Switch版ダビスタプレイしてる

不満はありつつも、ここまでテンポの悪いゲームだとセーブリセットロードしてもいいかという気持ちになり、初年度、手持ちに現役馬がいない状態なのを活かして馬券で荒稼ぎすることにした。GI以外は知らない馬がよくわからん勝ち方することが多い印象があるのでGIに絞ってGIで適当に人気してて知ってる馬に持ち金賭けられるだけ賭けて負けたらリセットしてやり直し、ということをやってひとまず運営資金を数億円貯め、2年目によさそうな繁殖牝馬を買い、よさそうな2歳馬を買う、というプレイをはじめた。

実のところ初期繁殖牝馬はそこまで悪い馬ではなく、最初の種付けで種付料が高くて優秀な馬でBOOKFULLになってない馬を見繕ってつけてやるとオープン馬くらいにはなってくれると思っている。

気になるのはオープン馬を繁殖入りさせても初期繁殖牝馬ほどの仔を出してくれない気がするっていうところで、初回プレイはどんどん産駒がしょぼくなるので諦めるということをした。

ウイポの感覚が抜けてなくてセリでまともな馬なんか買えないという思い込みがあったんだけどこれはダビスタなのでセリにちゃんとした馬がいるしちゃんとした馬を買えればちゃんと稼いでくれる。問題はちゃんとした馬かどうかを見分ける術がないということだ。「~のクロスですね」とかいうコメントは血統表見ればわかるんだよ! 別にウイポみたいにパラメータが見えなくてもいいからせめて評判の印かコメントくらいほしいというか、まあウイポも買うときには別にパラメータが見えるわけではないんだけど、ウイポの場合買って時間進めればパラメータ見えるようになるので実質見えるようなものではあり、そのへんがダビスタと違うところであり、ダビスタではパラメータが見えないことがダビスタらしいところなので見えないのは別にそれでいい。それでいいんだけどせめてなんかないんか、というのはある。

今のプレイでは2歳セリでブラックタイド産駒で面白い配合の牝馬がいたのでそれを買って走らせている。晩成型っぽく成長が遅かったりはしたが、なんとか勝ってくれるようになり、オープン馬にはなれるだろう、という感じになっている。

オープン馬くらいまではまあいけるとして、これでGI勝てる馬を作れるイメージがまったくわかない。それだけにGI勝ったときの喜びもひとしお……というやつだとは思うんだけど、なんか初回プレイ時に10年やっても重賞さえ手が届かないというか、重賞っていったってGI馬が出てこないわけではないのでGI馬が出てくれば普通に負けるんだよな。空き巣しようにも各馬の次走スケジュールが管理されているようなゲームではないので、このへんで納得感が薄い。まあ未勝利でも条件戦でも重賞クラスの馬が普通に出てきて負けることはしばしばあり、運が悪かったと思うしかないわけだが、現実がそうなっているのでわあリアルって感じだ。

ゲームなのでゲームらしい気持ちよさがほしいんだけど、そのへんちょっと現実によせすぎて気持ちよさが損なわれてる気はしていて、現実によせても手心は加えようがあり、プレイヤーにバレないように気持ちよく嘘をついて騙してほしいというのが個人的な希望なんだけど、そういうのはダビスタではない、と言われるとそうなのかもしれん。

まあ今のデータで引き続き進めていったら気持ちよく遊べるところまでいけるのかもしれん。もうちょっと頑張ってみるかとは思っている。まあ面白くはあるんだよな……。

Switch版ダビスタ買った

面白くはあるんだけど不満も多いなという印象。

ちょいちょいロードが挟まるしそのロードも結構長いのでテンポはよくない。これならウイポ9のほうがテンポいいんじゃない?

