最近のフォントの話

VSCodeを使うとき、文章が主体だったりの日本語おおめの作業をする場合、ワークスペースの設定で次のようなフォントを設定している。

"editor.fontFamily": "'更紗等幅ゴシック J', 'Plangothic P1', 'Plangothic P2', monospace,

更紗等幅ゴシック Jは欧文に Iosevka を、和文に源ノ角ゴシックを採用した等幅フォントで、欧文と和文が 1:2 の比率なので特に気に入って使っている。

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Plangothic は源ノ角ゴシックをベースに Unicode の CJK 統合漢字拡張をカバーするフォントで、めちゃくちゃ簡単にいうと𰻞𰻞麺の𰻞を源ノ角ゴシックに合った字体で表示できるフォントである。Windowsだと源ノ角ゴシックに含まれない字体はだいたい SimSun あたりにフォールバックされる。これは簡体の宋体…日本語でいう明朝体のフォントなので、ゴシック体の中に明朝体が混ざるという大変気持ち悪い状態になる。そんな字を使わなければいいと言われればそうかもしれないが、このフォントを後ろに配置しておけば足りない自体をカバーしてくれる。

で、Plangothicみたいな CJK 統合漢字拡張をカバーするフォントが他にないか気になったので調べた。

明朝体だと花園明朝の後継の字雲というフォントがある。

kamichikoichi.github.io

ほかに源ノ明朝をベースにした獅尾四季春というフォントがある。日本だとラテン体あるいはコントラスト体と呼ばれる、明朝体からウロコを取ったもの、あるいはゴシック体の縦横の太さに差をつけたもの、つまるところ明朝体とゴシック体の中間のような字形になっている。

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これに源暎ラテゴを組み合わせた絶叫ボレロというフォントがあり、広範に漢字を収録したフリーのラテン体という意味では2025年現在唯一だと思う。

booth.pm

源暎ラテゴは漢字部分は源ノ角ゴシックなので完全なラテン体ではなく、源暎ラテミンは「機械的な処理で作成された漢字のため字潰れなどがあり、品質は保証しません。無いよりはマシなオマケとして使いたい漢字が問題ないか確認しながらご利用ください」という状況だった。他の選択肢はロゴたいぷゴシックで、収録範囲は第二水準の一部まで。本文で使うには少々心もとない。ラテン体を本文で使いたい理由があるかと言われると、ある。たとえば電話や拡声器、心に直接響く声など、通常の本文と異なるフォントで表現したい場合。掲示板のやり取りをゴシック体で、手紙は楷書体で、のような豊かな使い分けができてよいはずである。

楷書体で思い出したが、Klee One をベースにした楷書体のフォントもある。PlanKai というフォントで、Unicode の CJK 統合漢字拡張のフォールバックを目的としている。Klee One や霞鹜文楷と組み合わせて使うことを想定しているようだ。

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あらためて思うのは中国のフォント制作界隈の熱量はすごいということ。ヒカリ角ゴも中国の方だったと思う。

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ヒカリ角ゴは開発休止中で、開発に携わった方は今は朱雀仿宋というプロジェクトを手掛けているようだ。

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現代主流の華豐真宋由来ではない宋朝体を復活させるという大変野心的なプロジェクトで、今後に期待したい。

このほか最近気になったフォント。

www.quivira-font.com

タイムズ体系のセリフフォントで、ルーン文字や古イタリア文字といった変わった文字を収録している。変わった文字を収録しつつ字体が統一されているというところがポイントで、Noto などの Pan-Unicode フォントでルーン文字ラテン文字を混ぜてもうまく調和しない。それはそうである。が、Quivira ならある馴染ませることができる。

同作者の Catrinity はサンセリフ体。

catrinity-font.de

こういう字体の雰囲気を統一できるフォントというのは案外貴重だ。ゲームなんかで活躍すると思う。

こちらからは以上です。