自分の誕生日にGIを勝った馬

誕生日が4~5月だったり10~12月だったりすると、自身の誕生日に何かしらのGI競走が行われていると思う。

ぼくの誕生日は、このブログを読んでいる方は存じているかもしれないが、5月26日である。5月26日といえばトウカイテイオーがダービーを勝った日である。 誕生日が日曜日ならGI競走が開催される。ぼくの場合は5月なので、ダービーかオークスのどちらか。曜日は1年に1日ずつずれる。うるう年があると2日ずれる。例外を除けばカレンダーは28年周期だが、それはそれとして、ある日付の曜日が同じになることはうるう年の都合でずれたりするが、何年かおきにはやってくる。

グレード制がはじまったのは84年なので、84年以降の競走に限定した話をしていく。

1985年5月26日

日本ダービーが開催。1着はシリウスシンボリシリウスシンボリは移籍騒動で皐月賞は未出走、その皐月賞を勝ったミホシンザンは怪我でダービーには出走していない。シリウスシンボリはこの後ヨーロッパ遠征に向かったため、この二頭は生涯対決することはなかった。同世代でもこういうすれ違いで全く対戦しないことがあるんだけど、たとえばトウカイテイオーツインターボなんかもそうで、直接対決することがなかったニ頭を、ウマ娘ではああいう形で描いたりする。擬人化ものの歴史ifだからこそできる話なので、ミホシンザンでもなんとか物語にならへんですか、と思っている。いやいやこれは85年ダービーを勝ったシリウスシンボリの話だった。
シリウスシンボリは帰国後にオグリキャップら平成の怪物世代と対決するので、シンデレラグレイに登場するようだ。

1991年5月26日

日本ダービーが開催。1着はトウカイテイオー。このテイオーのダービー制覇から20年後の5月26日が、ウマ箱2第1コーナーの発売日である。運命を感じる。
テイオーはこのダービーを勝った後、骨折が判明。菊花賞には出走できなかった。菊花賞はダービー2着のレオダーバンが制した。もしテイオーが出ていれば菊花賞を勝っていたのだろうか。春の天皇賞の3200mは長かったにせよ、中山の2500mを菊花賞レコード馬を破って制覇しているのだから、京都の3000mは走れていたかもしれない。他の馬だって体験したことのない距離だったのだし。

無事是名馬とはよく言ったもので、どれだけ速い馬、強い馬であってもレースに出られなければ強さを発揮できない。まあミホシンザンが骨折していなかったとして重馬場でシリウスシンボリを破ることができたかどうかはわからないし、レオダーバンのほうがテイオーよりも長距離に適したタフさを備えていたかもしれない。

たらればになってしまうが、ゲームの中では別だ。近日発売のウイニングポスト9 2021では84年開始シナリオが用意され、トウカイテイオーを所有することができるようになる。自己所有で怪我を回避し悲願の親子三冠を達成させてあげようと思う。

1996年5月26日

オークスが開催。1着はエアグルーヴエアグルーヴも三冠牝馬の器だと思うが、桜花賞は熱発で出走していないし、秋華賞は仕上げすぎたせいで体調を崩し、出走前のフラッシュでイレ込んで凡走。実力のある馬が実力通りに走れないことも往々にしてある。

たびたび、GIを3勝以上した牝馬の子は走らないと言われるが、エアグルーヴの時代にヴィクトリアマイルがあれば、エアグルーヴはGIを3勝以上していただろうと思う。前述の凡走した秋華賞と最後の有馬記念を除けば、3着内を外したことがない。牡馬混合でこの成績は立派である。

アドマイヤグルーヴドゥラメンテルーラーシップを輩出した彼女は間違いなく名牝で、その血はドゥラメンテの子たちに受け継がれている。

2002年5月26日

日本ダービーが開催。1着はタニノギムレット。ダービーを勝った後は秋に屈腱炎を発症。競走馬を続けることを断念し、種牡馬入り。そして生まれたのがウオッカであり、父娘でダービーを制覇した史上初めての牝馬となった。

