなんだけど、じゃあキャラの好感度とか同居とかなんやねんっていう感じにもなる。同居も「いってらっしゃい」と「おかえり」があるだけなのでかなり薄味で、もうちょいなんかあってほしかった。

値段はこのグラフィックだとちょっと高いかもしれないです。ゲームも別に新鮮さはないです。突き抜けたよさもない。ただ全体的によくまとまっているし、キャラクターが魅力的だしストーリーも王道でよい。わたしはセールで買ったんですが、セールで買うぶんには充分ありだと思います。

まあでもそれくらいしか不満はなくて、最後まで楽しめたので全体的にはかなり満足しています。いいゲームだったと思うし、好きなゲームだなという感じ。しかし誰に勧めたらいいんだろうな。牧場要素が好きな人向けだけど、農作業に疲れてRPGやりたい人……? そんな人おる……?

まとめ

というわけで牧場物語のカワを被ったRPGでした。

こちらからは以上です。

仙郷物語 レビュー

仙郷物語っていう中華ファンタジー風の牧場物語風のゲームを遊んだのでレビュー。
メインクエストクリアまでプレイ。各キャラの好感度MAXとかはまだやってません。

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よかったところ

中華ファンタジーということで、農作物が中華料理とか錬丹とかに寄った内容になっています。特に玉稲(米料理用)と糯米(餅用)に分かれていたり、豆が金陽豆(醤油や豆腐、もやしなどの加工用)とトウアズキ(甘味用)と氷翼豆(料理用)に分かれていたりというところはこの作品ならではかもしれません。こういうところの雰囲気はよかったです。

カレンダーも二十四節気になっていて、一節気3日、一季節に6節気で一季節24日、一年で96日です。一週間6日、一季節5週間だと一年で120日なので、それよりはちょっと短いです。短いので季節が変わるのが早く、むしろこのへんはテンポがよかったかもしれません。ちょっと短いだけなんだけど結構違う。

ゲームシステムも、中盤で解禁されたでっかい作物を育てるあたりは楽しかったです。

グラフィックもBGMも作品の雰囲気をよく表現できていると思います。

キャラクターはそれぞれ結構ちゃんと個性が出ています。キャラ名にカタカナで読み方が併記されているのがありがたい。これなかったら名前覚えるのしんどかったと思う。

エンディングまでプレイした結果ストーリーはかなりよかったです。惜しむらくは翻訳が終わっていて没入感が削がれまくったことですが、ストーリーライン自体はよくできてたと思います。

よくなかったところ

序盤はそれなりに密度があるんですが、ゲーム中盤から終盤にかけてやることが少なくなって同じことの繰り返しになってしまうつらさがありました。特に最終段階にレベルアップするのに必要な経験値が30万なんですが、畑1マス収穫して手に入る経験値が20くらいで畑全面に作物を植えるとだいたい4~500個で、全面収穫してやっと1万です。これを30回やる必要があります。即成長させるアイテムがあるのでそれ使うとしても、植えて収穫するだけで10分くらいかかるので、単純計算で300分。実際には作物を売ったり種を買ったりで移動する時間も発生するし、好感度のためにあいさつ回りしながらだったのもあって10時間くらい経験値稼ぎに費やしました。つらかった。最終段階にレベルアップしないと最後のクエストを進行させられない、エンディングを見るためだけに脳死で作物を植えて収穫してを繰り返したので本当にこのゲームのことが嫌いになりそうでした。

ゲームをクリアしたらクリアしたで別にやらなくてもいいか、となってしまったので、うーん。作ってない料理作ったり衣装集めたりハウジングだったりとかやることはあるんですが、まあ別にいいかな……。ただ、何に追われるでもなく気ままに作物植えて料理作って宴会開いてみたいなのができるようになったのでクリアしてレベル上げから解放されてよかったねとは思います。

翻訳の出来は本当にひどくて、おおよその箇所で書いてあることの意味はわかるけどそのキャラに合った文章にはなっていないという状態で、クエストに必要なアイテム名が表記ゆれしまくっていて実際に渡しに行くまで何が必要なのかわからないみたいな割とゲームプレイ上困るやつもありました。まだ英語版のほうがプレイしやすいのかなと思わなくもないんだけど、Anima Fruit から Qingling Fruit Wine が作れるとかは英語版のほうがわかりにくそう。Anima Fruit は日本語では清霊果と表記されていて、Qingling Fruit Wine は清霊果酒です。つまり前者は意訳で後者は音訳なんですね。まあ日本語でもこういうのは結構ある。中華ファンタジーなので中国語勉強して中国語でプレイしたほうがそのあたりの体験はずっとよいと思います。日本風に翻訳したせいで雰囲気が損なわれている箇所とかもけっこうあるし。ただ翻訳は別にこの価格帯のゲームだとだいたいこうなのでそこまで期待してないし、プレイできないほどではなかったし、経験値稼ぎのしんどさに比べるとまったく苦ではなかったです。こういう評価になっちゃうくらい、終盤の作業感がきつかった。エンディング見たかったからやったけど……。

あとは全体的にただ移動してるだけの時間が多かったです。100時間くらいプレイしたんですが、そのうち6割くらいは移動してる時間じゃないかな。ファストトラベルぽい機能もなくはないんですが、基本的には拠点から行き先までの一方通行で、帰りは徒歩になる。これがしんどかったし、結局ほとんど使わずに歩き回ってた気がする。これくらい移動してから思うんだけど、そもそも畑と家も遠いですね。家出て目の前が畑でいいじゃんって感じなんですが、一画面くらい離れてる。

