ソースコードとしての Markdown とプレーンテキストフォーマットとしての Markdown は異なるという話

Markdown はもともとはプレーンテキストフォーマットかつ HTML にトランスパイルできるソースコードでもあるという感じの言語として設計されていると思うが、今はむしろ HTML にトランスパイルできるソースコードという用途のほうが強くなっているように思う。プレーンテキストをそのまま読み書きするということをあまりせず、描画された HTML を見る機会の方が圧倒的に多い。このはてなブログにしてもそうである。

ブログの入力画面などに実装された軽量マークアップ言語はもともとがマークアップ言語であることを目的にしていて、Markdown はそのままでも読めるし HTML にも変換できる、というのとはちょっと趣が異なる。Wiki 記法や BBCode などはあきらかにコードであるし、はてな記法もそうだった。

それらが Markdown に置き換えられていったのは、Markdown が読みやすかったからというよりは書きやすかったからということが大きい。Markdownエニグマティックな記法が比較的少なく、普通に入力して普通に書ける。これが利点だったが、反面、表現力は犠牲になっている。定義リストやテーブルは使えないし、脚注などもない。たとえば大抵の Wiki では結局 Wiki 記法がそのまま使われているが、Wiki は図表も使うし目次も脚注も使うから、どうしたって Markdown では足りないし、何より Wiki 内リンクの取り扱いに特化した Wiki 記法が一番 Wiki に適している。

Scrapbox はその点で Wiki 記法と Markdown のいいとこどりをしていて、百科事典でも作るわけじゃなきゃこれで充分だよなというくらいの機能に抑えている。こういう割り切りはこれはこれで正しいと思うが、しかしどこでもこの記法でいいかというと全くそんなことはなくて、たとえば技術書の原稿を書くにはそれなりの表現力が必要になる。

さて、Markdownエニグマティックな記法がないことがいいところだと思うが、たとえばこういうものはどうだろう

![img alternative text](https://example.com/url_for_img)

これは img 要素を表示するためのものだが、! で画像だということが果たして誰がわかるだろうか。
なんならプレーンテキストとしては https://example.com/url_for_img これだけあれば充分で、これが単に URL か画像を表示したいかの区別をつけるのならば、そのようなマークアップをすることが正しかろうと思う。昨今のおおよそのテキストコミュニケーションサービスでは URL が指し示すリソースが画像であれば、自動でインライン展開を行うようになったりしているが、これがプレーンテキストフォーマットで求められる挙動だろう。もっとも Markdown は今から20年近く前のフォーマットなので、そうはいってもというところはある。

テキスト中の改行を\
明示するには  
`\` あるいは `  ` を行末に入力する必要がある

これもまた HTML にトランスパイルできる言語であろうとした結果の歪みと思っていて、おおよそ自然でない記法で改行というごく自然な行為をする必要がある。
もちろん Markdown は欧文しか想定していないので、日本語のように形式段落を日常的に使う言語に適していないのはしょうがない。しょうがないとは思うが、ソースコードとしては、本来意味のない折り返しこそ「次の行はこの行の続きである」ということを明示するべきのように思う。\ という記号は改行のエスケープ、つまり行が続くことを意味するし、ソースコードとしての振る舞いもそうであってほしい。しかしプレーンテキストフォーマットとしては逆で、手動による折り返しのほうを多用するから、折返しでない本当の改行を明示するというほうが利便性がある。なので目に見えない という改行の記法が存在すると思うが、果たしてという感じである。

それから、これは本来の Markdown の抱える問題ではないのだが、Markdown 派生の記法の多くが、エニグマティックな拡張記法を採用している、というのがある。全く Markdown の設計意図を理解していないと思うし、他の軽量マークアップ言語の研究も足りていない。部分的には ReST や AsciiDoc のほうが優れているという記法もあるが、それらを参考にしたとも思えないような、パーサが混乱しなさそうな空いている記号があったのでとりあえず使いました、という感じの、いかにもマークアップをしますという記法が多いのは、じゃあなんで Markdown 使ってんねんという気持ちになったりもする。まあどうして Markdown を使っているかというとそれがデファクトだからなので、Markdown の設計意図がどうこうというのはまったく関係ない話なのだけど。

Markdown を10年以上使っているが、やはり Markdown よりも日本語に適したプレーンテキストフォーマットが必要だなあということはずっと思っている。テキストフォーマットはテキストフォーマットであればいいので、ソースとして使わない限りは別にパーサも書かなくていいし、トランスパイラも書かなくていい。しかしトランスパイルしない環境であれば、別に Markdown でも困らないのだよな、とも思うので、結局特に何かを作ったりはしていない。ただ、Lazri はいいプロジェクトだと思うのでまたどこかでやろうとは思っている。Ruby 製なので TypeScript に移植したりするところからやる必要があり、そこで足踏みをしている。

Danzig のカナ表記

Danzig のカナ表記をダンチヒと書く人も、ピルサドスキーのことをピウスツキとは書かないし、トウルビヨンのことをトゥールビヨン、トウルヌソルのことをトゥールヌソルとは書かないじゃん。Nureyev をヌレエフと書くのも、まあ別にしたければすればいいと思うんだけど、慣用名であるダンジグやヌレイエフだとまずい理由ってなんかあるんだろうか、と思う。

文脈から明らかとはいえ、ダンチヒダンツィヒとダンジグは、より明らかに区別できる。後者は馬の名前として使うことのほうが多い。ヌレエフとヌレイエフにしてもそう。ヌレイエフといえば競走馬の名前だということが明確になる。

今更パワーとパウアと言い換えるべきかどうか、ということも思う。

原語の発音に忠実な表記というやつ、便利か? 合理的か?

