あなたのいう反「なろう小説」はなろうにあります

今更ではあるのですが。

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読んでないからだと思いますが、読めばそういう作品はあります。
何者にもなれないまま死んで転生したあと何者にもならないまま他者の承認を得る話というのは実際数多く存在するのですが、一方で今回の人生では何者かになろうとするやり直しの物語であるようなものも少なからず存在していますし、いまだ累計ランキングのトップに君臨し続けている無職転生は実際そういう話です。主人公は徐々に万能性を失っていき、最後にはその地位は別としても普通の人の親として描かれるようになります。
あるいは、たとえばRe:ゼロなんかもまた万能ではない、どちらかというと無力な主人公を描いた話だと思っています。
実のところ、典型的なろう作品というのは数としてはとても多く存在しているけれども、各々の作品が長きにわたって支持され続けるということはあまりないのではないかという気がしています。

転生ものと転移ものもだいぶ趣が異なるよなあということを思います。

転生ものはたとえばやり直しの物語であり、後悔を乗り越える物語だと思っています。前述の無職転生や、たとえば最果てのパラディンなんかはそういう作品で、単に転生して都合のいい立場になって異世界生活を謳歌するというわけではありません。

転移ものは現状のまま異世界に行くのでやり直しではなくそもそも始まってないよね、つまり停滞からの脱却の物語になります。そうでない作品もたくさんありますけど、異世界で何らかの役割を担うことになる作品というのはそうです。このときに万能な存在になって無双する作品はたくさんありますけど、万能でない存在になってそれなりに苦しんだり悩んだりする作品も少なからず存在していて、そういう作品がランキングにないかというと相当数あります。 前述のRe:ゼロもそうですし、たとえばログホラや盾の勇者なんかも転移したことによって万能性を得たとはいいがたい作品だと思います。


それはそうといわゆる典型的なろう作品の面白さはゲームのプレイ動画を見てるようなものだと感じています。トリッキーなテクニックを使ってゲームの進行を飛躍させるときの面白さに似ています。あんまり主人公に感情移入して読んでる感じはありません。俺もこうだったらいいのになあみたいな素朴な気持ちを主として読んでる人ばかりではないように思っています。