死神娼館クリア

まあクリアしたけど~っていう気持ちを書きます。特に評価は好転してません。やっぱりなという感じ。プレイ開始時のバージョンは1.0.4、クリア時のバージョンは1.0.8です。

ストーリーはまあこんなもんじゃないでしょうかという感じではありますが、キャラクターはちゃんと立っていてかわいいのでいいでしょう。ダンジョンタウンはヒロインの二面性をテーマにした作品だったので、ヒロインが裏返って結果「俺が好きになったヒロインはこいつじゃないんだよな」感が拭えないところがあったりなかったりしましたが、今作は最初からヒロインのキャラクター性が一貫しているので、その点は安心していいと思います。

エンディングはすっごいあっさりしてます。エンドロール直前のやりとりなんかは好きですけど、エンドロール終わってなんもなしでタイトル画面に戻ってきて、もうちょっとなんかあれよ、という気持ち。

あとエンドレス経営モードもなさそうですね。エンドレス経営エンドレス娼館やりたいと思うんですけどできないです。ゲームは時限要素が強くずっとノルマに追われる感じになるので、娼館後回しでとりあえずストーリーみたいなプレイをすると娼館でのイベントシーンは取りこぼします。まんべんなくやりましょう。ただ、まんべんなくできるテンポ感はないです。

いちばんエッチなのが密着モードなんですけど、密着モードからそのまま合体できなくなってるので、今後のアップデートなり追加コンテンツなりでここ補強してくれなかったらちょっと人におすすめできない感じになっています。パートボイスになっててイベントえっちシーンにはボイスなくて寂しいんですが、本番以外のえっちシーンボイスなしのくせにめっちゃ尺短かったりしますね。もっとがんばって。

ゲーム部分は、終始各要素が噛み合ってないなという感じでした。 武器を強化するのにエレメントという素材が必要なんですが、エレメントはダンジョンで拾うか、マッカと交換するかによって得られます。マッカは娼館でだけ手に入って娼館でだけ使える通貨です。
初期バージョンはなんとエレメントとマッカが引き継がれない仕様でした。
でもまあ武器の性能が足りなかったらその分キャラを強化すればいい、という感じではあり、なんとかなっています。
いや、なんとかなっていいんかい。

ダンジョンに召喚されるキャラがランダムなので、まんべんなく育てたほうがいいですよというヒントが表示されるんですが、実際にはまんべんなく育てる上で装備を揃えるのがネックになっています。このゲームの装備は基本上書きで、外して付け替えとかできないようになっています。上書きするときに毎回コストがかかるわけです。そうするとどうなるかというと、お古の装備でとりあえず間に合わせにするということができない。人数分コストがかかるようになります。で、いちいち一段回ずつアップグレードする余裕はぜんぜんありません。それくらいエレメントが集まらないので。なのでエレメントが集まったタイミングで主力を優先して上位の武器を作る、みたいな感じになります。結果的に、ダンジョン内での召喚時にその主力を引けるまで引き直すみたいな感じになります。まあそうなるよねという感じ。

娼館パートが今のところプレイフィールが劣悪なのも、エレメント稼ぎをする気にならない理由になっています。
娼館は今は最大5人まで客を取れるんですが、客が6人以上いるときに5人目を取ると、以降の客は取れなくなるっていう感じになっています。客取れないんだけど客を取るためのシークエンスだけはそのまま動き、スキップできません。客は10人以上来ることもあり、5人以上の客に対してアプローチをかけて客を取れなかったというのを繰り返す必要がある。娼館パートで毎回こう。このプレイフィールの悪さで娼館パートやりたいか?っていったらやらないですよね。これは直すらしいので今後のアップデートで直ってからやるといいと思います。

戦闘バランスはとても大味です。敵の攻撃で死ぬことはあんまりないし、よしんば死んだとして、全体復活スキルを主人公とヒロインの二人が覚えるので、よっぽど死なないようになっています。が、敵のほうはというと永久回復するボスなどがおり、回復量を上回る火力がないと千日手になります。ロードしてダンジョン潜り直すの億劫だったので150ターンかけて倒しましたけど、良い子のみんなはボスフロアに来たら一回街に帰ってダンジョン攻略状況を保存してからボス戦に挑みましょう。ただし、これ後述するんですけど帰ろうと思って帰れるとは限らないです。