という疑いをいつでも持っていたいと思う。私はわかった上であえてダンジグと書くしヌレイエフと書く。

こちらからは以上です。

天皇賞(春)展望

春の天皇賞」なので「春天」でいいんじゃよ、「天皇賞(春)」のことを口に出して「天皇賞カッコ春」とは言わなくて「春の天皇賞」って呼んでるんだからそれを略したら「春天」になるじゃろ。

さておき、その春の天皇賞、今年は頭の抜けた候補がおらず、混戦が予想される上、京都競馬場改修の影響で阪神での開催になる。その阪神の3200mは内回り→外回りの変則的なコースで、こんなコースを経験している馬はほとんどいない、ということもあって非常に予想が困難になっている。何が勝つか本当にわからない、だからこそ今年はめちゃくちゃ面白いと思っている。

三冠馬が翌年に春の天皇賞を目指さないのはナリタブライアン以来で、他にシンザンミスターシービーも回避しているが、これら三頭はすべて怪我などで状態がよくなかったことによる回避で、距離適性を理由に回避するのは初めてではないかと思う。ちょっと寂しさはあるが、阪神の3200mはコントレイルに適した舞台ではないように思うし、陣営の判断にも納得できる。むしろ京都とはいえよく3000mを走りきったなと思う。

京都と阪神の差は、一番は直線の坂のあるなしで、阪神の3200mとなれば直線を2回走る、つまり本来は走りやすい直線で坂を2回下って上がるということをしなければならない。もちろん京都にも坂はあるが、阪神に比べると緩やかだし、坂があるのは第三コーナー手前からの上りと第四コーナーにかけての下りで、直線はほぼ平坦。なので京都は最終直線の末脚勝負になりやすいが、阪神は最後まで走り切るタフさが求められる。そんなわけで、長距離をこなしているかどうかだけでは測れないところがある。もっとも、長距離をこなしているかどうかだけで測れないのは今年に限ったことではなく、例年の京都開催にしてもそうではある。京都の3200mと、中山の3600m(ステイヤーズステークス)、東京の3400m(ダイヤモンドステークス)、阪神の3000m(阪神大賞典)では適する能力がそれぞれ違っている。今年は阪神の3200mだから、阪神大賞典組には特に注目するべきだろう。

前走:阪神大賞典

  • ディープボンド

2着に5馬身差をつけて圧勝、重馬場で特にタフなレースになったと思うが、この馬には合っていたということだろう。
キズナ、母父キングヘイローで血統表だけ見るとあまり長距離向きに思えないが、Lyphard の5×4のクロスがあり、欧州的なスタミナが引き出されているのかもしれない。

  • ユーキャンスマイル

2018年の菊花賞3着、2019年のダイヤモンドステークス1着、2020年の阪神大賞典1着、京都開催の春の天皇賞では5着、4着と、3000m以上のレースで着外になったことがない。今年は阪神開催でこの馬には適した舞台に思う。父キングカメハメハステイヤーは珍しいと思うが、母父ダンスインザダーク菊花賞馬で、こちらの血が強く出ているのかもしれない。母方の血はダンスインザダーク以外は短距離向きに見えるし、血統表だけでは馬の適性なんかわからないよなと実感させられる。

  • ナムラドノヴァン

ユーキャンスマイルと0.1秒差の3着。今年の頭に万葉ステークスを勝ってオープン入り。その後はダイヤモンドステークス4着と、長い距離で堅実な走りをしている。父ディープブリランテ、母父 Kingmambo で一見欧州型×アメリカ型という感じだが、Nureyev の5×4のクロスがあり、二代母の父がデインヒル、三代母の父が Roberto と欧州的な血統構成になっていて、タフなレースには合っていそうに見える。

  • シロニイ

3着からは3と1/2馬身差の4着。その前は3勝クラスの松籟ステークスで4着になっており、今年の春の天皇賞と同じ舞台を経験している。父キングカメハメハ、母シラユキヒメ白毛一族で、ダート馬のように思えるし実際条件戦では重馬場のダートで好走しているが、近走は芝の長いところでのレースが続いており、陣営が適正があると判断したのかなと思う。近親馬にも特にステイヤーらしい馬はいないと思うし、歴史の浅い牝系なのでなんとも判断がつかない。これまでの成績を見てもムラがあるし、ちょっと難しいなと思う。

6着。2020年のダイヤモンドステークスで2着、同年の阪神大賞典で3着だが、近走はなかなかいいところがない。前走も道悪であったことを差し引いても強調できる材料を持たないように思う。二代母の父 Sadler's Wells であり、長い距離向きではある。