タニノギムレット世代にはシンボリクリスエスがいる。ダービートライアルの青葉賞を勝って挑んだダービーではタニノギムレットに敗れて2着。青葉賞を勝った鞍上の武豊は「秋から強くなりますよ」と語ったらしい。
その秋は菊花賞でなく天皇賞・秋を目指し、ナリタトップロードテイエムオーシャンといった古馬を破って制覇。ジャパンカップは海外馬の前に3着となるも、有馬記念を勝ち、3歳時に古馬相手にGIを2勝する活躍を見せた。4歳時には宝塚記念などを走り、天皇賞・秋有馬記念をそれぞれ連覇。生涯GI4勝を挙げた。

本格化前とはいえ後にこれだけの活躍をする馬を相手にダービーを勝ったのだからタニノギムレットだって強い馬だったのは間違いない。もし怪我がなければ暮れの中山での再戦もあっただろう。ウマ娘にはタニノギムレットシンボリクリスエスもいないが、ウオッカシンボリルドルフがいるなら……という期待があり、どれだけ時間がかかってもいいから果たされてほしいと思う。

2013年5月26日

日本ダービーが開催。1着はキズナディープインパクトの子としてダービーを制覇し、親子制覇を達成。前年のディープブリランテに続いて二年連続となった。ちなみに2018年から2020年までは三年連続でディープインパクト産駒がダービーを制している。父内国産馬によるダービー制覇も別段珍しくなくなっていた。

ダービーを勝った後は凱旋門賞に挑戦。前哨戦のニエル賞を勝って臨んだ凱旋門賞では4着。その後は大きいところを勝てないまま種牡馬入り。ディープインパクト後継種牡馬としては良好な成績を挙げており、いずれはGI馬も出てくるだろうと思う。

ダービー2着馬のエピファネイアはその年の菊花賞を勝利。皐月賞2着、ダービー2着、菊花賞1着。翌年のジャパンカップジャスタウェイを下して制覇。勝ったGI数こそ2つだけだが、クラシックで2着2回は立派。種牡馬入り後は初年度産駒から無敗の三冠牝馬デアリングタクトが出てきたほか、菊花賞2着馬のアリストテレスがいる。二年目の産駒にもクラシック候補がおり、今後が楽しみである。

2019年5月26日

日本ダービーが開催。1着はロジャーバローズ。

この馬の母方の血、カルノーマズレディという馬に連なる血統なのだが、カルノーマズレディ自身はかつてはあまり注目されていなかった。セールではわずか2万ギニー(約300万円)だったドナブリーニがGIを勝つと、引退する同馬をノーザンファーム吉田勝己氏が50万ギニー(約7350万円)で落札。25倍とはいえ、超高額というほどでもない。
そのドナブリーニが産んだのが、重賞を2勝しGIでも2着1回3着1回と好走したドナウブルーと、何より、GIを7勝したジェンティルドンナだった。
ドナブリーニの半妹リトルブックが買われたのはジェンティルドンナオルフェーヴルを破ってジャパンカップを勝った翌週のことで、日高の株式会社ジェイエスが23万ギニー(約3400万円)で落札した。リトルブック自身の競走成績がそれほど振るわなかったことを思えば、ドナブリーニの半額以下でも高額と言えるかもしれない。
そのリトルブックの二番仔がロジャーバローズである。ダービーは12番人気。1番人気の皐月賞馬サートゥルナーリアは4着だった。ロジャーバローズの血統背景は間違いなく一流であり、名牝シーザリオの仔であるサートゥルナーリアを破っての勝利であるから、もちろんフロックではなかったろうと思う。

ダービー後は海外遠征の予定があったが、屈腱炎を発症していることがわかり、引退を決定。ディープインパクトの後継種牡馬として息長くがんばってほしい。ついでにウイニングポストにも出してほしい。なんとかなりませんか。ダービースタリオンには出せるんやから……。


今年の5月26日は平日なのでダービーもオークスも開催されない。が、おおよそ28年周期なので、前回5月26日が日曜になったのが1991年から28年後の2019年。1991年の次に日曜だったのが1996年だから、そこから28年後となる2024年であるということがわかる。そのときにはちょうどロジャーバローズの初年度産駒がクラシックに挑んでいるだろう。親子3代によるダービー制覇をキズナの仔が達成するか、ドゥラメンテの仔が達成するか、ロジャーバローズの仔が達成するか。前の二つは2024年にはもう果たされているかもしれないが、なんにしても楽しみである。