名前の作り方の本文に書かなかった話~その1~

この名前の作り方をするようになったのは自分の作品では実はまぼろし国の食卓よりからのことで、それ以前はこのようには作っていませんでした。既存の名前の語呂をいじったりということはしていたものの、基本的には既存の語彙をそのまま使うことが多かった。

まぼろし国の食卓よりという作品では、おおよその登場人物だったり舞台だったりの名前はおおむね架空の名前になるようにしています。これ別に物語の面白さにどうこうみたいな話ではぜんぜんないので書くかどうか迷ったんですが、名前の作り方の話をするときに作例として紹介するのは別にいいんじゃない?ということも思ったのと、作中でも名前の由来とか話に上がったりすることはまずないことなので、これを書いて今後の展開がどうこうということもないので、じゃあ書くか、という感じです。予防線おわり。

イスランド王国

これはなんだっけ。多分ブルターニュの伝説上の都市イースだったと思います。イースの地でイスランドです。こういう短い言葉は素直にそのまま使います。

トーマ

これ別になんか意味がある名前とかではぜんぜんなかった気がするんだけど、この名前がぜんぜん決まらなくてずっと「主人公」みたいな名前でプロット書いてた。最終的に神立地のトールと似た名前だしこれでいいじゃんくらいの軽い感じで決めました。

トゥレーディ族

語源不詳。たぶんケルトの氏族かなにかに由来するんじゃないかと思うんだけどメモに残っていないのでわからない。ちゃんとメモを残しておかないからそうなる。

リルエット・リサンバー・オート・レシャー

短縮形(hypocoristic といいます)がリリーになるような名前ということが最初に決まっていて、イニシャルを全部 L 揃えにすることがそのあとで決まって、後は流れで。 フランス語で「ひばり」をアルエット(alouette)というのですが、このアルエットの -ette の部分が feminine form ぽかったのでアじゃなくてリにしたら可愛くない? 可愛い!ってなったのでリルエットです。 リサンバーはノーサンブリアから、レシャーは -shire つけたら領地名になるでしょうくらいで決めました。子音+母音+地名接辞、これだけで地名になる。 オートっていうのはフォン(von)とかデ(de)みたいなものです。何かっていうとこれは of the を短縮して o't です。でも地名に the つけるのはよく考えると妙な気はするけど、でっちあげられた架空の前置詞オートがあの世界でどういう語源なのかとかはよくわからないことにしてしまえば OK なので OK です。

スティバート

確か Stewart の Ste- と Albert の -bert です。

ランスワード、レイフリック、ルドリック

ランスワードは Lancelot の Lance- と Edward の -ward、レイフリックは Leifr の Leif- と Eric の -ric、ルドリックは Ludwig の Lud- と Eric の -ric だったと思います。ここもみんな頭文字 L で揃えています。

フィオーリ

この人だけ架空じゃない人名になってる。 確かイスランドの人ではないのでイスランドではない言葉になっている。でもなんでイタリア語にしたのかはまったく覚えてない。故人なので適当でいいやってやったんだろうと思う。 舞台設定を踏まえるならフランス語かブルトン語にするべきだったし、ちゃんと架空の名前になるようにするべきだった。まあでも重要な名前ではないので別に今からでも変えられるので隙を見て直すかもしれない。

イズ人

なんで濁るんだっけと思ったら Ithe だと書いてある。イスランドは Ithland だったのか。でもまあ Island だと島になってしまうからしょうがない。ああいやそうだった、Island だと島になってしまうから th にしたんだった。イスだとクトゥルフの Yith とかぶってしまうので、Ithe にして濁らせたんだと思う。たぶん。

ノルサント王国

特につづりとか用意してある気配がないけど確かフランスのノルマンディー地方がモデルだったと思うし、意味もノールの聖人とかそういう感じのを意識したんじゃないかなーという気がする。

クーシェル、ナーサラ

クーシェルは Cook + Michelle でナーサラは Nurse + Sarah だったと思います。スティバートが Stewart なんで、役職から名前にすればいいやっていう安易な命名

バニッジ

バン(bun: 丸パン。バーガーバンズの「バン」はこれ)に -age をつけたもの。「バンのようななにか」という感じの造語。 スコットランドのバノック(bannock)をもじった名前でもある。

カウェル

キャベツの古語。

レスブルック市

Lesbrooke であって Lesburgh ではない。レス川のほとりの街ということ。

ワイルド・マージ、セボラム、マーセンス

マージはマジョラムとセージのかばん語、セボラムはセボリーとタイムのかばん語、マーセンスは多分ローズマリーが元ネタで、マリン・エッセンスが縮まったものだったと思います(マーセンスのマーはマーメイドのマー)。

アムリーン

Amanda の Am- と Eilean の -lean です。

ロングストン市、ルーブラ市

市というか村ですけど。 ロングストンは Longstone、そのまんま「長い石」でつまり城壁のこと。ルーブラは Luborough でルーの砦。ルーに特に意味はありません。ここも全部 L にしてある。

小銀貨(リット)、朧銀貨(ダラー)

小さな光(lit)だからリット、朧(dull)だからダラー。

ジナベル、リンジャー

この作品しれっと架空の食べ物が出てくるな……。どっちも ginger をいじった造語だったはず。

イオノー

どこにも由来のメモが残っていないので謎。ちゃんとメモを残しておかないからそうなる。

ゴダーン大公国、テーミスマーニャ大学、アリア・アルマ市

これは現在公開分にはもう残ってないんですが公開当初はこういう地名が出てきた回があります。ゴダーンはたぶんオーディンテーミスマーニャは偉大なるテミス(Themis Magna)、アリア・アルマは語感と語呂だけだったと思います。 イスランドの外なのでイスランドの外らしい言語になるようにしています。

カルナート騎士修道会、クルシュトゥラ教、サフルナーサ教皇

クルシュトゥラがツァラトゥストラとなんかを混ぜたということだけ覚えていて後はもう何もわからない。ちゃんとメモを残しておかないからそうなる。 イスランドの外なのでイスランドの外らしい言語になるようにしています。