ウイニングポスト9やってる

9買ったけど8の2018買ったほうがよかったかもしんない。9は結婚できひんのか……でも8より牧野若葉ちゃんがかわいいので9でいいことにする。

9、レビューでは割と賛否両論激しいというか、否定的なレビューにも一定の説得力があり、なるほどなあと思ったりはするんだけど、実際にプレイした感想だとおおむねそんなに悪くないよなというところで、架空馬でも2000年代には走れるようになってくる感じがする。実際自分の牧場で産まれた架空馬が国内外のマイルレースを荒らしまくって金殿堂に入れたりできた。
この金殿堂に入った馬、2歳のときにゼンノロブロイの後塵を拝した他は全勝していて、獲ったG1が

の22個。あらためて並べるとすさまじい戦績。30戦29勝。2歳のときにゼンノロブロイに1敗したのを除けば1200〜1600mでは一度も負けていなく、デビュー戦を除く全てのレースが重賞戦。重賞の連勝数は26連勝。世界へ飛翔する最強マイラーの称号を得て金殿堂入りした。全盛期のノースフライトを彷彿とさせる大活躍で、もし彼女の活躍期間が長かったらこんな馬になっていたのかもしれない。 東京競馬場1600mで1.30.8というレコードを持っていたりする。 妹がおり、こちらはヴァーミリアンのいるダートを主戦場にしながらもヴァーミリアンをぶっちぎってフェブラリーステークスを取ったりしている。当然ドバイワールドカップに期待がかかったんだけど、こちらは3着止まりだった。

こんな感じでめちゃくちゃ気持ちいい。

とはいえ不満がないわけでもなくて、自分のところの馬がこういう化け物になるのは痛快なんだけど、よその馬もだいたいこういう感じになる。史実の名馬の全盛期には他の馬の活躍機会の一切が奪われる感じがあり、まあゲームなので仕方ないんだけど、ちょっと大味では?という気がしないでもない。ウイポってこういうゲームだし……という気もしないでもない。
序盤はトウカイテイオーナリタブライアンが強すぎるし、1990年代末頃からはスペシャルウィークシンボリクリスエスゼンノロブロイディープインパクト有馬記念を阻んでくる。勝てるわけないだろうが! まあそれはそれで史実の名馬の強いところが見られて楽しいとは思う。同世代の名馬の活躍が霞んでしまうのがちょっとなとも思う。

史実馬を使うと史実馬によってはパワーバランスが壊れることもあり、牝馬三冠のためにアドマイヤキッスを買ってみたりしたんだけどフサイチパンドラがかわいそうになるレベルでアドマイヤキッスが強すぎる。フサイチパンドラが取る予定だったエリ女アドマイヤキッス牝馬三冠のついでに取ってしまい申し訳ない。ゲームだとレースに合わせて調子をコントロールしやすいので現実と違って三冠達成しやすいんだよね。そのほうがゲームらしくなるのでしょうがないとは思う。

気持ちとしては傑出した能力を持たない馬がまぐれでも他の名馬を抑えてG1取ったりするところを見るほうが感慨深いものがあったりはする。めったに見られるものではないし、そういう馬が種牡馬繁殖牝馬になって活躍するかというとそれも難しい。でも現実の馬だってそうだもんね。だから、史実馬使わずにじっくり腰を据えて遊ぶほうが面白いんじゃないの?という感じがある。攻略ってなると、やっぱり史実馬使ったほうが有利なんだけどね。

こちらからは以上です。

シナリオファクトリー

シナリオファクトリーっていうツールがあります。

体験版でおおよその使い勝手はわかるやつなんでそれを見てもらえればという感じですが、JSON ファイルに定義された文章を、置換テーブルに沿ってキャラクター名とか地名とかを置換しながらランダムで抽出して並べるというツールになっています。

進度という概念があって、進度1の間は進度1のデータだけ抽出、ということをやっています。各進度の最後でだけ表示する文章というものも設定できるので、シーンのつなぎの文章を設定できるようになっています。

進度が4段階なのはたぶん起承転結を意識してるからだとは思うんですが、これって単に状態遷移なんで、ひとつのデータセットで完結させるのはあきらめて、ひとつのシーンで4つの状態まで持つことができると考えて、複数のシーンを組み合わせて完結するようにシナリオファイルを作ってやるのがいいんだろうと思います。