7着。菊花賞2着、道悪のAJCCで1着と、実力上位と見られていたが、結果凡走。折り合いがつかなかったことなどが敗因と見られている。良馬場の京都なら期待できるが、阪神は舞台が合っていないかもしれない。
父はエピファネイア、Sadler's Wells の 4×4のクロスがあり、血統的には長い距離をこなせるように見える。

  • ゴースト

心房細動で競走中止。無事で良かったと思うが、無事に走りきっていないことで判断材料がない。その前は万葉ステークス5着。長い距離で結果を出していることからステイヤーには違いないと思うが、上位馬と比べるとやはり実績不足に見える。

前走:日経賞

  • ウインマリリン

2着を半馬身差に抑えて押し切り勝ち。個人的には2500mまでの馬だと思う。今年は主役不在ということもあり、初の牝馬による天皇賞(春)制覇を狙うなら今、ということなのかもしれない。血統的にも近走成績からも特に強調したい点はない。

半馬身差の2着。大きいところで2着続きでなかなか勝ちきれないが、一度も着外になったことのない堅実な走りをしている。が、阪神の3200mで同じように走れるのかどうかは個人的には疑問。母方はアメリカ血統で特にタフなレース向きな感じもしない。

  • ワールドプレミア

2着とはクビ差の3着。上がりはトップタイ。2019年の菊花賞馬で、ここでも実力上位と思うが、はたして阪神の3200mはどうか。母父は Acatenango で血統的な適性はあるように見える。

  • ジャコマル

5着。その前はダイヤモンドステークスで7着。父ダノンシャンティ、母父トニービン。父はマイルから中距離くらいがいい馬だと思うが、母父トニービンはスタミナ系。戦績を見た感じは中距離がベストに見える。

  • オセアグレイト

5着にクビ差の6着。2020年のダイヤモンドステークス3着、同年のステイヤーズステークス1着。父オルフェーヴル。母ブルーダヌーブは父がBahri 、母父が Sadler's Wells で凱旋門賞馬 Sakhee と同じような血統構成を持ち、本馬にもその欧州型の血がよく現れているように思う。ちょっと成績にはムラがあるし、阪神でのレース経験がないのも不安はあるが、長距離重賞を勝つだけの実力はあると思う。

その他

  • ディアスティマ

前走は松籟ステークスを三馬身差の逃げ切り勝ち。内容からいっても重賞で勝ち負けできるレベルだと思う。前哨戦を使わずに本番というのがやや不安ではあるが、今年の天皇賞と同舞台で勝っているという経験がこの馬の最大のポイント。
母はアメリカのGIを3勝した名牝。母方はアメリカ血統で、これだけ見るとステイヤーぽくはないように思えるが、阪神の3200mを逃げ切って勝つということはそれだけのスタミナが実際にあるということだろう。

  • ディバインフォース

前走は3勝クラスのサンシャインステークスで3着。2019年の菊花賞で4着になっている。条件馬で特に強調材料はないが、父は凱旋門賞ワークフォースで、母父ゼンノロブロイ、二代母の父が Alzao と、母方の血はディープインパクトに似た血統構成になっている。中長距離向きの血統をしていると思うが、条件戦では善戦続きでなかなか勝ちきれていないし、ちょっと難しいのではないかと思う。

  • メロディーレーン

前走はオープン特別の大阪ーハンブルクカップで10着。350kg前後というきわめて小さな体の馬。走っているのを見てもひと目でわかるし、向こう正面では他の馬に完全に隠れてまったく姿が見えなくなることさえある。2019年の菊花賞で5着、2020年の阪神大賞典で5着と、長い距離で好走しているが、勝ち負けとなると難しいと感じる。個人的には好きな馬なので応援しているのだが……。
オルフェーヴル、母父 Motivator、二代母の父 Shirley Heights とバッチリ欧州型で、血統的には申し分ない。

前走ダイヤモンドステークスで2着。仕掛けが早かったことを除けば完璧な走りをしているし、舞台が阪神になって直線が短くなるのはこの馬には合っているように思う。父はオルフェーヴル。母はエピファネイアの全妹ロザリンドで、スタミナのある血統。

休養明け。昨年は大阪杯ジャパンカップに出走したが、特にいいところはなく、あまり強調する点がない。


人気はディープボンド、アリストテレスの二強で、次いでワールドプレミアという感じになっている。オセアグレイト、オーソリティなどのオルフェーヴル産駒はあまり人気していないが、舞台には合っていると思う。実績的にはユーキャンスマイル。という感じで見ているが、雨も降っており明日の馬場状態でまたちょっと難しくなりそうだなと思う。

こちらからは以上です。

サキュバスアカデミアクリアした

いやー面白かった、面白かったのだが、なんかこう、ちゃんとSQシリーズなんだけど、俺が遊びたかったのは絞られゲーではなかったのだが?という気持ちがあり、まあそれでも作品の体験としては唯一性が高いし満足感もある、あるが、それはそれとして、絞られゲーではないのがプレイしたかったのだが? 回想シーンでもMODでもいいから……という気持ちがある。

