aoitaku Advent Calendar 2017 : 6日目 - わたしたちは匿名ではない

この記事は aoitaku Advent Calendar 2017 の 6日目の記事です。


ぼくはそのようなリスクはほとんどないのですが、アカウントIDの識別性が一定以上に高いユーザがある巨大なサービス……たとえば Twitter がそうですが、Twitter を使っていたとします。で、Twitter 上でなんらか別のサービスが流行したとする。いまだと Peing ですかね。このとき、悪意のあるユーザがその Twitter ユーザのアカウントIDと同一のIDで Peing に登録することができる。Peing の場合窓口は Twitter になるで現実的になりすましは難しいですが、そのユーザが Peing に同じ ID で登録することはできなくなってしまうわけです。Peing は私書箱みたいなものなので別にそれほど困るわけではないですけど、これが何らか情報発信サービスだとあやうい感じがしますね?

というようなことはべつに Twitter 以前から危惧されていたわけです。たとえば .xxx とか .porn というドメインはおもにアダルト業界での利用を想定したものなのですが、ここで架空企業 Some Famous Company があったとして、第三者が somefamouscompany.xxx のようなドメインを取ると、これはイメージを毀損する一種の攻撃になります。そのような攻撃から身を守るために保護申請ができるのですが、ここで言いたいことは、ある程度周知された名前を持っている人物や団体は、それを騙る第三者による攻撃を意識しなければいけないということです。

Twitter にしてもそうで、Twitter のユーザ ID というのはある程度識別性が高くなるともはや匿名ではない。もちろん実住所に住んでいる実名の自分と切り離すことはできますが、そうしたところでインターネット上にいるそのアカウント ID が持つ「ブランド」は匿名でもなんでもない。作家が覆面であろうと筆名と作品が結びついている以上、筆名が持つ「ブランド」が匿名ではないのと同じで、インターネット上で活動をする人間にとっては、なんらかのサービスのアカウントIDはインターネット上で活動している主体を指す特定名になってしまう。まったく匿名ではない。

まあぼくはそのようなリスクはほとんどない……無名な数多くのユーザのひとりにすぎないのですが、とはいえ、私怨によって掲示板に晒されたりするリスクがゼロなわけではない*1し、インターネットの活動主体である aoitaku との距離が近いサービスはできるだけアカウントIDを抑えておくようにしています。

しかしそうすると、ぼくはたとえば小説家になろうカクヨムで匿名で活動することはかなわないわけです*2
作品によって筆名を変えたいと思っても、なろうの作品毎のPN機能は、単に表示を変えるだけで匿名になる機能ではないし、カクヨムにはPN機能はそもそもない。
匿名で書きたいというのを想定していないと思いますし、匿名で書きたい人は多くないかもしれない。
そんなことはないと思うんですけどね。2ちゃんねるのSSは基本的に匿名ですし。しかしまあ、そういうことがしたければ匿名の場へ行くべきで、そういう文化ではないといわれれば、そうかもしれない。

まあでも、インターネット上に名前があるのは、言ってみればその名前に縛られることなので、まったくわたしたちは匿名ではないですよ、ということには違いないと思っています。

*1:実際に全く身に覚えのないことで匿名掲示板に晒されたことがあります

*2:これらのサービスは個人による複数アカウントの取得は基本的に禁止されています