で、現状はそれをやるにはちょっと不足があり、たとえば条件分岐や変数がないので、前段のシーンでこういう状態になったので、次のシーンではこういう展開にする、みたいなことはできません。たとえばタグのフィルタで手動でやることになったりする。それは思っていたツールとは違うので、そのへんができるツールは自分で作るしかなさそうですね、となっています。

結局、そのような複雑な要求に応えるためには全自動で進む eramaker が必要なんですけど、eramaker は記述が自由すぎるし、データセットを作るのが面倒なので、そこの間をうまく取りたいんですよね。

センテンスが状態を持ち、あるセンテンスが出力されたら状態を push/pop する、ということをやり、現在の状態にマッチするセンテンスをフィルタリングして取ってきて並べる、そういうツールがあればよさそうです。

データセットは必ずしも JSON でなくてもよく、たとえばCSVとかでもぜんぜんよさそうですが、センテンス内で改行したいとかってなると面倒なのでフラットなテキストデータのほうが記述はしやすいでしょう。パーサが必要だけど、そういうパーサは今日日簡単に書けるので、パーサを書いてよろしくやるだけでよいです。

JSで書けばたとえばRPGツクールMVのプラグインにしてしまってゲーム内で動的に台詞を出力したりみたいなことができます。この場合パーサをプラグインに同梱するのはやりすぎなので JSON に変換して JSON から抽出して出力する部分だけプラグインにすることになるでしょう。

夢は広がるけど時間は有限なのでここまではただの妄想なんですが、気が向いたらなんか作るかもしれません。


掲題のツールについては面白いツールではあるので興味があったら体験版を触ってみるといいと思います。

こちらからは以上です。

名前の作り方の本文に書かなかった話~その1~

この名前の作り方をするようになったのは自分の作品では実はまぼろし国の食卓よりからのことで、それ以前はこのようには作っていませんでした。既存の名前の語呂をいじったりということはしていたものの、基本的には既存の語彙をそのまま使うことが多かった。

まぼろし国の食卓よりという作品では、おおよその登場人物だったり舞台だったりの名前はおおむね架空の名前になるようにしています。これ別に物語の面白さにどうこうみたいな話ではぜんぜんないので書くかどうか迷ったんですが、名前の作り方の話をするときに作例として紹介するのは別にいいんじゃない?ということも思ったのと、作中でも名前の由来とか話に上がったりすることはまずないことなので、これを書いて今後の展開がどうこうということもないので、じゃあ書くか、という感じです。予防線おわり。

イスランド王国

これはなんだっけ。多分ブルターニュの伝説上の都市イースだったと思います。イースの地でイスランドです。こういう短い言葉は素直にそのまま使います。

トーマ

これ別になんか意味がある名前とかではぜんぜんなかった気がするんだけど、この名前がぜんぜん決まらなくてずっと「主人公」みたいな名前でプロット書いてた。最終的に神立地のトールと似た名前だしこれでいいじゃんくらいの軽い感じで決めました。

トゥレーディ族

語源不詳。たぶんケルトの氏族かなにかに由来するんじゃないかと思うんだけどメモに残っていないのでわからない。ちゃんとメモを残しておかないからそうなる。

リルエット・リサンバー・オート・レシャー

短縮形(hypocoristic といいます)がリリーになるような名前ということが最初に決まっていて、イニシャルを全部 L 揃えにすることがそのあとで決まって、後は流れで。 フランス語で「ひばり」をアルエット(alouette)というのですが、このアルエットの -ette の部分が feminine form ぽかったのでアじゃなくてリにしたら可愛くない? 可愛い!ってなったのでリルエットです。 リサンバーはノーサンブリアから、レシャーは -shire つけたら領地名になるでしょうくらいで決めました。子音+母音+地名接辞、これだけで地名になる。 オートっていうのはフォン(von)とかデ(de)みたいなものです。何かっていうとこれは of the を短縮して o't です。でも地名に the つけるのはよく考えると妙な気はするけど、でっちあげられた架空の前置詞オートがあの世界でどういう語源なのかとかはよくわからないことにしてしまえば OK なので OK です。

スティバート

確か Stewart の Ste- と Albert の -bert です。

ランスワード、レイフリック、ルドリック

ランスワードは Lancelot の Lance- と Edward の -ward、レイフリックは Leifr の Leif- と Eric の -ric、ルドリックは Ludwig の Lud- と Eric の -ric だったと思います。ここもみんな頭文字 L で揃えています。

