flowerwitch

flowerwitch クリアしました。

ドット絵がよく動く横スクロール探索アクションゲームです。

探索型だけどメトロイドとかキャッスルヴァニアとかとはちょっと趣が違って、探索が進むことで探索範囲が広がる感じのでなくて、ボスを倒すと次のエリアが解禁される、エリアを順繰りに攻略していくという感じになっています。倒さなくていいボスは一体だけで、あと横道がちょっとあるくらいで基本的にはステージクリア型に近いプレイ感覚ですね。あたらしい魔法やステータスアップアイテムが落ちてるので各エリア内での探索要素はしっかりあります。

クリアしてみればクリアできてよかったねという感じだけど、それはそれとしてこれは擁護できないよという要素が少なからずありました。自分でアクションゲーム作るときに考えさせられる部分が大きかったのでこのゲームの不満点とか書き起こしておきます。

前作も難しかったのですが今作は更に難しくなっている印象です。前作クリア済みだから余裕やろとか思ってたらめちゃくちゃにされてしまった。隠しボスまでを倒した上での感想としては、ゲームバランスに関してはちゃんとクリアできるようにはなっているけれど、クリアできるようになるまでに複数回の試行を要求する割にはリトライ性が悪い。
あと、ラスボス戦っていうのは基本的にはそのゲームでプレイしたことの集大成になっているべきで、そのゲームで体験してないあたらしい要素をぶちこんでくるのは妥当ではない。それまでのボス戦にちゃんとギミックを活かした戦闘を仕込んでおいてほしいというのと、いきなり横スクロールSTGをはじめるな、という感じ。複数部位があるボスってラスボス以外には地下図書館くらいで、ここのボス戦はリトライしてもわりと楽しい戦闘だったなという。 二戦目にいきなり横スクロールSTGがはじまるのも、それ自体はむずかしいゲームではないのでいいんだけど、さすがに初見でノーダメでクリアできる性質のものではないので、こういう二連戦になっているということはつまり一戦目はほぼ無傷でクリアしてねということなんだろうなと思う。で、無傷がむずかしい人は桃あるからね、ということなんだろうなと思う。でも、それだったら二戦目の前でセーブできるようにすればいいのでは??? セーブできてしまうと緊張感なくなってしまって消化試合になってしまうけど、二戦目は演出のための戦闘なのでそれでいいだろうと思います。
それはそれとしてそういうミニゲーム要素はむしろ道中にもっと仕込んでおいてよく、そのほうがいきなりSTGはじまってもまあそうねという感じになって楽しかったのになと思う。

ボス戦はラスボス戦まではゴリ押してしまえるのが逆によくなくて、ラスボス戦でああいうギミック積んでボスの行動を死にながら覚えて攻略するのをやらせるんだったら、最初からちょっとずつギミックを使うことを理解させるボス戦になっていたほうが望ましい、という感じだった。
もちろん途中のボス戦も行動パターンを覚えて、という感じにはなっている。最初のボスはゴリ押せるだけのステータスがないので特に意識して戦う必要があるんだけど、ここも桃で回復しながら殴ればゴリ押せてしまう。救済措置のはずの桃のせいでゲームに習熟する機会を奪われたままラスボス戦にたどり着いてしまうのでラスボス戦ばかりを何度もリトライすることになる。これはレベルデザインの問題ではないかと思うので次作ではこのあたり意識してくれるといいなあと思っている。

魔法も種類が多く出てくるけどいちし花とか使いどころがない感じだった。魔法スロットが限られてて向日葵と薔薇、初期のエリアからずっとこれ一本になりがち。向日葵は場合によってはたんぽぽと入れ替えてもいいんだけど。
桃と向日葵や薔薇は操作が衝突してて、同居させると桃を暴発させがちなので、桃もあんまり有効に使えなかった。このへん操作もうちょっとなんとかできなかったのかなーという感じ。8ボタンパッドを想定してると思うんだけど、いま7ボタン使ってるので桃はもう一個余ってるボタンでもよかったんじゃないかと思う。瞬時に出せないと困るやつではないし、アクセスの悪いボタンに配置されてることは問題にならないはず。それか、そもそも桃なくてよかったかもねという感じ。なければないなりにどうにかなるようにはできてて、救済が必要な箇所はスポットでセーブポイント置くとかでよかった。

