ブービージョッキー!!を読みました

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これ。電子版は13日に出てたっぽくて昨日買って読みました。

19歳でダービージョッキーになった主人公が、レース後にその馬に故障が見つかって責任を感じスランプに陥っていたところを、幼い頃に乗馬クラブで知り合った女の子が馬主になって現れて、わたしの馬に乗って!というお話。

競馬の基本的な知識についてはかなりわかりやすいし、説明が続かないようにテンポよく書かれてる。ウマ娘くらいから競馬に興味持った人が読むのにちょうどいい。ディテールがないかというとそんなことはなくて、かなり本格的に競馬ものをやってる。
フォーマットがラノベなのでしっかりラノベなので、ラノベが好きかどうかで好みがわかれそうなところはあるんだけど、レースの描写とかは競馬漫画に引けを取らない迫力がある、むしろ競馬漫画より描写のタイムスケールに無理がない。このへんは文章媒体のよさがちゃんと出てると思う。

19歳でダービージョッキーという設定、現実の武豊(19歳8ヶ月で最年少GI勝利)がいるのでそこまで異常な設定ではないなと思っちゃうくらい現実の強度が高い。なんか去年は日本人騎手がブリーダーズカップデーでGI勝ったらしいですよ。23歳の若手騎手がGI5勝したりしとる。

作中では騎手は2割勝ったら神様、というようなことが書いてあり、これは実際そうなんだけど、今の最高勝率騎手が3割弱なんだよな。これは平場の勝率が異常に高いからなんですが、平場では川田騎手を絶対に買ったほうがいいです。ぼくは平場は買わないので買わないですが……。

平場で思い出したんですが、作中では重賞以外のレースを一般競走と書いていて、これは厳密には正しくないです。特別競走以外が一般競走で、2勝クラスや3勝クラスにも特別競走があるし、もちろんオープン特別やリステッドも特別競走だし、重賞も特別競走。ただ、実際重賞以外のことを平場と呼んだりはするし、1勝クラス~3勝クラスのことを特別競走ひっくるめ条件戦*1って呼んだりはするので、普段遣いの言葉としてはふつうに使ってはいる。逆に言うと気付いたのはそこくらいで、他で読んでいて引っかかるところはなくて、本当によく調べて書いているなと思いました。

最近おうまに興味に持って物語仕立てで競馬を知りたいっていう人にはおすすめです。

*1:本来は◯歳以上◯勝クラスのようなレース名に条件が書かれているようなレースをこう呼ぶ