じゃあ実際みんなどうしたら購買意欲をそそられるんだ

もう旬の話題ではないし蒸し返すのもどうなんだという感じではあるんだけど、作家自身がコンテンツ力を高めなければこの先のプロモーションはうまくいかないだろう的なことをフリーランスの編集者がツイートして物議を醸した件についてなんだけど、一読者からすれば「信頼性のない作家がおもしろコンテンツになっても信頼性がうまれるわけではない」というのが正直なところです。
そして「おもしろコンテンツが必ずしもおもしろ作品を生み出すわけではない」ということをわれわれ読者はよく知っています。

ずっとこのことについて的確な言葉があるような気がしてたんですけど、「ウィンザー効果」だった。
ひらたくいうと「人は本人よりも第三者の意見をより信頼する」という説で、まあ往々にしてそうだと思います。ネット時代の口コミ戦略みたいなのも数年前にはわりと議論されていたと思います。数年前はっていうのは、これネットではうまくいかなかったってことですね。ステマ、要はサクラが横行してしまったので、信頼性がなくなってしまったので。

じゃあステマじゃなくてダイマならいいのかっていうと、ダイマはけっきょく第三者の意見ではないじゃないですか。だからこれも同じように信頼性が乏しいわけです。キュレーションメディアがうまくいかなかったのも同じ理由だし、ファミ通が通り過ぎた後ですよ。

結局 Amazon レビューみたいな第三者による否定的(場合によっては攻撃的)なネガティブレビューばかりが機能して、売上を損ねる方向にだけ信頼されるみたいなことになってるんじゃないですか。
Amazon にかぎらないですけどキャズム越えないと否定的なレビューが肯定的なレビューを上回ることほとんどないですし、数少ない肯定的なレビューはステマの可能性を否定できないので、結局ユーザはそれを信頼することができない。

トラストレスがそこのブレイクスルーになってほしいとは思うものの、トラストレスが銀の弾丸足りえることもないだろうなということは感じていて、しかも現状そういうものがすでにあるわけじゃないから、今なにかどうにかなってほしいということについての助けにはまったくならない。

今目下なにがどうなってほしいかというと、まず無差別RTをやめろ。義理RTとか祝儀RTとかもうやめろ。露出を増やせば購買機会が増える。これは正しいけれども、露出を増やしたことによってスパム化してしまうと機能しなくなる。賢いユーザほど離脱する。

一言二言でいいから機械的ではなく人間が意味あってその情報を人に届けようとしていることを示せ。意味を伝えろ。意味を伝える価値があることを伝えろ。情報を厳選しろ。環境に特化しろ。

っていうことを思うんだけど、ぼくがこれを意識してなにかしたところでほとんどリーチした試しがない。
面白そうな作品を面白そうに伝える芸人が必要なんだけど、それがキュレーターであり、キュレーターがちゃんと機能したら今はもうちょっとよかったのかな……とか思うんだけど、でもまあそもそも十年前とかだともうちょっと口コミ機能してたよねとも思う。

いまもう本当にあたらしいコンテンツを開拓しようっていうユーザ減ったと思う。すでに価値があるコンテンツを受け取る方向になってると思う。いまあたらしいものが売れないのはそれに尽きると感じている。