クイズ振り返り

1ヶ月半くらいクイズをやっている。
これまでにけっこういろんなクイズを作ってきた。
作ってきたといっても別にオリジナルの企画は特になくて見たことある企画を借りてきて作問するというだけではある。なので、見た企画じゃなくて自分でも企画したいと思うようになってきた。
そのためにこれまでに作ったクイズの振り返りをやっていく。

その前に今クイズをやっている環境について簡単に説明をしておく。
もともとは Among Us をやるために集まった discord サーバーで、Among Us 以外のゲームもたまには遊びつつ、みたいな感じだった。ぼくは実はサーバーに呼ばれてちょっとだけ Among Us をやってその後は参加してなかった。たまに様子は覗いていたので雪山やってるとかヴァイキングやってるのとかは知っていた。
クイズがはじまってたのは全然知らなかった。
知ったのは5月末のことで、興味あるので混ざってもいいですかと聞いたら快諾されたので、そこから一緒にクイズを遊ばせてもらっている。
ちょうど Among Us の大型アップデートもあったので、アップデート前後の Among Us で遊んだりもした。

Among Us 部のクイズ部という謎の環境だけど、最近は Among Us よりクイズをしている時間が長い気がする。


かんたんクイズ

クイズ部で最初に自分で出題したのがかんたんクイズ。
かんたんクイズというのは問題を最後まで聞けばほとんど誰でも答えられるような問題を早押しで答えるクイズを指す。

何を持ってかんたんクイズと呼ぶのかは出題者のさじ加減によるところが大きいが、常識ではなく当たり前を問うのがかんたんクイズだと個人的には考えている。

「日本で一番高い山といえば何?」なら、これは常識問題で「富士山」が答えになるが、「日本で二番目に高い山は北岳ですが、日本で一番高い山は何?」であれば、「ですが」の時点で「二番目に高い山に対して『ですが』と言っているから、たぶん一番高い山を答えさせるクイズだろう」という当たり前に考えればどうなるかという予想ができる。こういう構造を持っているのがかんたんクイズ。また、この構造をパロディしたものもかんたんクイズと呼んでいいように思う。

かんたんクイズは知識よりは思考を問う形式なので、純知識問題とは少し趣が違うし、異なる能力を求められるので新鮮味がある。もちろん思考には知識も使うから、知識があれば有利な場面もある。

今のところ好評だが、難点なのは知識ではなく思考を問うという形式上、作問コストが高い。先日三週間で60問用意したが一晩1時間半程度で40問が溶けた。一週間で20問くらいはなんとか作れるが、一度出題すると復習可能な知識問になってしまうので再利用できず、新作を作り続ける必要がある。作問自体は楽しいから苦ではないんだけど……。

同音異義語の説明文ミックス

カプリティオチャンネルの「貴社の記者が汽車で帰社した」クイズと同形式の、同音異義語などの同じ音を持つ語の説明文を混ぜた文章を出題し、その同じ音を持つ言葉を答えるというクイズ。シンキングタイムが長めなので早押しではなくボード回答にしている。

たとえば「十二支の一つ。袋状で歌の一文字上は十二、下は十二番目に連絡し、液を食するかな」なら、答えは「い(亥、いろはの『い』、胃)」になる。

同音異義語の検索能力とひらめきを問う形式で、得意不得意が分かれやすい。知識とひらめきの両方が必要なので難易度が高いが、解けたときにはかなりスッキリする。

作問コストに対して時間あたりの消化問題数は少ないのでコストパフォーマンスはよい。解答コストが高いのでたまにやるのがちょうどいい。最近やってないのでたまに出したい。

4ヒントクイズ

クイズ番組によくある、順番にヒントが提示されるクイズ。難しいヒントから順に簡単になっていき、最後のヒントでだいたいわかるようになっている。Among Us クイズ部では柳雪さんが最初に導入した。答え自体はあんまり難しくないが、最初のヒントからは答えに辿り着きにくい意外さがあるのがポイント。作るのがけっこう難しい。

知識がある人とない人の差を埋める形式で、知識がある人はより難しいところで答えられて満足感があるし、知識がなくても後半のヒントで答えられて納得感があるので、いろんな人が参加できる。

最近、画像が上から四分の一ずつ表示されるというのを組み合わせてみた。作問は難しいがヒントが複合的になるので、手がかりの出し方を変えられるのがおもしろいかもしれない。

数珠つなぎクイズ

クイズの答えが次の問題文のフックになるような一連のクイズ。

「日本で一番高い山は何?」というクイズなら答えは「富士山」になり、次の問題が「愛称を藤くんという、バンドBump of Chickenのボーカル、ギターを務める人物といえば誰?」で答えは「藤原基央」。富士山→ふじさん→ふじくん、という繋がりになっているのがわかるだろうか。

