異世界の食事の話

を書きたくて、まぼ食は異世界であることを表現するために転生ものの体裁を取ったんだけど、向こうの世界の常識を主人公に身に着けさせるために主人公を現地人と現代日本人のハイブリッドにするという方法でやった。それ自体は悪くない試みだったんだけど、そもそも転生ものじゃないほうがテーマを描きやすいな?ということに最近気づいた。

止まってるのはテーマを描きにくいからではなくて、テーマを描こうとしていたのに別の方向に舵を切ってしまって収拾がつかなくなってるからで、これは書いていた時期にコンテストがあり、コンテストに合わせようとしたせいでもあるので、そういうことを度外視して、最初に書こうとしていたものを貫徹しないとこうなる、という感じ。

けっきょくコンテストにはどうやっても間に合わないことに気付いたから、コンテストに出すことも断念したし、いいところがない。

それはさておいて、ちゃんと続けていたらとりあえず一章くらいは書ききれただろうなとは思っているんだけど、その先を目指してちゃんと書けたかというと、ちょっと難しかったかもしれないなということを思う。描こうとしていたテーマが実は複数あったんだけどこれもよくない、というか描きたいことを絞って書こうと思って食事をテーマにしたはずなのに、そこを貫徹できていない。これもよくなかった。

なので、そのへんを見直した上で、あらためてやっていこうということを思っていて、そのためには、実は転生者よりも現地人目線のほうが、ちゃんとその世界のことを書けるんちゃう?という感じに、最近なってきた。

孤独のグルメは、日本人が日本の飯屋でひとりめしを食う、それだけのことで、ちゃんと面白い。まあ取り扱うめしはけっこう多国籍に渡ってはいるんだけど、それも含めて日本だと思う。

そう、そういうことなのだ。異世界にだって異世界なりの多国籍がある。それを異世界に転生した現代日本人目線でやるとなると、ぜんぶ「その世界に存在しない」日本食との比較対象になってしまう。そうじゃなくて、すべて対等に並行して存在する異世界のめしを、描きたい。

と思ったので、異世界の人間が、その世界のめしについてなんやかんやする話を、たぶん書くと思います。

こちらからは以上です。