調教は別にテンポ悪くない。ただ全馬調教してるとさすがに時間がかかるのでおまかせでいいんじゃないという気がする。

ダビスタは配合が面白いゲームだと思うんだけど、配合が楽しくなるまでにテンポの悪さでダレそうになる。

初期馬の仔でも割とやれて、オープンくらいまではいける。重賞はキツいかな。

ゲームバランスは割とよさそうな気はするんだけど前が壁になって抜け出せなくて勝てないみたいなリアルな負け方がゲームとしてどれくらいアリなのかというところがある。落鉄とかね。リアルの競馬はそれくらい不条理なもんだけど、ゲームだと必ずしもリアルであるべきかどうかという。まあ強い馬だったらそんなの関係なく勝てるようになってる気はするし、こんなもんでいいのかもなーということも思いつつも、たとえば騎手の適正も特に見えないし、手がかりもないし、なんか納得感がほしいよなと思うところはある。

実況はまあ可もなく不可もなくというか、ウイポよりいいなと思うところはありつつも、実況のせいでレースのテンポ悪くなってる(スタートまで待たされる)ところがあるのはどうなのというのがある。ウイポはいきなり4角からゴールまでの結果だけ見れるダイジェスト機能があってそのおかげでサクサク進められるんだけど、ダビスタいまのところレース飛ばすのすごいダルい。なんとかならんか。ウイポのダイジェスト相当の機能がほしい。そもそもレースのロードが数秒~十数秒ある。当週のレース登録確認も初回は数秒待たされるし、とにかくロード待ちでテンポが悪いせいでプレイフィールを損ねてる。

あと、調教師が持ってくるレース、芝でちゃんと好走できてるレースとぜんぜん違うレースに登録して結果凡走して「この距離は長かったみたいですね」とか「ダートは向いてないみたいですね」みたいなこと言ってくるのお前なんなのってなるんですけど、このへんもうちょっと賢くやってほしいよなーというのもある。事前にダート向き不向きわかりたいとかもあるし……。

ゲームバランス的にはいいんだけど、なんか納得感のないところがちょいちょいあるんだよな。運が悪かったとかじゃなくてAIがアホで負けたみたいに見えてしまうのが結構気になってしまう。

レースの映像は結構よく出来てる。馬の挙動もなかなかいいし、芝が荒れたりという変化もあったりする。内の芝が荒れてるから外回してみたいなのが特に支持できないし、どういう騎手に任せたらそのへんうまくやってくれるのかみたいなのもわからんから、結局「芝が荒れてたから負けました」みたいな結果運ゲーだったじゃんみたいな感じは出てしまうんだけど、それはともかくそのへんの作り込みはウイポよりも細かい。

ダビスタは母系という概念がなく、名牝の仔が走る、というだけに過ぎないようになっているっぽい。母の情報はあるけど二代母とか三代母まではわからない。それはそういう簡略化をすることでサクサク遊べるようにということだと思ってるんだけど、いまのところテンポが悪くて要素削ぎ落としてる割には、軽めに遊べる感じじゃないなあという。

ライバル競走馬はレースごとにランダムで選出されてるっぽく、同一年に条件戦を勝ち上がったはずの馬が次走の同条件のレースにまた出てきたりする。さすがにそれはなんなのという感じ。裏でちゃんと世代ごとの競走馬テーブル作って回してほしいなあと思うし、登録馬の量的にそれくらいはできたんじゃないの、という気持ちが強い。

ウイポはそのへんの情報量の多さにも関わらず、いまのところダビスタのほうがテンポ悪いよなという感じになっている。ウイポがいいかというとそれもうーんという感じなんだけど、たとえばウイポ9 2021で2001年スタートとか2011年スタートとか追加されたら、じゃあ2001年スタートとか2011年スタートでやるか、となるくらいには、個人的にはウイポのほうがいいかなあ、となっている。なんなら難易度も選べるし。

もうちょっと遊んではみるものの、いまのところ自家生産だけでうまくやっていくのはなかなかしんどそうで、そうなるとこれ史実でめちゃ強い馬が出てくるレースで馬券買いまくって繁殖牝馬を揃えるみたいな遊びするゲームになっちゃわないか、という感じに。強い繁殖牝馬をいかにして揃えるか、みたいなの結構きついよなーという。

ウイポは史実馬買ったら金策困らないとかそういうのがあるせいで金をやりくりするゲームっぽさは全然ないんだけど、ダビスタにはある。そのへんはダビスタの方がゲーム的にちゃんと面白い。

