ウイポの動画の話

動画の再生回数に貢献したくないので動画のリンクは貼らないんだけど、『【ウイニングポスト10】ノーザンテースト系が繁栄する世界は何が起こるのか』というタイトルの動画があり、要約すると「サンデーサイレンスミスタープロスペクターといった現在強い影響力を持つ大種牡馬をprivate化することで無理やりノーザンテースト系が繁栄する世界にすると、因子スカスカの架空馬だらけになって大変だから、ノーザンテーストのために他の馬をロストさせてまで無理やり繁栄させなくてもいいんじゃない?」という動画。

これはいくつか誤謬がある。

まず、「現在強い影響力を持つ大種牡馬をprivate化することで無理やりノーザンテースト系が繁栄する世界にすると、因子スカスカの架空馬だらけになって大変」というのは、「現在強い影響力を持つ大種牡馬をprivate化することで無理やり○○系が繁栄する世界にすると、因子スカスカの架空馬だらけになって大変」と置き換えてよい。ウイニングポストというゲームは史実期間は架空馬の能力にキャップがかかるようになっているので、どれだけ優れた種牡馬の父系であろうと史実馬以外だと因子がつかないようなクラスの馬ばかりが出てくる。ノーザンテーストのせいではない。

つぎ。「ノーザンテーストのために他の馬をロストさせてまで無理やり繁栄させなくてもいいんじゃない?」の部分。後半はそのとおりだと思うが、ノーザンテーストに限らない。ただ、この動画は「オート進行で流したらこうなった」という話にすぎないので、プレイヤーが自家生産で支援してノーザンテースト系を繁栄させたときの話には関係がない。自家生産馬なら適切に因子もつくし、そうなってくると別にサンデーサイレンスミスタープロスペクターがいなくても充分に充実した繁殖体制は整えられる。

というかプレイヤーが自分で考えてメジロブライトメジロアルダンマチカネタンホイザのサイアーラインを伸ばしたって別にかまわないし、そうやって繁栄させて大種牡馬化したり世界系統化したりしても別にいい。そのうえで架空期間に入ってからオート進行でノーザンテースト系の行く先を見たってよかろうと思う。もっとも、架空期間に入ってからは本当に神がサイコロを振る世界になるので、繁栄することもあれば衰退することもあるだろうと思う。

現実のノーザンテーストの父系がうまくいかなかったのはそれはそれとして、ウイニングポスト10のノーザンテースト系自体はめちゃくちゃ使いやすくなっていると思う。確立でSP系になるので無系だった旧シリーズのように母父に入ったときにサクラバクシンオーのSPを剥奪したりしないし、アンバーシャダイはST因子持ちのSP系という点で希少価値がある。ノーザンテースト系の後継種牡馬としては両親ともにSP系になるメジロブライトメジロアルダンがよさそうに見える。あるいはライアンをST系で確立させて、ST系のライアン系とSP系のそれ以外という使い分けをしてもいい。

正直なところストームキャット、ダンジグ、サドラーズウェルズ以外のノーザンダンサー系はどうせ揃って衰退するし、今挙げた三系統は勝手にノーザンダンサー系から独立して親化する。ニジンスキー持ち、ヌレイエフ持ち、ラストタイクーン持ちと組み合わせるとノーザンダンサー系が被って使いにくいというのは多少あるが、このうちニジンスキーはちょっと支援すれば地域12%で親化できるし、ヌレイエフはフォルリ確立で、ラストタイクーンはミルリーフST確立で、それぞれST系になるのでSP系のノーザンテーストとは使い分けできる。

また、繰り返しになるが、この馬は母系に入ったときに母系継承でSP系を仔に伝える可能性があるという点が過去シリーズと大きく異なっている。前述のように今作ではサクラバクシンオーを確立しても無系にならずSP系を維持できるし、父ノーザンテーストの優秀な牝馬を繁殖に使ったときにもSP系の種牡馬と組み合わせてSP昇華を狙っていけるというメリットがある。アドラーブルサンエイサンキューの使い勝手が過去シリーズに比べてぐっとよくなっている。

日本の繁殖牝馬の多くがノーザンテーストを父に持つという問題はあるが、まあそれとて代を重ねればむしろインブリード狙いにつかえて便利まである。

ともあれ、手段が間違ってるだけでノーザンテーストはべつに何も悪くない。動画のダシに使われてかわいそう。せっかく10で使いやすくなったのにね。という感想。