杖のスロット数制限も、まあ思うところはあるんだけど、性能は高いけどスロット数がない杖とかも、たとえばラスボスとか隠しボス戦は魔法いらないまであるので、単にステータスが高い杖もちこんだほうがいい。地下図書館のボスなんかは薔薇鞭ないときびしいので薔薇がほしいが、逆に薔薇さえあればいいのでスロット一個空いてればいい。たいていのボスで薔薇か桜のどっちかがあれば充分なので、道中は対応力をあげるためにスロット数の多い杖、ボス戦はステータス重視、みたいな感じで使い分けできるといいのかな、というところだろうと考えると、これはこれで悪くないかもしれない。

前作もそうだったんだけどサーチが下方向に対して狭すぎ、敵や足場の存在を確認できないので下への移動はとりあえず一回落ちて死んでみるかみたいな感じになっており、サーチ本当に役立たずやな……という感じに。アップデートでちょっと遠くまで見通せるようになったけど、単に自分中心にズームアウトするんじゃなくて、足元方向にちょっとスクロールしながらズームアウトするだけでよかったのになーと思う。上方向はジャンプで見ればいいのでサーチいらないし、左右も歩いて様子見てくればいい。下は不可逆というか上とか左右に比べてリスキーだからサーチがほしいんですよね。

あとは、ゲーム内のヒントが少なすぎるので、もうちょっとなんかなかったかなーと思う。クリア後の百合洞もずっと隠しボスのところにたどり着けなかったのでなんかおかしかったのかな?と思ったりもしたんだけど、どうも運? 運が悪いと延々探索し続けるはめになるという感じな気がする。運ゲーを試行回数で殴ってどうにかするのは、まああまりよい感じではない。プレイヤーが自分でなんかやったという実感を得られるようになってるとよかったねと思う。

難易度がまともに機能してなくて低難度にしててもふつうのアクションゲームのむずかしいくらいの感じのゲームになってるのもこれは何という感じ。 低難度は敵の配置がゆるくなるので確かに簡単にはなってるんだけど、敵一体でも驚異は驚異で、一発もらったらボロボロになる。回復アイテムも言うほど落とさないし。高難度も単に敵が硬いだけなので慎重にアウトレンジで敵を潰すみたいなプレイをしたときのプレイ感はあまり変わらない。で、マップのデザイン的にはそういうプレイングを要求する作りになってると思うので、高難度っていうのは単にジリジリとちょっとずつ前進するゲームという感じになってしまい、ボス戦以外では爽快なアクションゲームらしさを味わいにくくなってる気がする。高難度は武器ドロップ率高いのでひょっとするとちょっと敵が硬いっていっても武器の強化でトントンの可能性もある。アップデートでダメージ軽減されたらしいのでもうちょっとゆるめになったのかもしれない。今でもまだゲーム苦手な人には不慣れなんじゃないかなという感じ。
低難度なら誰でもクリアできるバランスが妥当かというとそんなことはないんだけど、操作がけっこう複雑なゲームなので、ライフ管理しながら集中力維持して精密な操作を要求するのはのぞましいデザインではないですねという感じがある。低難度は操作ミスで死なないけどちゃんとゲームを理解してないと死ぬのが理想です。なので、たとえば攻撃は激しくなくてよくて、落ち着いてプレイすれば勝てる、でもギミックをちゃんと解かないと死ぬよ、とかになってるといいんだけど、ラスボスの最終形態とかは、落ち着いてプレイさせないように攻撃を激化してしまっていて、もうちょっと細やかな難易度調整が必要なんじゃないかなと思ってしまう。花が復活するまでの時間を遅らせるとか、つぼみの成長を遅らせるとか。

ストーリーとかゲームの雰囲気とかは前作に引き続いて魅力的で非常に良かったし、ゲームのメカニズムそれ自体はめちゃくちゃよくできてるんですよね。操作は複雑だけど、操作感が著しく悪いわけではないので、操作に慣れて自在にキャラクターを操作できるようになるとしっかりと気持ちよさがある。キャラクターを動かしてるだけで気持ちいい、という操作感がちゃんと確立されてる横スクロールアクションゲームって同人だと数えるほどしかないので、ここがちゃんとできてるだけで信頼感がある。次作が出れば次作も買って遊ぶし、応援したい。

こちらからは以上です。