続きを読む

桜花賞と皐月賞が終わって

皐月賞の展望は特に書かなかったんだけど、なんだかんだダノンザキッドとエフフォーリアは強いだろうと見ていましたが、勝ったのはエフフォーリア、ダノンザキッドはちょっとよくわからない負け方、ほか推してたタイトルホルダーが頑張って2着、道悪では強そうだと感じたステラヴェローチェが3着、という感じで、概ね予想した結果だったかなと思う。アドマイヤハダルは道悪は分が悪いと見ていたのでステラヴェローチェに迫ってきたのを見て地力の高さを実感。ダービーでは侮れない存在になったと思う。

昨年に続いて今年も無敗馬が桜花賞皐月賞を制し、強い馬が順当に勝っているという感じにはなっているものの、ソダシにわずかに敗れたサトノレイナス弥生賞でダノンザキッドを破ったタイトルホルダー、実力上位の馬がオークスやダービーで巻き返しはあるだろうと思っている。

とか思っていたらサトノレイナスがダービーを目指すとのこと。昨今の牝馬の実力は牡馬と比べてもそれほど差はないと思うし、サトノレイナスの強さはGI級なのは間違いないので、もしかしたらもしかするかもと思う。血統的に府中は舞台があってるだろう。ただそれでいくと牡馬も府中向きのメンバーが揃ってるし、まだ何が起こるかわからない。

クラシックはここからが本番。引き続き楽しみ。


ところで次は天皇賞なんだけど、春の天皇賞はレベルが低いと言われていて、勝ったフィエールマンも相手が弱かったから勝っただけでこの馬は強くない、と言っている人を目にしたりする。去年の秋の天皇賞を見ればフィエールマンが弱いとはならんやろ、と思うけど、実際春の天皇賞の価値が昔に比べて低くなっているような気はする。気がするだけで国際レーティングでは55位で、超長距離GIとしては世界で一番格が高いレースになっている。去年のランキングだとグッドウッドが69位なのでグッドウッドよりも上。菊花賞英セントレジャーがともに60位、愛セントレジャーが93位。まあ去年は海外はコロナ禍の関係もあって例年よりレーティングが下のレースも多く、一概にいえない部分はあるが、しかし毎年100位以内に入る程度には格の高いGIではある。

今年はメンバーも揃っていて実力も拮抗しているからどうなるかは未知数で、面白いレースになるんじゃないかと思っている。個人的に一番好きなGIなので盛り上がってほしいし、今年は盛り上がりそうだなと思う。ケチつける人はいつでもいるので気にしないほうがいいと思っている。

こちらからは以上です。

牝系で桜花賞を展望

種牡馬の仔たちが増えてきて、まだ今後どういうふうに塗り分けられているのか自分ではわからないので、今回は種牡馬に加えて牝系という概念で出走馬を見ていきたい。

まずは出走馬の父ごとに、その後、各馬の母を見ていくようにしたい。

ディープインパクト

ディープインパクト産駒は最多の三頭が出走。ただし過去5年ディープインパクト産駒による勝利はグランアレグリアのみ。

ディープインパクトの母ウインドインハーヘアはハイクレア牝系に属しており、自身もウインドインハーヘア系とも呼べる牝系を築きつつある。ハイクレア牝系もまた大きな括りでは世界的な大牝系であるアルトヴィスカー牝系に属する。アルトヴィスカー牝系に属する馬は多数おり、挙げるとキリがないが、興味があったら調べてみるといいだろう。 ウインドインハーヘアからはディープインパクトの他、重賞馬ながら種牡馬としてGI 7勝馬キタサンブラックを輩出したブラックタイドがおり、ウインドインハーヘアの娘レディブロンドからは帝王賞を勝ったゴルトブリッツが、レディブロンドの娘ラドラーダからは GI を2勝したレイデオロが出ている。ウインドインハーヘアの姉妹からも重賞馬が多数出ている。

ハイクレア牝系にはウインドインハーヘアの他、英ダービーや KGVI&QES など GI を4勝し種牡馬としても凱旋門賞馬バゴなどを輩出した Nashwan や GI を3勝した Nayef がいる。

キズナ

  • ファインルージュ
  • ソングライン

種牡馬二年目のキズナからは産駒ニ頭が出走。
キズナの父は前述のディープインパクト

キズナの母キャットクイルビワハヤヒデナリタブライアン兄弟の母パシフィカスの半妹で、キャットクイルの娘に桜花賞秋華賞の二冠馬ファレノプシスがいる。パシフィカスの娘にはジャパンカップ2着に入ったラストインパクトの母スペリオルパールがおり、孫世代にも活躍馬がいる。 パシフィカスキャットクイルらの母であるパシフィックプリンセス自身もデラウェアオークスを勝利したGI馬であり、日本国内でパシフィックプリンセス系とも言うべき牝系を築きつつある。

ミッキーアイル

  • メイケイエール
  • ミニーアイル

期待の新種牡馬ミッキーアイルから産駒ニ頭が出走。
キズナと同じく父はディープインパクト

二代母アイルドフランスは米や仏で重賞2勝、仏GIマルセルブサック賞2着に入るなどの成績を収めているほか、ミッキーアイルの母スターアイルの半妹となるアステリックスからはNHKマイルカップを勝ったアエロリットがおり、国内で牝系を発展させつつある。

