Dawn of Man 感想

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見た目は Banished の原始時代版という感じのシミュレーションゲーム。野生動物や襲撃者が襲ってくるので、プレイフィールとしては Rim World のほうが近い。特筆すべき点は技術ツリーが先史文明、それも更新世の後期からはじまる点で、旧石器の文明と、ケブカサイ、ホラアナライオン、ギガンテウスオオツノジカ、それからマンモスといった太古の動物が共存する環境を体験できる。マンモスを狩って肉、毛皮を得る狩猟採集生活からはじまるのだ。技術をアンロックして時代が進むと、これらの動物はやがて絶滅する。

難易度ノーマルでは、敵の技術レベルはプレイヤーと同じになっているので、のんびり発展させていくことができる。序盤は技術の発展も遅く、何の驚異もないとちょっと退屈かもしれないが、このゲームではほどほどに野生動物や襲撃者がやってくるし、ほどほどに犠牲者も出る。犠牲者が出てもすぐあたらしい入植者が来るので、それほどの緊張感はないが、張り合いがないというほどでもない。高難易度だとどうなのかはまだプレイしていないのでわからないんだけど、敵がどんどん技術を発展させていくらしいので、そっちのほうがやりごたえがあるかもしれない。

技術は、累積の建築数、資源獲得数、狩猟数などで知識ポイントが貯まって、このポイントを支払って技術を獲得していく。が、知識ポイントの貯まりは序盤は特に遅く、ちょっとテンポが悪いように感じる。逆に時代が進むと一気に知識ポイントが貯まっていくし必要な技術の数も多くないので急激に時代が進んでいく。まあこのゲームの肝は石器時代までにあるような気はするので、銅器を作れるようになってから鉄器まではこれくらいのスピード感でもいいのかもしれない。

時代が進むと前述の通り太古の動物たちは姿を消すし、ゲーム開始時の牧歌的な雰囲気は薄れてしまうので、ちょっと物寂しい感じがするが、それも人類史という感じで、そういう体験ができる貴重なゲームだと思う。

不満はいくつかあり、動物を飼いならそうにもオスとメスの幼体が揃って見つからないことがけっこうあり、とりあえず一方だけ捕まえてきても、次の年にもう片方の幼体を捕まえたところで、繁殖タイミングを逃しがち。成体の期間が短すぎることない?という感じなんだけど、長かったら長いで今度は繁殖しすぎて家畜数が爆発する可能性があるので、しょうがないかもしれない。あと今いる家畜の性別を把握しにくいのもなんとかしてほしい。ある程度増えると関係なくなるんだけど。

また、狩猟や巨石採掘などで遠征するときに保存食も水も持たずに出かけるのは何なの、というのがある。遠出してる間なんも食べないし何も飲まないので飢えや乾きで死ぬ。遠出するなということなのはわからないでもないんだけど、集落の付近に都合よく動物が集まってきてもそれはおかしいし、狩りのために遠征するほうが自然だし、このへん、資源管理とうまく両立できてほしい。

襲撃者はアホなので見張り台があったら途中に建物があっても無視してそっちを壊しに行く。お前らはなんなんだ。人間は死んでも替えがきくけど、貴重な資源を費やして建てた建物が壊されるとリカバリーに苦労する。だからこそ建物を守るために工夫しがいが出てくると思うんだけど、現状だと建物ノーガードで人の壁でもよかったりはする。高難易度だと追加の入植者があんまり来なかったりするのかもしれないから、高難度やってからこのへん見極めたいところ。

マップは広いんだけど、この広さを活かせるゲームではないような……最初に定住地ありかなしか選べるんだけど、定住地なしでスタートした場合でも、どこに入植するか決めるだけで、さっき書いたとおり遠征しないほうがいいゲームという感じになってしまっているので、マップに対してこじんまりした遊びになりがち。もうちょっと広々遊べるといいなあと思う。

公式では日本語化されていなくて、ワークショップの日本語化を導入すると日本語にできる……が、ワークショップの日本語化はやや訳がぎこちなく、また、ゲームプレイの言語依存度はそもそもぜんぜん高くないので、英語のままプレイしたほうがわかりやすいかもしれない。

価格は2600円くらい。プレイボリュームはしっかりあるので、値段分はゆうに遊べる。この手のゲームが好きな人にはオススメ。