雑メモ

売上は初動が肝心なので最初の週にみんな買ってね、という話をよく目にするんだけど、まず、ファン目線でなるほどじゃあ応援しようってなって初週のうちに買ったり RT に協力したりっていうことをやったとして、ファンでない人間はファンのそのような行動に対してそれほど信頼性を感じられないので、ファンからの PR はファン以外にはたいてい刺さらない。
ファン以外の人間は初週に買ってくれと言われても大変そうやねとなるだけなのでやっぱり刺さらない。

これ初動に頼った販売戦略がそもそも間違ってる気がする。

忘れた頃に「そういえばこの作品よかったです」みたいな話をするほうが初動の宣伝よりもファン以外の人間にとって信頼性が高く感じられるのではないかと思っている。偶然発見したものがよかったというストーリーからは宣伝ぽさを感じないので。宣伝ぽさを感じた時点で宣伝なんだなってなってしまう。

逆に初動で宣伝ぽくない動きをすると刺さるみたいな話があって炎上商法がその類型なんだけど、焼くと燃え殻しか残らないので焼かない方向で考えると、たとえばお金のない人間が何かをほしいものがあったときに、買わない理由探しをはじめる。買わない理由が充分だったら財布の紐を締めておしまい。不幸にも買わない理由が不充分だと気付くと人間がそれがほしくてしょうがなくなるので買うことになる。批判的なレビューには功罪あって罪ばっかりではなくて、基本的にプロモーションはいいことしか言わないので批判的なレビューを見てバランスを取りに行くんだけどその批判がプロモーションの補強をしてくれるみたいなケースがある。Amazon や AppStore の中身のない低評価レビューは批判の筋が通ってないのでかえってコンテンツに対する否定的な態度をやわらげる効果がある。「そのくらいの否定的な内容だったら許容範囲だな」とか「よいと感じている人間はよいことを表明しないからな」みたいなことを勝手に考えはじめる。

中身のない批判的なレビューを自分自身で行うスパムが流行ったりすると尺度として使えなくなる。でもそんなことある? そんなことは当分は起こらないと思ってる。