年度末を倒しても「GW前に終わらせたい」が発生するので忙しさは続くのじゃ。
狼と香辛料の新作アニメの放映がはじまりました。 きわめて丁寧なつくりで毎週楽しみに見ています。
で、ふと思い立って旧1期と見比べてみたんですが、台詞回しとか大筋では1期も新アニメも実はそんなに大きく違っていなくて、その上で新アニメの出来がすばらしいのは、やはり演技の間であったり、シーンの絵の回し方であったりという演出部分のつくりの巧みさにあるのかも、と感じています。
旧1期はキャラクターデザインが原作と大きく異なっていたことが原作から楽しみにしてた視聴者にとっては不満点のひとつだったと記憶していて、わたし自身もアニメが始まる前はけっこう不安に感じていたんですが、実際に見てみると、また今あらためて見返してみても、作画は多少不安定ながら、コンテの出来自体はむしろ悪くなく、当時のアニメの水準から考えればよくやっているほうだったと思います。劇伴もすばらしく、シーンはよく演出されていて臨場感がありました。
ロレンスとホロの配役は当時はけっこうミスマッチに受け止められていたのを覚えています。1話2話あたりのロレンスとホロの掛け合いを見ていると、役作りがまだ手探りな感じが伝わってきて、今見ると初々しさがあります。これが2期にもなるとものすごく自然にロレンスとホロになるのがすごい。声のトーンとかはあんまり変わってないんですけど、間の取り方がすごく自然になるんですよね。生っぽいというのか、その場にロレンスとホロがいてやりとりをしている感じになっていく。そういう関係性ができあがる過程が楽しめるという意味では唯一無二の作品だったと思っていて、だから新作アニメがはじまって出来がよいと旧アニメが引き合いに出されて「下げ」られるのはちょっと違うんじゃないの、と思ったりもします。
じゃあ新アニメのロレンスとホロはどうかというと、逆に2期ほどのこなれがないので、ロレンスとホロの関係性としては適当そうに思います。2話はけっこう感情の振れ幅がある話なんですが、緊張感がよく伝わってくるいい掛け合いだったと思いますね。旧1期はちょっとロレンスの怒りにぎこちなさがあったんですが、新アニメはより自然な怒り方に感じられましたし、しおらしくなったホロがやり返して緊張が解けるところまでの一連のシーケンスが非常によかった。こういうところが本当に丁寧に感じます。
旧1期を見ていれば旧1期の思い出を懐かしみつつ楽しめるし、これから触れる人は新鮮な気持ちで見ることができると思います。
完全に余談なんですが、BookWalkerで新作アニメ放映記念セールで狼と香辛料の既刊がお買い求めやすくなってたんですが、全部持ってました。はは。原作は完結までは紙で持ってる*1し、コミックスは途中まで紙で揃えてたのにKindleで全巻買ってBookWalkerでも全巻買う謎の動きをしてしまった。それくらい好きな作品なので毎週が楽しみです。しかしこのペースでアニメやって果たしてどこまでやるのか。完結までやってほしいなあと思いつつ。
夏は夏で小市民アニメ化するし今月末には冬期限定が出てしまう。ついに出てしまうという気持ち。秋期限定のサイン会当日に風邪で会場にいけなくてかなしい気持ちになってから10年以上経ってるな……。でも楽しみ。
こちらからは以上です。
*1:完結後の短編集は電子版で買いました