こういう繋がったクイズをだいたい10問くらい、正解が出ても問題文の全文の読み上げもせず、説明もなしに次の問題へとよどみなく出題していく形式になっている。Among Us クイズ部では十六夜さんが最初に導入した。
とてもテンポがよく、10分程度で終わるし、作問コストが低いので気軽に出題できる。わたしはかんたんクイズで数珠つなぎをやっている。ちょっと知識よりの問題が混ざってはいるが、数珠つなぎの形式上、クイズの答えから次の問題文が類推できる可能性があるので、その分で少しカバーできているかもしれない。

しりとりクイズ

前のクイズの答えの最後が次のクイズの答えの先頭につながるクイズ。クイズの先頭があらかじめ確定しているクイズということでもある。

言葉の先頭を固定して知識を思い出せるのが普通のクイズに比べて解きやすいので、純知識問が出ても意外とスムーズに展開しやすい。

クイズではたとえば「ンジャメナ」のように「ン」ではじまる答えもあるので、解答が「ン」で終わっても終了しないなど、しりとりではこうはならないだろうという心理的な隙をつくような問題を出すと意外性があってよい。

下品ラーメンクイズ

QuizKnock やカプリティオチャンネルで出題された形式のクイズで、「天下一品ラーメン」から略称である「天一」を抜くと「下品ラーメン」という文字列が残ることから考案された。ある言葉から略称を取り除いた文字列を出題し、回答者は取り除かれている略称を答えるというもの。

「ーチャルショウジョジュ」なら、取り除かれている略語は「バ美肉」で、元の言葉は「バーチャル美少女受肉」になる。

これは作問も簡単だし、ひらめきメイン、ちょっと知識というバランスがちょうどいい気がする。

気軽に出したい。画面で表示する必要があるので用意は少し手間がかかる。

けよりなクイズ

カプリティオチャンネルの「夜明け前より瑠璃色なクイズ」と同じもの。オーガストのPCゲーム「夜明け前より瑠璃色な」および同原作のテレビアニメのタイトルの略称が「けよりな」で、これはタイトルのひらがなだけを抜き出したものであることから、ある言葉からひらがなだけを抜き出した文章を出題して、元の文章を答えさせるクイズにできるんじゃないかというもの。

「はにかず」なら「百聞は一見に如かず」になる。

下品ラーメンクイズに近い。作問コストも同じくらい。ただ、こちらのほうが解きやすい気がする。

教育漢字クイズ

教育漢字の読みを、教育漢字の範囲内の読みなら1点、高校までの学習範囲の読みなら2点、漢字検定に出題される表外読みなら3点、という点数の重み付けをして、高得点を競うというクイズ。

シンプルなんだけど作問の工夫が効く。知識がなくても2点は確保したい、のように回答者側に選択の余地があってゲーム性がある。そのあたりは実は4ヒントクイズに近いかもしれない。

名前の由来の名前クイズ

ある名前が他のもの名前の由来になっているものについて、その由来となっている名前を答えてもらうというクイズ。たとえば「デニッシュ」というパンは「デンマークの」という意味があり、デンマークに由来する名前を持っている。

ここで問題。

「桃は英語で peach ですが、この peach は何という国・地域に由来する?」

答えはペルシャギリシャ語の mâlon persikón が時代が下るうちに peach になった。ラテン語の persica は桃の学名にもなっている。

アクロニムタイムレース

頭字語を読み上げ、正誤判定の後すぐに次の頭字語を読み上げて、矢継ぎ早に頭字語が指す言葉を答えていくというクイズ。出題が頭字語限定のため、5分で40問弱と、普通のタイムレースよりも更にテンポが速い。
耳でアルファベットを聞き取るときに紛らわしい音があるのでテロップつきがいいかもしれない。ちなみにテロップは略語である。アクロニム以外に略語でもいいかもしれない。ノラとと VFB の PV を見てやりたいと思っていた。


これ以外にノムリッシュ語クイズとか高難度競馬ペーパークイズとかもやったけど、そのへんは割愛。ノムリッシュ語込みで10形式くらい作問してみたけど、前述のとおりまだ自分のオリジナリティのある形式というのはやったことがない。かんたんクイズは作問に作家性が出やすく、自分が好きなクイズはこういうのかもしれない、という気付きがある。
しりとりクイズは出題形式を工夫したもののクイズ自体はオーソドックスで、こういうオーソドックスなクイズはあまり作っていなかったのでいい練習になった。たまにはこういうふつうの早押し問題をたくさん作ってもいいかもしれない。しりとりのつもりで作った後、順番をばらばらにすれば普通のクイズになるし、しりとりはけっこう作問しやすいかもしれない。

Among Us クイズ部では日々新しいクイズが発生する環境になっていて、6月から7月の一ヶ月で驚くほど多様なクイズが作られたと思う。純粋な早押しクイズが王道だとは思うけど、たまに変なクイズをやるとスパイスになっていい。なんかおもしろい企画ができたらいいなと思う。