金沢の歩き方

金沢、新幹線開通からもう随分経ち、関東から気軽に行ける観光地になったと思うが、あらためてじゃあ金沢行って何したらいいのかというところを書いていきたい。

金沢観光が向いている人

金沢は歴史のある街なので、そのあたりの歴史に興味がある人がいくと見るべきところが多くあり楽しい。
食事はとにかく海産物がうまいので、海鮮が好きな人は楽しめると思うが、東京の民は豊洲でも充実しているので海鮮だけだとあえて金沢を選ぶ理由にはならない気もする。そういう意味では加賀料理は金沢ならではなので来て食べる価値がある。

いつがおすすめ?

冬は香箱ガニもあるし、寒ブリもうまい。雪が降れば雪化粧をした兼六園を見られる(ただしそんなにしょっちゅう積雪があるところではないのでタイミングがよければ)。ただし当然寒いし、雪が積もった金沢を歩くのはある程度の雪への慣れが必要。冬は雪より雨がちで、まあまあ大変なので初回はおすすめしない。

個人的には連休を外したタイミングのほうがおすすめ。人出が少ないときのほうがゆったりとした時間を過ごせる。金沢はゆっくりじっくりと見るほうが楽しいところなので、人出の多いタイミングに急行スケジュールをこなそうと思うとあまり楽しめないかもしれない。

どこいったらいい?

金沢駅近辺は土産を買ったり食事をしたりするには適しているが、散策するなら茶屋街や兼六園金沢城あたりになると思う。21世紀美術館兼六園の手前にある。

兼六園は季節ごとに姿を変えるので、いついってもたのしいと思う。夜はライトアップをやっていることがあるので、泊まりで行くなら夜の兼六園をぜひ見てほしい。夜にしか見られないものがある。
ライトアップの注意点としては、秋から冬の間は閉園から再入場できるまでに一時間以上時間が空いてしまうので、もしライトアップ目当てなら閉場が遅い金沢城を見て回ることをおすすめする。
また、園内の成巽閣で特別展示を行っていることがあるので、なにか催しをやっていておもしろそうだったら見ていくとよいと思う。成巽閣自体が歴史的な建物で中を見てたのしいし、わたしが行ったときは源氏物語の280年前の写本や当時の精巧な鼈甲細工などが展示されていたりしてたいへんよかった。

個人的には大野・金石地区がおすすめで、大野のヤマト糀パークでは大野醤油やいしるを味わうことができる。もちろん土産もあるので立ち寄って買っていってほしい。近隣には銭屋五兵衛記念館、からくり記念館といった施設もあるので、その手の資料館・博物館が好きな人はたのしいと思う。わたしはたのしかった。

何食べたらいい?

やはりなんといっても季節の魚。地のものがあればぜひそれを食べてほしい。冬はカニもいいが、ブリがうまい。
それはそれとして治部煮などの加賀料理はやはり金沢でなければ食べられないと思うので、これらも食べてほしい。出汁をぞんぶんに吸った車麩の入った金沢おでんがうまかった。
加賀野菜がうまい、源助大根も五郎島金時も加賀れんこんも金沢に来たら食べてほしい。

金沢は酒もうまい。
駅ビルにオリエンタルブルーイングの直営店があって、加賀棒茶スタウトや湯涌ゆずエールといったクラフトビールが飲める。加賀棒茶スタウトは香ばしくまろやかな苦味でとても飲みやすいスタウト、かりっと揚がった五郎島金時スティックといっしょに味わうのが最高によかった。
日本酒は好みもあると思うが、個人的には手取川が本当に好きで、この酒が魚の刺身に合うんだよな。いわゆる淡麗の酒で後味がスッキリしていて口の中をリセットしてくれる。魚を食べてから飲むと旨みが増すし、飲んでから魚を食べると魚の味をよりはっきりと感じやすい。

店は全国チェーンの店でなければどこに入ってもだいたいうまいと思う。店ごとに目利きのよしあしとかはあろうと思いつつ、そもそもスーパーのパックの刺し身がうまいんだからだいたいうまいに決まってる。

海鮮はあえて金沢でなくとも、という人は、8番らーめんなどの金沢ご当地グルメという選択肢もあるかもしれない。わざわざ県外からそのためだけに行くもんでもないとは思うが……。カレーのチャンピオンとか県外進出しているので金沢でなくとも食べられるが、金沢で食べることに意味を感じられる人は行ってみてもよさそう。ハントンライスは食べる機会がなかったのでつぎ機会があれば食べてみたい。

土産はどうしたら……

金沢といえば和菓子。個人的なチョイスをいくつか。
絶対に間違いがないのは中田屋のきんつばで、きんつば買うならこれを買えば大丈夫。季節によってはえんどう豆を使ったうぐいす、栗が入った毬栗、桜が香るさくらなどがある。どれもうまいのでお好みで。10〜11月には通販では買えない五郎島金時を使った金ときがある。めちゃくちゃうまいのでタイミングがあえばぜひ買って食べてみてほしい。

好みはわかれるが、個人的には小出の柴舟がたいへん好きで、砂糖でコーティングされた生姜風味のせんべいなのだが、生姜がしっかりと効いていてうまい。食べるジンジャーエール。緑茶もいいが紅茶やコーヒーにも合うと思う。

金沢といえばあんころ餅。餡の甘さが上品でしつこくなく、とても食べやすい。あまり引き合いに出してもよくないとは思うが、あんころ餅で育ったこともありあまり赤福餅をいいものだと思えないままここまで生きてきてしまった*1

板状の最中の生地にクリームを挟んださい川もなかなかよい。軽い食感で口当たりがよく、甘さも上品でたいへんおいしい。

一方で近年のあたらしいお菓子もだいたいなんでもうまい。さすが金沢というか、何買っても外れはない感じ。金澤文鳥とか YUKIZURI とか、このあたりは間違いなさそうに思う。

お菓子以外は近江町市場でいろいろ見るとよいと思う。好みはあると思うが、酒飲みにはふぐ卵巣の糠漬けをおすすめしたい。ふぐの一夜干しもあわせてどうぞ。

富山もいいぞ

金沢より富山のほうが人出が少ない場合があるので、もし新鮮な魚介目当てなら金沢ではなく富山という選択肢もある。金沢から新幹線で20〜25分程度なので、金沢観光して富山で飯食って帰るというのも割とありだと思う。白エビがうまいのでぜひ食べてほしい。

こちらからは以上です。

*1:でも赤福赤福餅より朔日餅のほうがうまいと思う