私を構成する5つのマンガ

っていうのがツイッターでちょっと流行っていて、まあやったんですけど、5つに絞れねーじゃん!ってなって、でも振り返って自身についての影響を考えてみると、まあやっぱりこの5つなんじゃないか、という感じになったので、5つについてちょっと掘ったものを書いておきます。

王ドロボウJING

続編も込みで好きなので続編の方も。

エピソード連作方式で、各エピソードに一人ずつジンガールというヒロインがいるというふうになっています。ボンドガールみたいな。キャラクター名がお酒をモチーフにしていてこのへんからお酒に興味を持ったと思います。シャルトリューズとかいうお酒のことを知ったのもたぶんこの作品だったと思う。絵がまずすさまじいので絵の話になることが多いんですけど個人的には台詞回しが気に入っています。あとは話の読後感のよさがまた絶妙にいい。毎回ヒロインが変わるということは、毎回出会うところからやって最終的にヒロインとの別れを描くので、そういう感じになります。伝わってくれ、いや伝わらないので読んでくれ。

競馬狂走伝ありゃ馬こりゃ馬

ありゃ馬こりゃ馬 第1巻

ありゃ馬こりゃ馬 第1巻

ありゃ馬こりゃ馬 第5巻

ありゃ馬こりゃ馬 第5巻

最近馬の話ばっかりしてて馬好きなんだろうなっていうのは伝わってると思うんですが、ぼくが馬をいちばん見てた時期が98~99年くらいで、当時はサイレンススズカステイゴールドグラスワンダースペシャルウィークエルコンドルパサーセイウンスカイ……とそうそうたる顔ぶれだった時代なんですけど、だいたいそれくらいの時期に完結したマンガです。
リンクは1巻と5巻のものなんですけど、これ見てわかるように1巻~4巻までと5巻とで作風がぜんぜん違うんですよね。4巻まではギャグ、競馬あるあるマンガという感じで、5巻から打って変わって競馬ドラマになっていきます。田原元騎手の競馬観や騎手観が投影されていて、そのあたりのリアルさやシビアさは真に迫るところがあります。原作の田原氏自らが体験したサンエイサンキュー事件を元にしたエピソードとか。最終巻がこれまで凄まじい。読んで味わってほしい。全17巻と割と手を出しやすい長さだと思います。

天からトルテ!

週間ファミ通で連載されてたファミ通編集部に魔女がやってきてドタバタ騒ぎを繰り広げるコメディマンガです。マカロンとかいうメカクレ魔女が出てくるんですけどメカクレに目覚めたのがたぶんこのへんからだと思います。グラニテとトルテもかわいいですね。
実はリアルタイムでは最終回まで読んでないので電子版で全巻買って読みました。けっこう覚えててびっくりしたけどそれくらい好きな作品だったんだなあという感じもあり、今読むと時代を感じさせる部分もあり、懐かしくもあり……まあでもいい時代だったなというか、アスキー時代のファミ通編集部よかったですね。

ダブルゼータくんここにあり

記憶にある最古のマンガ体験がこの作品で、MS少女とかいう存在に出会ってしまった作品でもあります。ぜんぶケンプファーちゃんが悪い。ひらがな五文字であおいたくなのはこいでたく先生リスペクトだったりもします。
ちょっと寓話ぽい話というか、子供であるダブルゼータくんがなにか体験して、話の最後に大人であるマラサイさんとの対話を通じて、ふんわりと物事の善悪とか倫理とかを学んでいく話が多いんですけど、子供の頃に読めてよかったですね、という感じがあります。
今読んでも押し付けがましさは感じないので、そのへんのバランス感覚が絶妙ぽい。 あと今作の紳士ジョークが好きすぎる。あおたく語の基礎はたぶんこのへんで培われてると思います。

ダンジョン飯

ダンジョン飯 1巻 (HARTA COMIX)

ダンジョン飯 1巻 (HARTA COMIX)

あとから振り返ってみるとまだ完結してないやつここに入れるのどうだろうなという感じだったんだけどまっさきに思いついた5作にこれが入ってたのでまあこの作品の自身に与えた影響よ、という感じですが、たとえばゴーストに聖水が効くというファンタジーのお約束があったとして、霊体が物質をすり抜けるなら、瓶ごと当てればいいのでは?という発想が出てきて、ブラックジャックのように瓶を布で包んで振り回してゴーストを殴るということをやる。そういう発想のするどさにセンスオブワンダーを感じるんですよね。
ダンジョン内で食糧を調達することで継続して探索可能にするっていうところに立脚してるので、本質的にはダンジョンアタックの話だと思ってます。現代版ウィザードリィですよね。
今作あといいなと思っているのは人間のことをヒューマンとか言ったりしないところで、多種族に対して比較的背が高い特徴があるのでトールマンって呼んでるところですね。この作品以降人間主観でない描き方がよく見られるようになったと思いますけど、いいことだと思います。


自分が何読んでどう感じたかみたいなことたまに振り返ったほうが自覚的になれるっぽいのでちゃんとブログ書いたほうがいいですね。書いていきます。まあ書いてるんですけど。

こちらからは以上です。