モーリス

モーリスの母メジロフランシスはメジロ牧場で発展した名牝系メジロボサツに連なる馬。メジロボサツ牝系にはオークス秋華賞の二冠馬メジロドーベルがいるほか、重賞ウィナーが多数いる。
メジロボサツは戦前にグループ創設前の社台牧場が輸入したデヴオーニアに連なる日本古来の牝系で、今日にこの牝系から活躍馬が出ていることは感慨深いものがある。

キングカメハメハ

  • ククナ
  • アールドヴィーヴル

ディープインパクトとリーディングを争った名種牡馬キングカメハメハからは産駒ニ頭が出走。 キングカメハメハの母マンファスは世界的な大牝系であるアワーラッシー牝系に属しており、父キングマンボはミエスク牝系、二代父ミスタープロスペクターはこちらも世界的な大牝系であるフリゼット牝系に属す、という具合に代々の父が名牝系の血を持つ良血馬。

アワーラッシー、フリゼットについては挙げるとキリがないので割愛するが、歴史的名牝ミエスクについては触れておきたい。 本馬はリアルスティール、ラヴズオンリーユーきょうだいの三代母で、自身もGI 10勝を挙げた名牝である。
同牝系にGIウィナーがなんと10頭もいる。牡馬牝馬問わないし、直仔だけでなく孫以降の世代にも活躍馬がいることから、今後一層発展していくことだろう。

ルーラーシップ

  • ストライプ
  • ホウオウイクセル

キングカメハメハの後継種牡馬として期待されるのがこのルーラーシップ。産駒ニ頭が出走。
ルーラーシップの母はエアグルーヴ
エアグルーヴの母はオークスダイナカールエアグルーヴ自身もオークス天皇賞・秋を勝ちGI 2勝。子のアドマイヤグルーヴエリザベス女王杯を連覇し、更にその子からダービー馬ドゥラメンテが出るなど、著しい活躍をしている。 半姉カーリーエンジェルからも高松宮記念馬オレハマッテルゼが出ており、ダイナカール牝系ともいうべき一大牝系を築きつつある。

ロードカナロア

  • ジネストラ

キングカメハメハ後継種牡馬として既に実績のあるロードカナロア。産駒は一頭が出走。 ロードカナロアの二代母サラトガデューは米GI 2勝を挙げているが、近親に他に目立った活躍馬はいない。牝系祖先を辿っていくと、ロードカナロアの六代母 Somethingroyal の四代子孫にニシノフラワーがいる。

リーチザクラウン

  • ブルーバード

スペシャルウィークの後継種牡馬としてなかなかに良好な成績を収めているリーチザクラウン。産駒一頭が出走。 リーチザクラウンの二代母クラシッククラウンは米GIを2勝。トリプルティアラ馬クリスエヴァートを輩出したミスカーミーの牝系で、同牝系にはケンタッキーダービーなど米GIを3勝したウィニングカラーズ、ジャパンカップタップダンスシチー、ダービー馬ディープスカイ*1など、多数の活躍馬がいる。

リーチザクラウンの父スペシャルウィークの母は日本古来のフロリースカップ牝系から発展したシラオキ牝系に属する馬で、同牝系の活躍馬にはダービー馬ウオッカ菊花賞マチカネフクキタルなどがいる。

クロフネ

  • ソダシ

ヘイルトゥリーズン系の種牡馬として活躍したクロフネは、スリープレスナイトカレンチャンホエールキャプチャ、アエロリットなど特に牝馬に活躍馬が多い。また大阪杯を制したレイパパレの母シェルズレイクロフネ産駒。
桜花賞には既にGIを勝っているソダシが出走。
クロフネの半妹ミスパスカリからはマウントロブソン、ミヤマザクラのニ頭の重賞ウィナーが出ているが、他に目立った活躍馬はいない。ただし同馬から優れた牝馬が多数出ていることは事実で、桜花賞でも注目すべきだろう。

スクワートルスクワート

  • ヨカヨカ

スクワートルスクワートは九州競馬で活躍馬を出している種牡馬だが、中央では目立った成績はない。五代母の五代子孫にダートGIを4勝したゴールドアリュールがいるが、近親と言えるほどではないし、一大牝系と呼べるほどでもない。

Kingman

  • エリザベスタワー

唯一の海外種牡馬 Kingman からは一頭が出走。Green Desert 系の種牡馬として既に実績を出しているが、同系統では日本国内には近年目立った活躍馬がいない。 Kingman の母 Zenda は GI 1勝を挙げた馬。二代母の子 Oasis Dream は GI 3勝している。


続いて牝系を見ていく。

ホウオウイクセル

メジロドーベルの孫である本馬はもちろんメジロボサツ牝系に属する馬である。 メジロボサツは母の父の牝系がフラストレート牝系、二代母の父の牝系がフロリースカップ牝系という由緒正しい日本牝系だが、ホウオウイクセルの母父がスペシャルウィークであり、ここにもシラオキ牝系の血が入っている。フロリースカップ牝系からは先週大阪杯を制したレイパパレが出ている。近年にも日本牝系から活躍馬が出ているのは馬産地の努力にほかならず*2、こういう馬を応援したいと思っている。