敵は硬い敵やわらかい敵がかなりおおざっぱな調整になっていて、硬い敵はとにかく硬く、火力担当が殴っても相当に時間がかかります。なんならモブはダメージが分散するのでラスボス単体よりも時間かかります。これ本当か?ってなる。

こちらが死ぬことがなく安全で、敵が硬い。こういう戦闘は繰り返すと苦痛です。なんも楽しくない。戦略性があるわけでもない。あったとして、そのような手がかりはゲーム中には特に示されません。前作もたいがい戦闘たるかったですけど、前作のほうがよっぽどよかったですね。前作の戦闘が今作くらいの調整だったらとてもじゃないけど前作はクリアできてないと思います。前作はマップ歩き回るのがいちばんの苦痛だったので……。

マップは前作同様のランダムダンジョンです。でもこれランダムダンジョンである意味あるんだっけ……。よくわかんないですね。ノンフィールドRPGでよかったと思います。前作のときもたぶんそういう感想だった気はします。ごくふつうのランダム生成ダンジョンのゲーム、通路を塞ぐ位置は基本的には階段とかイベントとか置かないようにしてる(罠とかアイテムは置きます)んですけど、このゲームは階段とかボスがふつうに置いてあります。階段もボスも部屋に入るまでは不可視なので、入った瞬間ボス戦が発生するとかがあります。いやボス戦の前に一回街帰らせてくれよ。頼むよ。

アップデートでいろんなことが多少マシになりました。特にダンジョン中のランダムイベントで、パーティメンバーの能力値を参照してダイスの出目に補正がかかるようになり、終盤のイベントではダイス増やさなくても突破できるようになりました。それはそれでどうかと思いますが、ダンジョン自体が長くてだるくなるのでイベントは据え置きのほうがプレイフィールを損ねず、プレイヤーキャラクターの成長を実感できていいんじゃないかと思います。まあ最初からそういうふうにはなってなかったのでそこまで考えてなかったんじゃないかとは思いますけど。

ダンジョン攻略中にえっちシーンが差し込まれるの、まあダルいですね。テンポが悪い。事後の演出だけやって後から回想でいいと思いますよ。シーン自体は悪くないと思います。サブキャラクターたちそれぞれにバックグラウンドがあってひどい目にあわされたときのかわいそうぶりに拍車がかかってます。

ダンジョン攻略が現状だとストーリー上の要請で行くだけのところになっていて、このパートが経営パートを邪魔しているという印象が極めて強い。

ダンジョンいって帰ってきた後、たぶんバグだと思うんですが店の従業員が全員活動していない状態になります。ここで運悪くゴブリンが襲撃してくると、なすすべなくゴブリンが去るのをただ見ているだけになります。この間ゴミも放置されるので、すごい勢いで汚染値が上がります。汚染値は200%を超えたときに300%を超えるとゲームオーバーになるぞという警告を出してくるんですが、襲撃時点の汚染値によっては300%超えることあるんじゃないかという感じですね。ぼくは250%までいってかなりやばかった。

ダンジョン行ったら経営にプラスになるような要素があるといいんですけどね。ダンジョン行ってる間は店は営業止まっちゃうし。しいていえばエレメント稼ぎですけど。これダンジョンでやるんだったら娼館本格的になんやねんという感じになります。

従業員のスキル欄にフレーバー的な能力が書かれてるんですが、これがフレーバーなのかどうかは作者に言われるまでわからないやつで、プレイヤーはこういう「どの数値がどのへんにどう作用してるのか」まったく想像できない状態です。これで手探りで攻略してねっていうのはかなり無理がある。作者の考えをエスパーしろって感じになってます。

プレイヤーがなにか試したとして、乱数の影響なのかパラメータの影響なのか、それを調べるには試行回数を重ねてパーセンテージを求めるみたいなことをやる必要があります。これは攻略じゃなくて解析っていいます。プレイヤーが解析しないといけないゲームのことを手探りで攻略するのが楽しいゲームっていうのはさすがに欺瞞がすぎる。

素材の仕入れ、どうも内部的に流通量というのが設定されているらしく、レアな素材は流通量が少ないので枯渇しやすいそうです。今のところ、どの素材がレアでそうでないのか、プレイヤーが知るすべはありません。知ろうと思ったら実際に流通量から察する必要があります。でもレア素材があって流通量が限られていますみたいな仕様たぶん言われないとずっと気付かないんじゃないかなと思いますね。その素材を仕入れに行くかどうかもランダムなんで、俯瞰して数日間統計取ってみたいなことやる必要があります。それは攻略じゃなくて解析っていいますね。
まあ流通量は可視化した上で調整もするらしいので、アップデートでこのへんはマシになるんだと思います。