フィオーリ

この人だけ架空じゃない人名になってる。 確かイスランドの人ではないのでイスランドではない言葉になっている。でもなんでイタリア語にしたのかはまったく覚えてない。故人なので適当でいいやってやったんだろうと思う。 舞台設定を踏まえるならフランス語かブルトン語にするべきだったし、ちゃんと架空の名前になるようにするべきだった。まあでも重要な名前ではないので別に今からでも変えられるので隙を見て直すかもしれない。

イズ人

なんで濁るんだっけと思ったら Ithe だと書いてある。イスランドは Ithland だったのか。でもまあ Island だと島になってしまうからしょうがない。ああいやそうだった、Island だと島になってしまうから th にしたんだった。イスだとクトゥルフの Yith とかぶってしまうので、Ithe にして濁らせたんだと思う。たぶん。

ノルサント王国

特につづりとか用意してある気配がないけど確かフランスのノルマンディー地方がモデルだったと思うし、意味もノールの聖人とかそういう感じのを意識したんじゃないかなーという気がする。

クーシェル、ナーサラ

クーシェルは Cook + Michelle でナーサラは Nurse + Sarah だったと思います。スティバートが Stewart なんで、役職から名前にすればいいやっていう安易な命名

バニッジ

バン(bun: 丸パン。バーガーバンズの「バン」はこれ)に -age をつけたもの。「バンのようななにか」という感じの造語。 スコットランドのバノック(bannock)をもじった名前でもある。

カウェル

キャベツの古語。

レスブルック市

Lesbrooke であって Lesburgh ではない。レス川のほとりの街ということ。

ワイルド・マージ、セボラム、マーセンス

マージはマジョラムとセージのかばん語、セボラムはセボリーとタイムのかばん語、マーセンスは多分ローズマリーが元ネタで、マリン・エッセンスが縮まったものだったと思います(マーセンスのマーはマーメイドのマー)。

アムリーン

Amanda の Am- と Eilean の -lean です。

ロングストン市、ルーブラ市

市というか村ですけど。 ロングストンは Longstone、そのまんま「長い石」でつまり城壁のこと。ルーブラは Luborough でルーの砦。ルーに特に意味はありません。ここも全部 L にしてある。

小銀貨(リット)、朧銀貨(ダラー)

小さな光(lit)だからリット、朧(dull)だからダラー。

ジナベル、リンジャー

この作品しれっと架空の食べ物が出てくるな……。どっちも ginger をいじった造語だったはず。

イオノー

どこにも由来のメモが残っていないので謎。ちゃんとメモを残しておかないからそうなる。

ゴダーン大公国、テーミスマーニャ大学、アリア・アルマ市

これは現在公開分にはもう残ってないんですが公開当初はこういう地名が出てきた回があります。ゴダーンはたぶんオーディンテーミスマーニャは偉大なるテミス(Themis Magna)、アリア・アルマは語感と語呂だけだったと思います。 イスランドの外なのでイスランドの外らしい言語になるようにしています。

カルナート騎士修道会、クルシュトゥラ教、サフルナーサ教皇

クルシュトゥラがツァラトゥストラとなんかを混ぜたということだけ覚えていて後はもう何もわからない。ちゃんとメモを残しておかないからそうなる。 イスランドの外なのでイスランドの外らしい言語になるようにしています。

英国風地名100本ノック

っていうのをやったら楽しいと思って、いまちょっと試しに書き出してみてるんですけど、地名接辞並べただけで80個くらいあったのでああもうこれ楽勝では?みたいな慢心が湧き上がっています。

なので英国風に限定してドイツ風やフランス風の地名を許容しないように。副作用として統一感のある地名つくりが身についたりするかもしれません。

まあ接辞があるからといって接辞つけるだけで100個地名作るの簡単かっていうとそんなことはぜんぜんなくて、接辞をつける元になる単語を100個引っ張り出してくるだけでもそこそこ大変ではあります。時間かければできるよねレベル。トレーニングにはちょうどよかろうという感じです。

レギュレーション。

  • 英国風の地名に限定する。音写は英語の音韻に則ったものにすること。Google 翻訳の読み上げ機能などを利用しても構わない。
  • 地名の頭文字として X を除く25種のアルファベットすべてを使うこと。
  • 同じ地名接辞はバリエーション含めて3回までしか使ってはいけない。たとえば -ley と -leigh はバリエーションとみなす。
  • 英国風の地名になっていれば、ケルト語やラテン語由来の語彙は利用してもよい。