まあちょっとロードだけなんとかしてくれれば……という感じなんだけどな。ウイポスレよりもぜんぜん荒れてなくて、ウイポスレの治安わりーよな、と思った。まあ確かに無印9の出来はよくはなかったけど、アップデートされた無印9とアップデートされてない今作ダビスタだったら個人的にはどっこいどっこいなんだよな。

今後のアップデートで名誉を挽回してほしい。

日清 All-in noodles 試しに食べてみた

www.allinseries.jp

公式サイトのアウトレットセールで訳あり品が安くなってたので。買ったのはカップのほうではなくて麺のみのやつ。

結論から言うと、味はかなり人を選ぶ。
個人的には毎日食べるのは無理ではないけど、毎食はしんどいなというレベル。ただ、これを毎食食べても一日の栄養を完全に満たすものではないので、一日一食これにする、と考えるとまあ悪くない選択肢だなという感じ。現実的には2ヶ月で30食とって2日に1回食べるくらいがよいのではないかと思う。

インターネッツでは「まずい」とか「完全栄養食の中ではマシなほう」とか、主観的な指標ばかりが見られ、具体的にどういう味がするのかという話があんまりない。具体的な味の表現のない「まずい」はまず信頼しない。それは自身の味覚を把握できてないだけなので。

で、食べてみた。
まずはシンプルに醤油ラーメンのスープを軽く和えるのを試したんだけど、量が多かったのかめちゃくちゃ塩くどくなってしまった。自分では大した量を入れたつもりではなかったんだけど。 食感は悪くはない。インスタントラーメンの中ではノンフライでこういうタイプの麺あるよねくらいのところで、まるで生麺系には劣るけど、フライ麺よりは麺感がある。まあフライ麺はフライ麺でいいんだけど。 麺は小麦の甘みを感じるということもなく、なんか雑味がするなあというのがわかるんだけど、醤油ラーメンのスープでかなりマスクされてしまってよくわからなかった。

次にシンプルにおろしにんにくとかつおぶしと醤油であえて食べるのを試す。醤油は数滴だったんだけどそれでもかなりしっかり味を感じられて、まあこれでいいんじゃないかという感じだった。噛んだときにかつおぶしの旨みのせいなのかなんなのか妙な酸味がたまにくるほか、若干苦味を感じる。

惣菜の麻婆豆腐でマーボーまぜそばにしてみる。
ん! これは明確にダメですね。食べられないことはないんだけど、麺の味の正体も完全にはっきりした。
ケミカルな苦味とえぐみ。知ってる味で近いのは煎じ薬……かなあ。
ともかくこれが世でまずいといわれてる味の正体なんじゃないかという気がする。 麻婆豆腐の味噌の甘みが苦味を際立たせていて、これがよくないということがわかる。くそー麻婆豆腐絶対いけると思ったんだけどなー。ひき肉は悪くない選択肢で、たぶんキーマカレーとか台湾まぜそば風とかはあうんじゃないかと思う。今度キーマカレーを試してみる。

一口に苦いと言っても、たとえばカフェインの苦さは適量ならうまいと感じるし、ホップの苦さは塩気の効いた油ものとの相性がいい。適度に苦いものはコクを生むし、味にアクセントをつけるのにも役立つ。
が、この苦さはダメ。とにかく苦いゴーヤーでさえ味のアクセントとして活かせるのに、こういう調和しえない苦さは調理の工夫でどうにかなるものではないので厳しい。
この苦味が何由来なのかははっきりとはわからないんだけど、口に残る感じからはおそらくナイアシンではないかと思われる。これはまあでもしょうがないかな、とも思う。
幸い他の味である程度はマスクできるっぽいし、もしかすると他の苦味成分を加えるとそっちの苦味が優先されるみたいなことがあるかもしれない。日清さんがんばって味改善してください。