アカイトリノムスメ

母は牝馬三冠馬アパパネアパパネ産駒はコンスタントに勝ち上がってはいるものの、重賞戦線で活躍する馬は出ておらず、ようやくの重賞ウィナーが本馬である。 アパパネは大牝系であるアフェクション牝系に属するので、もちろん本馬もアフェクションの末裔になる。 アフェクション牝系には、KGVI&QESを制覇し、歴史的名牝エネイブルの父となったナサニエルなどがいる。他にも多数の活躍馬が出ているので興味があれば調べてみてほしい。

ソダシ、メイケイエール

ソダシ、メイケイエールは両馬ともにシラユキヒメの一族。 シラユキヒメは珍しい白毛の馬で、娘のユキチャン関東オークスを制し、繁殖牝馬として一定の成功を収めているが、子孫馬から中央重賞馬ハヤヤッコ、ソダシ、メイケイエールが出ており、近年発展が著しい。

メイケイエールの二代母ユキチャンは父がクロフネ、ソダシは父がクロフネなので、いずれにもクロフネの血が入っている。
ソダシは母父キングカメハメハで、こちらに名牝系の血が流れていることを考えると血統構成はソダシのほうに魅力を感じる。

サトノレイナス

全兄に弥生賞馬サトノフラッグがおり、実績がある。母バラダセールはアルゼンチンオークスとアルゼンチン1000ギニーを制したアルゼンチン牝馬二冠馬。二代母もアルゼンチンのGI馬であり、力のある牝系だと言えそうだ。

アールドヴィーヴル

英オークス英セントレジャーヨークシャーオークスの GI 3勝を挙げた名牝 Sun Princess に連なる牝系で、Sun Princess の仔バレークイーンにはダービー馬フサイチコンコルド皐月賞アンライバルドがいるほか、バレークイーンの仔グレースアドマイヤには皐月賞馬ヴィクトリーがいる。本馬の二代母スカーレットはそのグレースアドマイヤの仔であり、ヴィクトリーの半妹に当たる。
Sun Princess 自身も大牝系であるパラフィンラス牝系に属している。

シゲルピンクルビー

大牝系であるトーペンハウ牝系に属する。トーペンハウ牝系には近年発展が著しい Best in Show 牝系がある。

Best in Show 牝系の近年の活躍馬はなんといってもアーモンドアイ。アーモンドアイの母フサイチパンドラもまたエリザベス女王杯を制したGIウィナーである。アーモンドアイの四代母が Best in Show である。Best in Show の仔 Sex Appeal にラストタイクーンを輩出したトライマイベストがいる。ラストタイクーンキングカメハメハの母父なので、日本馬の血統表を見るとよくこの名前が出てくる*3
シゲルピンクルビーの五代母 Stolen Date が Best in Show の半妹。二代母ムーンライトダンスがGIIIインターナショナルステークス勝ち馬で、その半兄が愛ダービー馬 Grey Swallow である。Stolen Date の子孫には他に香港のQE2世カップなどを制したデザインズオンローム愛オークス馬カヴァートラヴがおり、このように多数のGI馬がいる。Best in Show と Stolen Date の母である Stolen Hour の血が偉大だったということになるだろう。

シゲルピンクルビーの半姉シゲルピンクダイヤもクラシック候補で桜花賞3着、秋華賞2着と健闘している。

ストゥーティ

二代母がデルマーオークスを制したシンハリーズ。母リラヴァティの半妹にオークスシンハライトがいる他、リラヴァティ自身も重賞ウィナーである。四代母 Bayonne の子孫に英GIジュライカップを制した Mayson がいる。

エリザベスタワー

母ターフドンナは独オークスの勝ち馬。二代母 Turfaue の全妹ターフローズは伊GIリディアテシオ賞*4を勝っているなど、近親に活躍馬が多い。ターフドンナもターフローズもドイツ生産馬であり、どうやらドイツの在来牝系のようである。

エンスージアズム

四代母 Track Robbery の子孫にブリーダーズカップクラシックを制した Theif Cat がいる他、半姉 Tapicat は米重賞を勝利しており、それなりに力のある牝系と言えそうだ。

ファインルージュ

近親の活躍馬に全日本2歳優駿を勝ったノーヴァレンダがいる他、多数の重賞馬がいる。少し遠いが、五代母 Gay Apparel の子孫にオーサムアゲインステークスを制したムブタヒージがいる。

ミニーアイル

アイランドファッションは米GI 4勝を挙げている。近親馬は重賞で好走しており、いずれは重賞馬が出てくるだろうと考えられる。

ジネストラ

ハッピーパスは重賞馬で、本馬のきょうだいにも重賞馬がいる優れた牝系。ハッピーパスの半姉にマイルチャンピオンシップを制したシンコウラブリィがいる他、四代母 Madelon の 半姉 Contrail の子孫にタイキシャトル阪神JFを制したピースオブワールドがいる。

ヨカヨカ

二代母ハニーバンはピルサドスキーファインモーションの半姉。五代母 Gaily の子孫にはメトロポリタンハンデを制したサージョンホークウッドをはじめ、多数の重賞ウィナーがいる優れた牝系。

ヨカヨカの父スクワートルスクワートは中央ではあまり存在感がないが、牝系を見るとこの馬がクラシック候補の一頭に名乗り出ているのも納得できるだろう。

ソングライン

三代母ソニンクはアコースティクス、ライツェントの母。アコースティクスからはダービー馬ロジユニヴァースが、ライツェントからは秋華賞と英GIナッソーステークスを制したディアドラが出ている。この他にも多数の重賞馬が出ている。

