広告に踊らされている

DLsiteにはがるまにという女性向けの売り場があり、ここには乙女向け/TLとBLのふたつのカテゴリがある。乙女向けとBLはまあなんとなく理解してもらえると思うしTLも分かる人は分かると思うのだが、わからない人向けにTLとはなんぞやというのを説明する。TLというのはティーンズラブの略で、ティーンの女の子向けの恋愛マンガ……かつ、ちょっとえっちまたは完全にえっちな描写のあるものを指す。このへんは専門的に読んでいるわけではないのでわからないところもあるが、世の中に少女漫画とえっちありの少女漫画というものがあるとしたら、TLというのはえっちありの少女漫画と成年コミックの間、というあたりのジャンルになる。だいたいあってるんじゃないかと思う。

ちょっと面倒なのだが、成年コミックにカテゴライズされる作品でもTL寄りのものはある。女性作家が描く成年コミックとTL同人誌を並べたときに、その間に線を引くのはたぶん極めてむずかしい。女性作家が自身の作家性で描いて結果的に男性向けと同傾向の作品になっていることがあるかもしれないし、男性向けにチューニングされた作品が出ていることもあろうと思うし、逆に自身の作家性で描いて男性作家とは違う雰囲気の作品が男性向けの中に混じっていることも往々にしてある、ぼく自身そういう作品の独特な雰囲気がけっこう好きで、そういう作品も好んで読むのだが、最近気付いたのは、そういう雰囲気の作品は実はTL売り場にいくとある。

教えてくれたのは広告だった。

というわけで広告にホイホイされた作品でよかったやつをピックアップしていく。

  • 放課後スケッチ

同級生にこっそり絵のモデルにされていた女の子が最初はぐいぐい押していくんだけど同級生の男の子に逆転されちゃう話。

  • 燕嵐閨中顧話

中華風の世界が舞台の政略結婚だと思ったら実は幼馴染だった話。ヒロインがヒーローにとろとろに蕩けさせられるのがよかったです。

  • dog eat dog era~竜人族奴隷の双子と催眠交尾~

異世界転生したお姉さんが身寄りのない竜人の子供を奴隷という名目で実質的に養っていたが、竜人の男の子は成長するにつれ、隠し事をされている不信感から、その秘密を暴こうとして主人のお姉さんに催眠魔法をかけてめちゃくちゃにしてしまう話。
これは本当にそこかしこで広告を見る(これはわたしがターゲティングの対象にされてるだけなのかもしれないが)、売上も上位にいるので知ってる人もいるかもしれない。

という感じで三作品並べてみたんだけど、男性向けはヒロインを見るのが目的であることが多いので当然ヒロインにフォーカスの当たった描写が多く、男性はヒロインの綺麗さを際立たせるために汚いおっさんを用意するか逆に無味にするかみたいなのが多いんだけど、女性向けはヒーローとヒロイン両方を描いているなという感じ、もっと作品たくさん読むと違ってくるのかもと思うものの、ヒロインが魅力的に描かれていれば男性でもヒロインの魅力を感じられるよね、と思った。最初にえっちありの少女漫画と成年コミックの間ということを書いたものの、三つ目の竜人のやつなんかを見るにTLというジャンルの幅の広さを感じる*1

男性向けは男性向けで好きなんだけど、毎日ハンバーガーを食べたいわけではなくたまには別のものも食べたいな~と思うように、男性向けにない雰囲気の作品を味わいたいと思うことがあり、たとえば成人向けの乙女ゲームなんかもたまにプレイしたりしているんだけど、普段できない体験があるのでよいし、がるまに……ありがとう……という気持ちがある。がるまにはがるまにという売り場だからこそこういうのが成立していると思うので、生態系を乱さないようには心がけたい。資本主義は簡単に生態系を破壊するということは留意しておきたい。

こちらからは以上です。

*1:カテゴリ上TLになっているだけで全然TLではなかったりしたら教えてほしい