7 Days to End with You プレイしました

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以下ネタバレを含む感想。

個人的には、純粋に言語解読をしている間が一番体験が良かったです。

なので、換字式暗号でないほうが好きだったなあと思うんですが、一部の語彙は暗号だと気付かないと解読できないようになっているので、ゲームデザイン上仕方ないのかもしれず、とはいえキーワードだけは暗号がわからなくても解読のヒントがもらえるので、たぶんクリア自体は可能なんだと思います。

であるならば、記憶を失って暗号に気付かないまま言語解読ゲームとして楽しめたらより幸せだったろうなあ……と思います。

ストーリーはよかったです。物語の受け取り方はプレイヤー次第とはいいつつ、ある程度正解の形が用意されてしまっているのはちょっと残念ではあるものの、それでも刺さるものがありました。

グラフィックは解像度の低さから何を表しているのかがはっきりしない部分があり、言語の解読上ややもどかしさを感じました。ただ、雰囲気は好きなので、ドット絵がより事物の特徴を捉えたものになっていると更によかったのかなという感じ。

ところどころこちらから発する言葉を選択する場面があるんですが、ちょっと不親切というか手がかりの不足を感じなくはないです。というのも、基本的な肯定を意味する「はい」が判明するのがかなり後になってから、というか場合によっては判明しないまま全エンディング見るまであるんですが、「はい」なしで相手の質問に対して答えろというのがかなり厳しい。こちらから質問ができない以上「はい」を知るのは難しいんですが、なんとか「はい」を知る手段がほしかった。だって相手の言葉オウム返しにして相手が理解してると判断してくれるとはふつう思わないじゃん。「眠る」のかわりに「おやすみ」を選んでも寝れないのとかもやや納得していません。

が、そうはいっても、こちらがはじめて正解のワードを引き当てたときのリアクションには心を打たれましたし、ゲームのメカニクスとしては単に選択肢を選んだだけでも、体験としては唯一性が高く、これを何も知らずにプレイできたのは幸運だなあと思っています。

いいゲームなのは間違いない。それだけに惜しい部分が多いなあと思います。

全くの架空の言語で同様のゲームを作ったとして、おそらく体験は大部分で異なるとは思いますが、根幹の部分では同じになってしまうので、今作以上の新鮮さは得られないかもしれない。ただどうしてもベターな 7 Days to End with You の存在を願ってしまう。

もっとも、全くの架空の言語にしたとして、ヨーロッパ系言語をベースにするとそれはそれで不満が出るし、かといって全然べつの言語だと解読難度が上がりすぎるというのもあるし、言語解読したかったら言語学オリンピックの問題を解いたほうがいいと言われれば、それはそう。

可能性は感じるので、なにかできそうだったら作ってみたいと思いつつ、今作と出会えたこと、今作を届けてくれたことに感謝して、今回はここまで。