ブルーバード

近親にGII日経賞を制したメイショウテッコンがいる他、三代母 Fagers Charisma の子孫に米GIを2勝した Tout Charmant がいる。

ククナ

二代母クルソラはアルゼンチンGIを2勝。母クルミナルも桜花賞2着と好走しているが、他に特筆するところはない。

ストライプ

二代母の半姉に米GIで2着3回のマックスジーンがいる以外には、目立った活躍馬は出ていない。


ざっと流す感じになった馬も多いが、後半もしかすると見落としがあるかもしれない。気になった人は調べてみるといいだろう。

父系と牝系の両方が噛み合ってなお、調教がよく仕上がり、鞍上との息が合って、得意なコース、馬場状態、枠などの条件が揃い、この上で展開が当てはまって初めて万全、というわけで、競馬に絶対がないということがよくわかると思うが、牝系は重要な材料の一つであることは言えると思う。逆に父系は材料の一つでしかないにも関わらず、話題になりすぎているような気もする。単純に考えても父と母で半分ずつの血を引く*5わけだから、牝系にも目を向けたほうがいいだろう、と思って書いた。こちらからはどの馬がよさそうだ、ということは言わないが、これを見て考えてもらえばいいだろう。

個人的にはホウオウイクセルを応援している。

こちらからは以上です。

*1:ディープスカイは母内にミスカーミーの5・4のクロスを持つ

*2:特にレイパパレはシラオキ牝系でない傍流のフロリースカップ牝系であり、現在もこの血統が存続していることには頭が下がるとしか言いようがない

*3:アーモンドアイは父方にも母方にも Best in Show の血を持っている

*4:2018年まで唯一のイタリアのGI競走だった。2019年よりGIIに降格

*5:実際には競走能力への影響は母の血のほうがやや大きいと考えられている

自分の誕生日にGIを勝った馬

誕生日が4~5月だったり10~12月だったりすると、自身の誕生日に何かしらのGI競走が行われていると思う。

ぼくの誕生日は、このブログを読んでいる方は存じているかもしれないが、5月26日である。5月26日といえばトウカイテイオーがダービーを勝った日である。 誕生日が日曜日ならGI競走が開催される。ぼくの場合は5月なので、ダービーかオークスのどちらか。曜日は1年に1日ずつずれる。うるう年があると2日ずれる。例外を除けばカレンダーは28年周期だが、それはそれとして、ある日付の曜日が同じになることはうるう年の都合でずれたりするが、何年かおきにはやってくる。

グレード制がはじまったのは84年なので、84年以降の競走に限定した話をしていく。

1985年5月26日

日本ダービーが開催。1着はシリウスシンボリシリウスシンボリは移籍騒動で皐月賞は未出走、その皐月賞を勝ったミホシンザンは怪我でダービーには出走していない。シリウスシンボリはこの後ヨーロッパ遠征に向かったため、この二頭は生涯対決することはなかった。同世代でもこういうすれ違いで全く対戦しないことがあるんだけど、たとえばトウカイテイオーツインターボなんかもそうで、直接対決することがなかったニ頭を、ウマ娘ではああいう形で描いたりする。擬人化ものの歴史ifだからこそできる話なので、ミホシンザンでもなんとか物語にならへんですか、と思っている。いやいやこれは85年ダービーを勝ったシリウスシンボリの話だった。
シリウスシンボリは帰国後にオグリキャップら平成の怪物世代と対決するので、シンデレラグレイに登場するようだ。

1991年5月26日

日本ダービーが開催。1着はトウカイテイオー。このテイオーのダービー制覇から20年後の5月26日が、ウマ箱2第1コーナーの発売日である。運命を感じる。
テイオーはこのダービーを勝った後、骨折が判明。菊花賞には出走できなかった。菊花賞はダービー2着のレオダーバンが制した。もしテイオーが出ていれば菊花賞を勝っていたのだろうか。春の天皇賞の3200mは長かったにせよ、中山の2500mを菊花賞レコード馬を破って制覇しているのだから、京都の3000mは走れていたかもしれない。他の馬だって体験したことのない距離だったのだし。

無事是名馬とはよく言ったもので、どれだけ速い馬、強い馬であってもレースに出られなければ強さを発揮できない。まあミホシンザンが骨折していなかったとして重馬場でシリウスシンボリを破ることができたかどうかはわからないし、レオダーバンのほうがテイオーよりも長距離に適したタフさを備えていたかもしれない。

たらればになってしまうが、ゲームの中では別だ。近日発売のウイニングポスト9 2021では84年開始シナリオが用意され、トウカイテイオーを所有することができるようになる。自己所有で怪我を回避し悲願の親子三冠を達成させてあげようと思う。

1996年5月26日

オークスが開催。1着はエアグルーヴエアグルーヴも三冠牝馬の器だと思うが、桜花賞は熱発で出走していないし、秋華賞は仕上げすぎたせいで体調を崩し、出走前のフラッシュでイレ込んで凡走。実力のある馬が実力通りに走れないことも往々にしてある。