同じような感じでドイツ風地名100本ノックとかフランス風地名100本ノックもできようと思いますし、人名100本ノックもできると思います。人名は100人考えるのめちゃくちゃ大変だと思いますが、地名から段階的にやっていくとよいのではないかなあという感じです。

風花雪月とNAROUファンタジーのこと

SRPG Studio、SFC 時代の……というか、聖戦クローンツクールみたいな感じだと思うのですが、たとえばロンドリア物語とかは本家パロディゲームなのでそれはそういうプレイ感になるよなーというところではありますが、新暗黒竜とかエコーズみたいな比較的最近のゲームもそんなにプレイ感かわらないというか、エコーズは古き良き FE のよさが味わえつつも最近のあそびやすいゲームにアレンジされた FE という感じで、はじめて FE やるんだけどみたいな人にも勧めやすいゲームだったなと思っていました。

で、風花雪月いまやってるんですけど、風花雪月やるにあたって FE シリーズなんか履修する必要あるかっていうとこのゲームに関してはマジでそれまでの FE のプレイフィールとかなり変わっていて、今作が初めてでもなんにも問題ないし、それでいて空気感がしっかり FE なのでシリーズずっとやってる人も、おおむね楽しめるんじゃないかなあ、ということを思ったりします。
今二部でもうすぐ終わるかなという感じのところまで来ていていまのところとても満足しています。ゲームバランスは難易度ノーマルならぜんぜんシビアではないので、SRPG 苦手でもクラシックで充分クリアできそう。
ただどちらかというとこれ従来の FE よりもかなりコーエーゲー寄りって感じなので、たとえば FE 無双履修しておくとビジュアル面はまったく違和感なく入れると思います。ジルオールが好きだった人はあのへんのコーエーゲームぽさがあるので好きになれると思います。ジルオールファン! これやぞ!
あと近しいテイストでいうとP3以降のペルソナシリーズとかあります。主人公がそういう感じ。発売前に引き合いに出されてたのがアティ先生だったんだけどそういう感じではなかったですね。P4 の番長とかのほうが近い。
風花雪月で FE 初体験の人はエコーズやったり FE 無双からキャラに触れて覚醒とか if とかに触れるのがよさそうな感じがします。

で、風花雪月のプレイフィールは従来の FE とはけっこう変わってくるので従来の FE ぽいのを逆に遊びたくなるときが出てくるんですが、SRPG Studio 製のゲームだとそのへんの欲求を満たしやすいので、SRPG Studio 製のゲームなんかやろうかなーと思ってたんですよ。もともとそういうつもりだったんですけど。

NAROU ファンタジーはそういうつもりで手を出すゲームではなかったですね……。

でもまあある意味ではものすごくただしく SRPG のパロディではあるので、SRPG ファンこそプレイすべき作品という感じはあります。いやーめちゃくちゃよくできてる。ギミックゲーでありつつもちゃんと戦術 SRPG になる瞬間が存在してて、それでいて戦略 SRPG でもある。それで辿り着いた先が FE やりこみの育成吟味要素だったりみたいなところで、ベストエンドまでにプレイフィールが何回も変わってめちゃくちゃ楽しいゲームだったですね。

これはスレで紹介されてたバグがめちゃくちゃおもしろかったので試してみたら再現したので記念スクショです。

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今はベストエンドまで見ててあとは火竜王と144ターンの人殴るまでは遊ぶつもりなんですけど火竜王いまの状態で戦ってまともに勝負にならないのでしばらくは MMORPG みたいな感じでこのゲームマジで終わりが見えないなってなってる。でもゲームで遊びながら猫耳猫の体験ができるのは NAROU ファンタジーだけなので猫耳猫読んでた人は NAROU ファンタジーやりましょう。みつみつけも面白かったよ!