調理の手間

袋麺なので自分で味付けが必要になるものの、チューブ入りのおろしにんにく、卵、刻み海苔、かつおぶし、醤油を混ぜるだけ、みたいなことをしても、麺自体に栄養があるのでこれで一食軽く済ませてしまう、というのは悪くない。その場合、調理にかかる時間は10分程度で、レトルトカレーとそんなに変わらない。まあ時間がなくてもこれくらいはやるかというくらいに収まっていると思う。

コストパフォーマンス

具を足しても一食600円くらいと考えると、まあコンビニで弁当買うのと変わらないし、それならコンビニ弁当よりは栄養バランスが優れている。コンビニ弁当は「コンビニごはんだなあ」という感じなので、All-in noodlesのほうが食感はコンビニ弁当のおおよそのラーメンよりはちゃんと麺だし、麺のえぐみや苦味が気にならないように味付けすればこれでも別にいいかという気持ちにはなる。えぐみ、苦味は完全には消せないので妥協は必要。

栄養バランス

取りにくい栄養素をカバーするにはおおむねよいと思う。取りやすい脂質などはほっといてもオーバー気味なので、脂質が抑えめなのは助かる。
たんぱく質がそこそこあり、糖質は抑えめなので、一食これにするだけでわりとしっかり糖質をセーブできる。それでいていわゆる低糖質麺よりしっかり麺感があるので、麺の食感やテクスチャーを味わいたいならこっちのほうがいいのではないかと思う。えぐみが気にならなければ、だけど。個人的には味付け次第では無視できるレベルなので問題ない。
あと、サプリに比べるとちゃんと飯食ってるという感じがあるし飯のついでにサプリみたいなのがズボラだと忘れがちな人間にはこっちのほうが向いてる感じがする。

まとめ

コスパは悪くないし楽に栄養取れるしサプリより食事感がある。
世に言われている「まずい」は本当。後に残る苦味があって、これが気になる人はまずくて食べられないという評価になると思う。個人的には食べられないほどではないし、気にならない人なら毎日一食食べるくらいはできると思う。
2ヶ月に一回30食の定期コースくらいがちょうどいいんちゃうかなという感じ。

こちらからは以上です。

なろう読書強化週間

週間ではないんだけどなろうの大長編をいくつか読んだりした。

【一行で分かるあらすじ】
才能はあるけどコミュ障なポンコツ魔女が、正体を隠して王子様の護衛をする話。

【まじめなあらすじ】
天才魔術師モニカ・エヴァレットは人見知りで、人前で喋るのが大の苦手。
そこで彼女は猛努力の末に、詠唱をせずとも使える無詠唱魔術を習得。〈沈黙の魔女〉として、弱冠十五歳で七賢人に選ばれた後は、森の中で静かに暮らしていた。

それから二年が経ったある日、モニカに一つの命令が下される。
その命令とは、学園に通う第二王子を、本人には気づかれぬよう秘密裏に護衛してほしい、というもの。
かくしてモニカは王子の護衛をするために、貴族の子女が通う煌びやかな学園へ潜入するのだった。

「いやだよぅ、怖いよぅ……うっ、うっ……胃がキリキリするぅ……」

と泣きべそをかきつつ。

完結済み。約100万字。
あらすじでピンと来た人は是非読んでほしい。コミカルとシリアスのメリハリがよく、テンポよく話が進む。読後の満足感に対して総文字数が100万字切ってるのでコストパフォーマンスがいい。キャラが魅力的、七賢人は主人公のモニカをはじめ、変じ……一癖も二癖もある個性派揃い。
とにかくモニカが可愛くてかっこいいし可愛い。
人と接することに不慣れな主人公が成長する話であり、主人公が登場人物たちが抱える問題を解決し、心を解きほぐしていく話であり、王子の護衛にあたって降りかかる事件を通じて真相に迫っていく謎解きものであり……という王道の話なのでおおよそいろんな人におすすめできる。これが100万字切ってるんですよ。

世に100の神ゲーあれば、世に1000のクソゲーが存在する。
バグ、エラー、テクスチャ崩壊、矛盾シナリオ………大衆に忌避と後悔を刻み込むゲームというカテゴリにおける影。
そんなクソゲーをこよなく愛する少年が、ちょっとしたきっかけから大衆が認めた神ゲーに挑む。
それによって少年を中心にゲームも、リアルも変化し始める。だが少年は今日も神ゲーのスペックに恐れおののく。
「凄い! 慣性と重力が常識的だ!!!」