さて、じゃあ流通しやすい素材だけでレシピを組むと何が起こるかというと、それぞれのレシピで素材を食い合うので、食いつぶすのが早くなります。結果的にいつまでも安定供給されないみたいなことが起こる。なのでまんべんなく素材を選ぶのが正しいんだと思います。思うんですが、それをやるとずっと足りないということが起こりました。必要な素材の種類が増えると、素材一種類あたりの供給量が減ります。なので素材を共通にするほうがマシなんですね~。商品はせいぜい三ページ目くらいまで、それも特定の商品専用の素材が発生しないようにしてあげたほうが無駄なくちゃんと回ります。このへんプレイしているうちに感覚がつかめるのかもしれないんですが、まあ言われないとわかんないですね。なぜかぜんぜん仕入れが行われないし、仕入れが行われても一瞬で素材がなくなる、みたいな状況をただ見ているだけになる。おかしいと思ったら商品を見直そう、っていうのが必要なんでしょうけど、それまで機能していたものが突然機能しなくなったりすると原因を探るのがむずかしいですね。数字が複雑に作用しているゲームなので、そこまで把握するのはたぶん無理です。作った人でもないかぎり。

レシピはランクごとになんか差別化されているかというとそういうことはあんまりありません。高ランクのレシピは高ランクの素材しか使えない、とかっていう違いはあります。ただ、下3ランク分くらいまでは使えるので、下半分のランクのレシピは名前違いで同じものというのがいくつもあります。このへんはフレーバーってことなんでしょうね。

後半にならないと解放されない下位ランクのレシピがあるんですが、香辛料を使う関係でメインに組み込みにくく、ずっと使わないという感じになっています。アップデートで改善されるかもしれないんですが、どうも香辛料は下位上位関係なく全体的にレア素材になってるっぽく、香辛料を使うレシピにかぎって在庫不足になりがちです。機能しないレシピなので使わないほうがいいですね。ゲーム後半になってアンロックされるわりには使い勝手が悪く、本当にフレーバーでしかないんだと思います。

高ランクのレシピじゃなくても高位素材が使えるので、低ランクのレシピを使うほうが素材の組み換えがしやすくて優秀です。ランクで補正があったりするのかなと思ったりもするんですがよくわからないです。

鍛冶と調合は持っているアイテムは買わないという動きをするので、同じ材料で種類違いを作ると多重に買わせることができます。たぶんそのために同じレシピになってんのかな。それはなんかゲームのメカニズムをハックする攻略って感じですね。嫌いではないですけど、ゲームのテキストを読み解いて攻略するという感じとは違うので、このゲームはたぶん徹頭徹尾プレイヤーがゲームの挙動を把握してどうのこうのしろということなんでしょう。

ここまでうだうだ書いてもアップデートでひっくり返ったりするので、このゲームを買うときはアップデートでこれらの点が解消されてるかどうか確認してから買うといいと思います。ぼくは現時点ではオススメしません。たぶんアップデートを重ねても根本的なダルさは解決しないとも思うので、4月とか5月にやるゲームなくて暇っていう人が買ってやったらいいんじゃないでしょうか。

あんまり比較しちゃ悪いと思うんですが、経営パート自体は魔王軍へようこその劣化版っていう感じなんで、魔王軍へようこそやったほうが面白いんじゃないでしょうか。あのゲームあれだけ高速に大量のデータが流れてもちゃんと素材の仕入れコントロールすること意識しながら経営できてしかもテンポいいですからね。そういうちゃんとしたゲーム見てると「何があかんかったのかよく考えてください。ほな」ちゅう感じですよね。

まあやっぱり密着モードがこのゲームのキモだと思います。そういう意味では密着合体ができるようにるまでは不完全なβ版なので、β版に金出せる人が買ってプレイしましょう。リリース直後はセールもやってるのでアーリーアクセスのつもりでどうぞ。買って寝かせてもいいと思います。

重箱の隅

  • これボイス入っちゃってるので修正できないと思うんですが、「依頼が参ってる」っていうようなセリフがあるんです。「参る」は「行く」の謙譲語なので、意味は「行く」です。「やってくる」という意味ではない。ボイス関係の校正は念には念を押してやりましょう。