怠け怪獣姫は働きたくない、クリアまで

Steam で爆売れしているらしい怠け怪獣姫は働きたくない、を、クリアまで遊んだ。

どういうゲームかというと、怪獣姫ことガオのお世話をしながら街を侵略してマイナスパワーを集めてノルマ達成を目指すというSLG。侵略パート自体は割とあっさりというか、どこを殴ったら一番効率がいいのかを考えるくらいのゲーム性はありつつも、侵略行為のリスクは特になく、ガオの世話の進捗が遅れる以外にプレイヤーにデメリットがない。ゲームのメインはあくまでガオのお世話という感じ。ちなみに侵略ノルマ達成できなくてもマイナスパワーそのままで三日前に戻るだけなのでゲームオーバーで最初からやり直し、とかにはならない。絶対にクリアできる安心設計(というのをクリアしてから気付いた)。

えっち回数56回で開放される回想シーンがあり、えっちは一日一回しかできない、ので、56日えっちする必要があるが、ゲーム期間はだいたい75日くらいあるので、20日くらいはえっちしない余裕がある。というわけでエンディングまでにこのあたりの回想埋めをやったとしても充分ノルマ達成できる、というゲームバランスなので、最近のストレスないゲームだなあという感じなんだけど、もっとピリピリしたバランスで遊びたい欲はある。

お世話パートは Teaching Feeling というか eratohoJ というかという感じで、会話したり頭をなでたりして機嫌をとりつつ、えっちをして感度を高めたり好感度を高めたりする。 感度レベルは絶頂回数の累積で上がるようになっていて、このあたり eramaker ほどの戦略性はないんだけど、プレイフィールが軽くなって遊びやすくはある。 二重、四重、八重(eramaker の二重、三重、四重にあたる)絶頂でそれぞれ好感度ボーナスがあるので、これを狙っていくゲームになる。毎日一回八重絶頂させておけばクリアまでには好感度がトリガーの回想シーンも埋まるんじゃないかなくらいの手応え。もうちょっと好感度がゲームプレイに反映されてほしい気はする。キスの効果が上がるとか。

あと好感度高いのに関係なく、潤滑レベルが低いうちはキスしただけで反感買うのはちょっと納得がいかない。潤滑レベル上げる行為は基本的に反感の上昇量も高いし。この辺好感度SにまでなったらV感度上げる行為以外はほぼ反感増えないくらいでいいんじゃないのかと思うんだけど、たぶん潤滑が eramaker の欲情を兼ねるパラメータになってるんだろうなという感じ。確かに欲情が低いうちから電マ当てたらキレそうになるかもしれん。

えっちパートはメッセージとボイスのバリエーションが少なくてすぐに作業感が高まってしまったのがちょっと残念なところ。eratoho はじめとした eramaker バリアントの口上職人はすごいなとあらためて思った。絶頂焦らしできるようになる前に八重絶頂を目指すところが一番ゲーム的に面白かった、焦らしできるようになってからはおおむね作業なので流しプレイになってしまった。えっちシーンのパートがやや悪いのも気になる点。Teaching Feeling くらいサクサクプレイできるとだいぶ印象変わると思う。

ローカライズはまあ向こうのゲームだとこんなもんかな、という感じだけど、たとえば VA-11 Hall-A とかのめちゃローカライズが上手なゲームをやってしまうと全然、もっとがんばってほしいという感じになってしまう。特にえっち周りの語彙については日本のえっちゲームをプレイした人がローカライズしないと自然な言い回しにならない、こういうゲームのローカライズにはそういう専門の人が必要だなあと感じる。一応読めるのでひどいというほどではないし、前述のとおりメッセージのバリエーションに乏しいのでそこまでメッセージを読んでどうこうということもない、じっくり読むのはストーリーのテキストくらいだけど、こっちはえっちシーンほどの不自然さはないので、一応読める。もうちょっとこなれた感じにはできるように思うけど。

おおよそ面白くて最後までプレイしようというゲームではあったんだけど、ところどころに惜しい点が多くてちょっともったいない。お世話に関しては eramaker バリアントにもっといいゲームたくさんあるし、侵略パートに関しては巣ドラとか勇者砲みたいにリスク・リターンのコントロールがゲーム性に絡んでくるほうがプレイに幅が出るなあという感じ。そもそももっとガンガンゲームオーバーになってもいいんちゃうかな、と思うが、今のゲームテンポだと最初からやり直すのがだるすぎるというのはあるんだけど。

あと修正してほしい点として、ゲームオーバー時のCGがゲームオーバーを一度も迎えずにクリアしたときに回想に登録できなくなってしまうので、これは普通にクリアしたらエンディングのCGと一緒に開放するようにしてほしい。

UI面でいうと、回想シーンに登録されたら見たことあるシーンでもNEWアイコンがついて、閲覧するまではNEWアイコンが取れないし新着バッジも消えない。ゲームプレイ中に見たシーンわざわざもっかい見る必要ないので見たことないシーンだけにNEWアイコンがついてほしい。もしくはシーンスキップできるようにするか。メッセージスキップはあるけどテンポは最近の商業ゲームのそれに慣れるとかなり遅い。巷では商業ゲーム並にクオリティ高いって言われてるけどみんな最近の商業ゲームやってないんだな〜と思った、こういうところなんよ、商業と同人の差って。一度千桃を体験版でもいいからプレイしてあの爆速スキップを体験してほしい。これがスキップの標準になってほしいんよ。

CGやSpineアニメーションは非常によくできていて、このへんは日本の商業ゲームに引けを取らない感じ。ゲーム部分は細かいところでまだ詰めの甘さを感じるので、このへんがこなれてくるにはまだもうちょっとかかりそうだなーと思う。日本のえっちゲームに対する熱意は感じた。

こんな感じでガンガンゲーム出てほしい。日本はまだこのへんはぜんぜん前を走ってると思う。同人ゲームでこれより出来いいゲームはたくさんあるので。でもDLsiteくん、未完成のPapers,Pleaseもどきのほうがこれより売れてたりして、あんまりよくない市場だなとも思う。もっといいゲームで遊びましょう。こちらからは以上です。