連載中。この記事の時点で約250万字。
主人公がクソゲーハンターというだけあって作中には相当数のクソゲーが登場するしそれがストーリーにも結構影響するんだけど、クソゲーに関する描写はなかなかにフェアで「こういうクソゲーあるよね」というクソゲーあるあるを愛をもって描写している。クソゲーを「クソ」と唾棄しない品のよさが芯にある。この点でかなり個人的に好印象。VRMMOものなんだけど閉じ込められでもゲーム風世界に転移でもなくて、あくまでゲームの話なんだけど、それってつまりわざわざゲーム風異世界を攻略する話にしなくても、ふつうにゲームを攻略する話でいいじゃんというか、それゆえに地に足がついていた感じがしてよかった。

ライブダンジョンという古いMMORPG。サービスが終了する前に五台のノートPCを駆使してクリアした京谷努は異世界へ誘われる。そして異世界でのダンジョン攻略をライブ中継で見た努は絶句した。戦略のせの字も無いゴリ押し。不遇のヒーラー職。ゲームでは白魔道士を愛用していた努は白魔道士復権と、異世界脱出の鍵を求めダンジョン制覇を目指す。

なろうでは完結済み。なろうの掲載分までで約190万字。作者サイトで後日談を連載中。
上で「ゲームを攻略する話、別に転移しなくてもいい説」みたいなこと書きつつも、転移する話はそれはそれでいいというか、転移・閉じ込められは「攻略」に徹することができないところがいいところではあるので、純粋に攻略の話をやるんじゃなくて、異世界で異物として生きていく話を書くならやっぱり転移のほうがいいんだろうなという。読み味としてはゲーム攻略もので、どうやってボスを倒すのかというところの描写は読み応え充分。
なろう連載分は攻略部分は一段落しているのでここで完結といっていいといえばいいんだけど、異世界で生きていくことを決意するのは後日談からの話なので後日談まで含めてはじめて完全、という感じがするので、完結してるなら読んでみようかなという人は留意が必要。

現代世界をモチーフにした乙女ゲームの悪役令嬢に転生。けど、現代世界だからこそ悪役令嬢のスローライフにはいろいろと苦労があって、NAISEIするにも日本近代史と現代経済史とグローバル経済が主人公に襲いかかる。 頑張れ悪役令嬢!負けるな悪役令嬢!!ちょっと太平洋戦争に負けたり、バブルが崩壊したり、フィナンシャルクライシスが襲いかかるけど、ちゃんとスローライフを送るために主人公とイケメンを放置して歴史改ざんとマネーウォーズに身を投じる悪役令嬢桂華院瑠奈の奮闘記。

連載中。この記事の時点で約100万字。
乙女ゲーム転生の皮を被った架空戦記。90年代から2008年のリーマンショックに至るまでの一連の「金融戦争」を題材にした話なので戦記でいいし、現代に貴族がいて樺太が日本領になっててという並行世界物なので架空戦記ですね間違いない。そのあたりの設定はよく作り込まれていて架空戦記が好きな人は読んでほしいけど悪役令嬢ものだと思って読むと思てたんと違うってなると思う。プロローグ以降ヒロインまだ登場してすらいないし。
それはそれとして平成の金融史を追体験するドラマとしてよく出来ていて、山一証券が、北海道拓殖銀行が、ハドソンが救われる世界がそこにはあります(ハドソンはついでに救われただけっぽいが)。