こちらからは以上です。

スカサハ=スカディの話

FGOっていうゲームのことはプレイしていないので存じていないのだが、「北欧の女神スカディとケルトのスカサハが習合した存在」として描かれているということだ。

このように神話を横断して神格の習合を描けるのがエンターテイメントのよいところだと思うので、これがどうとかいう評価はここではしない。

習合の根拠とされている「スカサハとスカディの名は語源を同じくしており、関連があると考えられている」というあたりが妥当かどうかということを書いていく。

結論からいうと、「スカサハとスカジの名に特に語源的な関連はあるかもしれないしないかもしれない。スカサハの伝承がスカジの伝承の影響を受けていないと断言するに足る証拠はないが、影響下にあったと考えられる証拠もなさそう」という感じである。

スカサハ

スカサハ(アイルランド語:Scáthach )の語源を見てみよう。

scáthach - Wiktionary

「shadowy:影の多い、暗い」とある。影を意味する scáth に形容詞化する接尾辞 -ach がついたもので、「影」を擬人化した神格と見ることができる。

scáth はケルト祖語の *skātom 由来で、古英語の sceadu と同族とある。
sceadu は今日の shadow や shade で、これの語源を辿るとゲルマン祖語の *skadwaz とある。
これは下ると古ノルド語の *skadda があるのだが、Wiktionary の英語版に記事がないのでこの先はインターネットではうまく調べることができない。ひとまずノルウェー語では skodde は shutter あるいは fog, mist とあるので、「光を遮るもの」の意で発展した語だろうと思う。

スカジ

スカジ(古ノルド語:Skaði)の語源を見る。

Skaði - Wiktionary

https://en.wiktionary.org/wiki/Reconstruction:Proto-Germanic/skadwaz

ゲルマン祖語の *skadwaz 、あるいは失われた地名に由来するかもしれない、とある。古ノルド語の skaði と関係があるだろうともある。

skaði はゲルマン祖語の *skaþô 由来で、damage, scathe を意味する。scathe はゲルマン祖語由来の古風な語彙で、今日ではラテン語由来の damage のほうが使われているということだろうか。
さておき、*skadwaz と *skaþô は、今のところは別の語彙から発展してきた語だと考えられている。*skadwaz は印欧祖語 *skeh₃- (“dark”) で、*skaþô は印欧祖語の *(s)kēt- (“damage, harm”) と見られている。
もちろんこれらは再構築された語のルーツであって、何か直接的なエビデンスがあるわけではない。今のところはこのように考えられているよという程度に受け止めておくのがいいだろう。
たとえば dark と damage が根っこで繋がっていてもそんなに不思議はないし、まったく関係がないとしても不思議はない。
たとえば日本語の「闇」は「病む」「止む」「黄泉」と同根である可能性が考えられており、日本語においては「闇」が「死」に関連している可能性がある。
昔の人間が暗闇に対して死のイメージを抱くことは神話などによく見られることなので、可能性はあるだろう。

神話の関連性

スカサハの登場する Tochmarc Emire の原本は8世紀頃に書かれたと考えられている。ガリアにはスカサハのような神格はどうもいなさそうなので、アイルランド土着の信仰が発展してきたものかもしれない。

その頃のアイルランドにどの程度ゲルマン人流入があったかというと、8世紀の終わりからノース人やデーン人の侵入が続きながらも、アイルランドゲルマン民族による支配が達成されないまま、アイルランド人の島であり続けた。沿岸にはゲルマン民族の集落が作られ、彼らは北欧の神々を信仰していたが、キリスト教を受け入れながら、アイルランド人と同化していったようである。

スカジは古エッダに名前が見られ、古い地名に似た名前が散見されることから、かなり古い神である可能性があるものの、スノッリ・ストゥルルソンのエッダなどの後世のテキストに見られるスカジ像は、もちろん、後世に書かれたものである。
スカサハにスカジの影響があったかどうかというと、あんまり関係はないかもしれないんじゃないかなあ、ということを思う。とはいえ、ゲルマン民族接触してはいるので影響がまったくなかったとも断言できない。

ま、でも、いまのところは「世界のいろんなところで概念を共有する神格が並行して発生したので偶然同じ概念を持つ神格がいる」と考えておくほうが妥当なのでは?という感じ。フィクションにおいてはその限りではないけれど、フィクションに書かれた設定はフィクションに書かれた設定だよ、ということで。

余談

スカサハかスカアハか、どっちの音写が妥当かという話があるんだけど、スカサハは古アイルランド語、スカアハは現代アイルランド語に準じた音写になる。どっちでもいいと思うけど、他のアイルランド語由来の語彙が出てくるときは古アイルランド語か現代アイルランド語かどっちかに揃えたほうがいいでしょうねと思います。まあだいたい英語風の発音が定着してたりするので英語風の発音があるときはそっちが優先されがちだったりはするんだけど。

こちらからは以上です。