erakanon っていう Kanon の成人向け二次創作ゲームがあって、これのゲームエンジンが eramaker なんだけど、eramaker は erakanon っぽいゲームに限らずテキスト SLG を作るためのゲームエンジンとしてよくまとまってると思う。機能不足な感はあるんだけど、Emuera っていう C# 版の eramaker 互換エンジンは文法が拡張されてて自由度が上がってて、これ本当に eramaker なの?みたいなゲームも少なからずある。
テキスト SLG を作るのはプリミティブなゲームのルールを組み立てるいい練習になると思っていて、たとえばプリンセスメーカーみたいな育成 SLG のプロトタイピングをするなら、娘のグラフィックのことを考える前にまずはコマンドとパラメータから作るべきなんだけど、コマンドとパラメータを作るところからはじめられるゲームエンジンってそれ eramaker じゃんと思っている。
eramaker 出自が出自なのでおおっぴらにすることがはばかられるというか、eramaker コミュニティがおおっぴらにすることを望まない文化で、それはもっともなことだと思うのでそれでいいんだけど、それはそれとしても汎用的なテキスト SLG が作れるゲームエンジンはほしい。
DXRuby で野メイドっていうプロトタイプを作ったのはジェネリックなテキスト SLG のゲームエンジンがほしかったからで、これはそこそこうまくできたけど、もうちょっとうまく作りたい、という気持ちがある。
野メイドは DXOpal に移植するのたぶんむずかしくて、Opal.js が Fiber に対応してないからなんだけど、Opal.js が Fiber に対応するのはまあ無理そうだなという感じ。野メイドは Ruby の DSL でゲーム部分を記述できるのがいいところなので、Ruby 以外で実装するのは多分無理で、さもなくばパーサを書いてスクリプト言語作ることになる。BASIC くらいのパーサは書けるんだけど、パースして AST 組んでそのあとインタプリタ組むのは割と骨で、内部 DSL のいいところはインタプリタは本体の言語に丸投げできるところだよねって思う。
話が逸れたけど、今わりとリッチな表現を手軽に作れる環境は揃ってると思うけど、もっとプリミティブなゲームのロジックについて集中的に考えて作れるゲームエンジンっていうのはあんまりないような気がして、そういう訓練に一番向いてるのってたとえばボードゲームだったりするんだよね。ただボードゲームはコンポーネントが物理的に制約されるので、クリッカーゲームみたいな無限に数字がインフレするゲームみたいなのは作れない。もっとも生の数字を扱わなければ単にレベルの表現にすぎないので掘っ立て小屋からはじまってスペースコロニー建てたり次元ポート建てたりみたいなところまでいくようなデザインにすることはでき、そのほうが抽象的なゲームデザインができるとは思う。それはそれとして数字が増えていくのを眺めるゲームはやりたくて、そうなるとやっぱりジェネリックなテキスト SLG エンジンがほしいので、ないものは……作るか!ということを思っている。思うだけでは作れないんだけど。