連載中。この記事の時点で約140万字。
悪役令嬢が処刑されて数年前に転生して……というやり直しもの。ポンコツな姫を周囲の有能な人材が妄想で忖度してあれよこれよという間に事件が解決していく……という最近だとちょっとめずらしいスタイルの話。
ともすればご都合主義的とみなされかねないわけだけど、コメディならアンジャッシュよろしくディスコミュニケーションが物語を転がすのは真っ当に成立するんだよな。本作はコメディでありながら政治劇としてもしっかり成立しているし、なんなら姫はポンコツでも民のための政治を(断頭台回避したいという自分ファーストが動機ではあるものの)目指していて為政者の資格があるし、ポンコツだからこそ憎めない魅力があるとも言える。
何より、何がどう転がって事件が解決してしまうのか、というところの巧みさがご都合主義っぽさを払拭してるよね、というところで、主人公を有能にして解決するのとは逆のアプローチでもちゃんと書ける人は書けるんだよなと思いました(感想文)。


数えたらトータルで800万字弱読んでて引く。これ以外に10万字くらいの作品を何本か読んでるので800万字以上は読んでるんだけどなろうだと文字数読んだ感を実感しないままにずるずる読み続けてめちゃくちゃ時間経ってたみたいなことままあり、ユーザーを滞在させる仕組みがあるプラットフォームなー!となりました。なろうって試し読みから有料版に誘導するの規約で禁止してて違反するとアカウントBANするまであるんですけど本当にそういうの不健全だと思うのでちゃんと作者に還元するか作者がやっていけるような体制を整えてほしいですね。頼むぞ。

道徳的に正しくあること

「いやー道徳的に悪いものは作品の中の表現であっても道徳的に悪いものであるとして描かれなきゃいけないみたいな世界になったらわたしはお籠り申し上げますけどね」

まあなのでストーカーがハッピーエンドを迎えてもいいし誘拐犯がハッピーエンドを迎えてもいいしパワハラ上司がハッピーエンドを迎えてもいいし実妹と近親相姦するのになんの葛藤もなくハッピーエンドを迎えてもいいしハーレムもので一人のヒロインを選ばなくてもいい、それがフィクションのいいところだと思ってるんですが、現実、特に自分の近い領域で、自分の価値観で道徳的に望ましくない表現がなされると、これに抵抗感を覚えるのは、感情の話なのでしょうがなくはある。

でも、それはあなたの感情であってわたしの感情ではない。あなたの感情を論拠にして、すべての人にとって望ましくないという話にすべきでない。

感情の話になるとそういう判断ができなくなるので、そういうときはSNSを見るのをやめたほうがいい。

世の中には身体的な性的魅力を特徴とするヒロインを登場させるだけで感情的になって理性的な話ができなくなる人もいて、それと同じ話だと思ってるんだけど、ぜんぜん違う、って言われてしまうんだよな。同じですよ。

こちらからは以上です。

「インプット」と、相対的な価値観

自分の好きなものは、自分が好きだと思うものをたくさん並べたときに可視化される。自分が好きだと思うものという概念はなんらか形を伴わないと並べることはむずかしく、気付くことさえできない。具象化するための器として、たとえば食べ物だったら料理だったり食材だったり、音楽なら楽曲だったり楽器だったり、小説や漫画なら作品や作者の個性によって、こういう分類のものが好きな傾向があるな、ということを自覚していく。無から自覚するのは極めて難しい。

価値観はそれ自体は内在するものだったり対的なものだったりというふうに考えがちだが、実際には外部のもので相対化しないと認識することは難しい。

インプットの目的はいろいろあると思うが、自身の価値観をあぶり出すためにはインプットが必要になってくる。漠然と好きなものと嫌いなものがある、とかですらなく、何が好きか嫌いかということさえわからないということがよくある。隠れた好みを発見した経験がある人も少なくないと思う。

いわゆるオタクは自分の好きなものごとについて早口になりがち、というやつがあるんだけど、これはオタクがインプットを平均よりも多く行っていることに少なからず関係していると考えている。インプットがたくさんある人間は、自分の好みについて自覚的になる。自分の好みを知る、という理由でインプットをすることは、なにかしらの作品作りに限られた話ではなく、日々すごしていく上でもたぶん重要だろうと思う。

感覚的なことは体験しないと言語化できないということもおおいにあり、ワニやカエルの肉の味を、たいてい鶏のような味と表現するのも、ふつうは鶏しか食べたことがないからで、日常的にワニを食べて鶏を食べない人間は、鶏を食べてワニのような味がする、と表現するかもしれない。