たびたび、GIを3勝以上した牝馬の子は走らないと言われるが、エアグルーヴの時代にヴィクトリアマイルがあれば、エアグルーヴはGIを3勝以上していただろうと思う。前述の凡走した秋華賞と最後の有馬記念を除けば、3着内を外したことがない。牡馬混合でこの成績は立派である。

アドマイヤグルーヴドゥラメンテルーラーシップを輩出した彼女は間違いなく名牝で、その血はドゥラメンテの子たちに受け継がれている。

2002年5月26日

日本ダービーが開催。1着はタニノギムレット。ダービーを勝った後は秋に屈腱炎を発症。競走馬を続けることを断念し、種牡馬入り。そして生まれたのがウオッカであり、父娘でダービーを制覇した史上初めての牝馬となった。

タニノギムレット世代にはシンボリクリスエスがいる。ダービートライアルの青葉賞を勝って挑んだダービーではタニノギムレットに敗れて2着。青葉賞を勝った鞍上の武豊は「秋から強くなりますよ」と語ったらしい。
その秋は菊花賞でなく天皇賞・秋を目指し、ナリタトップロードテイエムオーシャンといった古馬を破って制覇。ジャパンカップは海外馬の前に3着となるも、有馬記念を勝ち、3歳時に古馬相手にGIを2勝する活躍を見せた。4歳時には宝塚記念などを走り、天皇賞・秋有馬記念をそれぞれ連覇。生涯GI4勝を挙げた。

本格化前とはいえ後にこれだけの活躍をする馬を相手にダービーを勝ったのだからタニノギムレットだって強い馬だったのは間違いない。もし怪我がなければ暮れの中山での再戦もあっただろう。ウマ娘にはタニノギムレットシンボリクリスエスもいないが、ウオッカシンボリルドルフがいるなら……という期待があり、どれだけ時間がかかってもいいから果たされてほしいと思う。

2013年5月26日

日本ダービーが開催。1着はキズナディープインパクトの子としてダービーを制覇し、親子制覇を達成。前年のディープブリランテに続いて二年連続となった。ちなみに2018年から2020年までは三年連続でディープインパクト産駒がダービーを制している。父内国産馬によるダービー制覇も別段珍しくなくなっていた。

ダービーを勝った後は凱旋門賞に挑戦。前哨戦のニエル賞を勝って臨んだ凱旋門賞では4着。その後は大きいところを勝てないまま種牡馬入り。ディープインパクト後継種牡馬としては良好な成績を挙げており、いずれはGI馬も出てくるだろうと思う。

ダービー2着馬のエピファネイアはその年の菊花賞を勝利。皐月賞2着、ダービー2着、菊花賞1着。翌年のジャパンカップジャスタウェイを下して制覇。勝ったGI数こそ2つだけだが、クラシックで2着2回は立派。種牡馬入り後は初年度産駒から無敗の三冠牝馬デアリングタクトが出てきたほか、菊花賞2着馬のアリストテレスがいる。二年目の産駒にもクラシック候補がおり、今後が楽しみである。

2019年5月26日

日本ダービーが開催。1着はロジャーバローズ。

この馬の母方の血、カルノーマズレディという馬に連なる血統なのだが、カルノーマズレディ自身はかつてはあまり注目されていなかった。セールではわずか2万ギニー(約300万円)だったドナブリーニがGIを勝つと、引退する同馬をノーザンファーム吉田勝己氏が50万ギニー(約7350万円)で落札。25倍とはいえ、超高額というほどでもない。
そのドナブリーニが産んだのが、重賞を2勝しGIでも2着1回3着1回と好走したドナウブルーと、何より、GIを7勝したジェンティルドンナだった。
ドナブリーニの半妹リトルブックが買われたのはジェンティルドンナオルフェーヴルを破ってジャパンカップを勝った翌週のことで、日高の株式会社ジェイエスが23万ギニー(約3400万円)で落札した。リトルブック自身の競走成績がそれほど振るわなかったことを思えば、ドナブリーニの半額以下でも高額と言えるかもしれない。
そのリトルブックの二番仔がロジャーバローズである。ダービーは12番人気。1番人気の皐月賞馬サートゥルナーリアは4着だった。ロジャーバローズの血統背景は間違いなく一流であり、名牝シーザリオの仔であるサートゥルナーリアを破っての勝利であるから、もちろんフロックではなかったろうと思う。

ダービー後は海外遠征の予定があったが、屈腱炎を発症していることがわかり、引退を決定。ディープインパクトの後継種牡馬として息長くがんばってほしい。ついでにウイニングポストにも出してほしい。なんとかなりませんか。ダービースタリオンには出せるんやから……。


今年の5月26日は平日なのでダービーもオークスも開催されない。が、おおよそ28年周期なので、前回5月26日が日曜になったのが1991年から28年後の2019年。1991年の次に日曜だったのが1996年だから、そこから28年後となる2024年であるということがわかる。そのときにはちょうどロジャーバローズの初年度産駒がクラシックに挑んでいるだろう。親子3代によるダービー制覇をキズナの仔が達成するか、ドゥラメンテの仔が達成するか、ロジャーバローズの仔が達成するか。前の二つは2024年にはもう果たされているかもしれないが、なんにしても楽しみである。