あんまり比べてもな……とは思いつつも、これクリアしてからハーヴェステラプレイしたらハーヴェステラめちゃくちゃ面白くてびっくりしちゃった。ハーヴェステラ、探索とか戦闘がちゃんと面白いんですよね。みためはアクションRPGな割にアクション要素がうすくてダメージレースになってるところもむしろゲームバランスの調整上正しいようが気もします。ちゃんと回復アイテムを持ち込まないと探索がきつくて、その回復アイテムを作るために作物を育てる、というサイクルがきっちりハマっている。仙郷物語は回復手段に乏しく、自分で回復アイテムを用意しようと思うと中盤以降で、しかも要求される素材の量と作成時間の消費が重すぎて、これだったら金で回復アイテム買ったほうが楽、となってしまうし、プレイヤースキルがあればそこまで回復もいらないし、みたいな感じ。ハーヴェステラはハーヴェステラで牧場物語を引き合いに出されて出来が悪いって言われてるんだけど、ぜんぜんそんなことないですよ。クラフト要素があるRPGとして見るとめちゃくちゃよく出来てる。牧場物語だと思ってプレイしてはいけないし、牧場物語がやりたかったら牧場物語をやりましょう。

話を仙郷物語に戻すと、独立系でこれだけのゲームを作って完成させるのは素直にすごいんだけど、このゲームに2000円出して100時間費やすのは正直あんまりおすすめではないです。中華風の雰囲気を味わいたいだけだったら最初の10時間くらいで充分ですね。それ以上やんなくてもいいと思う。

こちらからは以上です。

あけまして

もう一ヶ月経つやんけおめでたい頭だなございます。

とりあえず生きてます。休日にゲームするくらいの時間はある。

最近は仙郷物語っていう中華ファンタジーの世界観の牧場物語風のゲームをやっていました。ゲーム内時間で1年遊んだ感じでは、やることはたくさんあるけどゲームの進捗はなんか進みが鈍いというかサクサク進んでいく実感がないなという印象のゲームです。操作性もいまいちよくなくて、全体的に気持ちよさが弱いです。それでも基本的な要素としてはわりとしっかりしていて、コストとゲインのバランスは破綻していない程度にはなっているし、時限クエストも初見だとギリギリでゲーム知識が身につくとこなせるという具合。ただもうちょっとサクサク拡大再生産できるほうが楽しいですね。ゲーム時間半分くらいに圧縮したほうが、体験が濃くなるはず。今は薄めたカルピスというより、水にカルピスの源液をちょっと垂らしただけ、という味わい。

翻訳は読めるけど味はしなくて、キャラに愛着が湧きづらいです。キャラ自体の味付が悪いわけではなくて、セリフ回しでそこがちゃんと表現できてない。李夢卿は個人的には結構好きですし、宋煙瞳はストーリーがちゃんとしているっぽかったのでわりと感情移入しやすいほうだと思うんですが、口調がめちゃくちゃなのでそのたびにスンってなる。英語でプレイしたほうがいいのかもしれん。でも英語だと雰囲気損なうと思うしな……。まあそもそも好感度のたまりが遅すぎ、好感度を稼ぐために最も効率的なプレゼントアイテムは多くのキャラで特定の節気に限定で専用の通貨を使って買う必要があり、その通貨の入手は実質的に上限があり、先述のとおり拡大再生産みがにぶいので金でプレゼント買って配って仲良くなるみたいなのが難しい。仮に毎日プレゼントしたとしても一年で好感度レベル2いくかなくらい。それでイベントが起きてもだいたい3往復くらいの会話で終わるので、もうちょっとキャラを好きになれるゲームであってほしかった。仲良くなってもなにか変化が起きるかというとそうでもなさそう。正式リリース前よりはいろいろイベントとか実装されてるらしいんですけどね。

アイテムとかの用語のワーディングは日本人が読みやすいようにローカライズしている感じですが、せっかくの中華ファンタジーなんだからもっとゴリゴリに中国語で攻めたほうが雰囲気は出ると思います。読める読めないでいうと今もどうせ読めないし、ちょいちょい間違ってるぽい。謝聞天がショウカンテンになってたりする(ローマ字表記するとXIE WENTIAN になるらしい。他のキャラが中国語読みなのにここだけ日本語読みぽくなってるのもおかしいし、たぶん聞と間を間違えてる)

カレンダーが二十四節気になってたり作物が中華風なのはこのゲームならではだと思うので、こういうところは体験としてよかったです。中華料理作るのも楽しい。料理のミニゲームはまずまずいいんですが、宿屋の厨房より門派の厨房のほうが広くなってる分時間制限が厳しくなってるのに、同じ制限時間内に調理することを課されるところはちょっと理不尽なのでやめてほしい。

鉱石類全般手に入りにくすぎ、石は大量に要求されるけどダンジョンに掘りに行くのはだるく、一日でやることも多く、ダンジョンだけ潜ってるわけにもいかず、みたいな感じでうまくサイクルの中に組み込みづらい。一個石掘って2個ドロップ、では割にあわなさすぎる。一方で木はでかい木を切ると一度に12個とれるので、木くらい気軽に手に入ればいいのになという。木は森にいけば掘れるけど、石はダンジョンにいかないとないっていうのもある。

ダンジョンはブラウザでプレイできるMMOくらいの手触りで、正直あんまりおもしろくはない。一応ちゃんとレベル上げて楽になるところは体験できるんだけど、アップグレードしないヴァンパイアサバイバーみたいな感じなのでゲームプレイにあんまりメリハリがない。スキル強化するのに異常に大量に金を要求される。ダンジョンの難度が上がってももらえるアイテムの売値は変わらない。こういうところはあんまりスケールしないので見直してほしい。

悪いところばかり書いてしまったが、中華ファンタジー世界で牧場物語ができるのは楽しいので、今後のアップデートで改善したらいいですね。

こちらからは以上です。