特に結論があるわけではないんだけどそういうことを考えたので忘れないうちに書き留めておく。

こちらからは以上です。

RPGのラスボスは弱くしろ

RPGといってもいろいろあるので難しいところだが、この国においてはRPGは「レベルを上げればクリアできるゲーム」という方針で発展してきたジャンルで、この方針のRPGについてはラスボスは弱くするべきである。

弱いというのは手応えがないということではなくて、勝てるようにしろということである。

初見殺しの是非などはとりあえず置いておく。ラスボス戦前でセーブができるなら初見殺しでもなんでもすればよい。

たとえばサガフロ2のラスボスは無準備ではクリアできないほど強いが、準備をすれば確殺できる程度の強さである。最終形態に至っては、充分にリソースを温存できていれば消化試合になる。

しかしそれでよい。

ラスボス戦というのは演出である。プレイヤーが強くなった。強いラスボスが最終形態に至ってかえって弱くなっていく。それでいいのである。後少しで勝てるとプレイヤーが思えることが重要である。逆に、俗に「発狂」と呼ばれるモードになるボスはそれはそれで味があるが、その場合であっても、もうこのラスボスには後がないんだ、とプレイヤーが思えるならば正しい演出である。

ラスボス戦になってはじめての要素を盛り込むことは基本的には避けるべきである。同じ要素を使って別のゲームに成立させることは許容されるが、異なる要素を盛り込んで別のゲームにするのはただの騙し討ちである。そういうのは難しいのではなく単に理不尽にすぎない。

ラスボス戦はゲームの集大成である。プレイヤーがこれまでに学習したことを発揮する最後の場面である。プレイヤーが学習したことを発揮し、それが正しければ、ラスボスにちゃんと効くべきである。

たとえば、ラスボスには弱点が設定されないことが多いが、妥当ではない。弱点は設定してよい。それまでに散々弱点をつくと有利である、ということをやってきたのに、ラスボス戦で「弱点禁止です」となるのでは、プレイヤーから「楽しみ」を取り上げるようなものである。

しかしながら、プレイヤーはこれまでに学習した「楽しみ」をラスボス戦でも味わいたいが、同じことを繰り返すだけでは「楽しみ」を低減させてしまう。飽きさせない工夫は必要になる。

弱点を固定しないのはひとつのアイデアである。状態によって異なる弱点を持つようにしたり、一度弱点をつかれたら弱点が他の属性に切り替わったりという方法で、プレイヤーの行動を画一化させないように工夫することはできる。

ラスボス戦でだけ有効な属性を用意するというアイデアを取り入れた作品もある。これは演出的にも面白い。ドラマティックに仕上がる。ラスボス以外には弱点にならないが、それでよい。ラスボス戦でだけ輝くほうが演出的に旨味がある。

結果的にプレイヤーが「ラスボスぬるかった」という感想を抱いてもそれは構わない。ラスボス戦でクリアできずに投げ出すよりはよほどいい。単に面倒なだけのラスボス戦をもうけてプレイヤーに敬遠されるよりも、プレイヤーが「ラスボスが弱くなるほどキャラクターを育てた実感」を得るほうが重要である。

ラストダンジョンも同様であり、エンカウント率を上げて敵をたくさん出したりするような難易度のエスカレーションをすべきではない。最後のアトラクションなので、とにかく楽しいギミックをたくさん配置し、隠し通路を発見させ隠しアイテムを発見させたくさんの報酬を与え、ラスボス戦のための充分な準備をさせる。一番気持ちのよいダンジョンにするべきである。

一番気持ちのよいダンジョンを踏破し、一番気持ちのよい戦闘をクリアしたら、エンディングが待っている。これでよい。難しい戦闘は必ずしも気持ちよくはない。気持ちよい戦闘は必ずしもプレイヤーにとって簡単なわけではない。適度に充実感があって気持ちよい戦闘というのは実現可能だ。そして、もし両立を実現できないのなら、割り切って気持ちよさに振るべきであろう。ゲームをプレイするのは気持ちよくなりたいからなのだから。

こちらからは以上です。