これ買ってプレイしました。以下感想。
ジャンルはセックスバトルRPG。いわゆるローグライクで、ランダム生成された部屋と通路で構成されるダンジョンを階段を探しながら敵と戦ったりアイテムを拾ったりしながら進む。 ちゃんとローグライク……というか不思議のダンジョン系といったほうが適切かな、シレンっぽいプレイフィールがある。
HP管理。HPはポーションで回復できるほか、絶頂時にライフを消費して全回復する。他に回復手段はない。 ライフはライフポーションを使うか、レベルアップ時にライフを選ぶか、ランダムで出現する聖女にお願いすれば回復できる。 戦闘はターン制で、AP（行動力）が許す限り1ターンに何度も行動できる。アイテムはAP消費なしで即座に使用できる。というわけでアイテムは強いが、アイテムを持っていると重量の分だけ最大APが減る。面白いのはランクが高いアイテムは重量が軽いが、高ランクのアイテムにするにはランクの低いアイテムを集めて合成する必要がある、という点。これのおかげでAPを犠牲にして低ランクのアイテムを持ち歩きながら敵と戦ったり戦闘を避けたりという判断を迫られる。このリソース管理部分の出来がめちゃくちゃよく出来てる。
戦闘にしてもそう。APが許す限り1ターン何度でも行動できるが、同じ部位への攻撃は2回め以降はガードされて効果が落ちる。しかし部位のダメージが蓄積すると部位をブレイクしてその戦闘中その部位を使った攻撃をしてこなくなるほか、感度を上昇させることで挿入時のダメージを増加させることもできる。敵のガードは部位を分散することを誘導するが、部位のブレイクは部位を集中することを誘導する。ここにジレンマがあって、また判断を迫られる。各部位への攻撃に必要なコストも、毎ターンランダムで変化するようになっていて、毎ターン同じ部位を選ぶことをよしとしない。消費コストとブレイクしたい部位を天秤にかけてどの行動を選ぶのがよいか判断を迫られる。とにかくプレイヤーが自分で考えて行動しないといけないゲームになっている。が、それでいてゲームのテンポは全体を通して良好で、考える時間が長くなってテンポが悪くなるということがない。サクサク進められるのにプレイヤーは考えてプレイしているという実感がある。
敵を倒すときのボーナスもいい仕掛けになっている。まず、敵は快楽値を100%以上にすることで倒せる。これはHPダメージ蓄積量と言い換えることができる。100%を超えた分の快楽値は経験値ボーナスになる。オーバーキルは最大200%。200%で2倍の経験値がもらえる。また、敵ごとに倒したときの最大快楽値がスコアとして記録され、このハイスコアによって別途ボーナスがもらえる。これは後述。 さらに同時に絶頂すると同時イキボーナスで経験値が増える。同時イキは自身も絶頂するのでもちろんライフを1消費する。序盤のライフは貴重。回復手段が限られている。しかし、同じフロアに聖女がいたら？ 聖女はライフを2点回復してくれるから、うまく行けば2回同時イキボーナスを貰える。今作ではダンジョンから帰るとレベルは1に戻ってやり直しになる。つまりダンジョンアタックを繰り返してレベル上げをすることはできない。そして一回の探索中に倒せる敵の数には限界がある。ということは、実質的にはレベルキャップがあるといっていい。そんな中で経験値を効率的に稼ぐにはどうすればいいか？ ライフは残機であると同時にEXPブースターでもあるというわけだ。これがよくできてる。
敵撃破スコアによるボーナスは、累積的なボーナスになっていて、ダンジョン探索をまたいで効果がある。一つは、ダンジョン突入前に経験値をもらえること。敵をがんばって200%でイカせれば次の探索時にはレベルにゲタを履かせた状態で挑めるというわけ。そのぶん200%にするのは難しい。なんせ100%にしたら敵はイッてしまうので、1ターンに使えるAPだけで200%まで持っていく必要がある。相手を圧倒できるだけの強さがあればいいが、上述のとおり、敵を倒して得られる経験値には実質的限りがあり、同レベル帯で敵を圧倒するのは難しくなっている。また、攻撃力に特化すれば快楽値は稼ぎやすくなるが、敵の攻撃を食らっても射精しないように踏みとどまれる程度の防御力も必要になる。かといって防御に振るとそのぶん火力不足になるというジレンマ。レベル以外の方法で強化するとか、APポーションを飲んでダメ押しをするとか、このあたりを工夫する楽しみがある。もちろん、地道に120～150%ずつでいいからまんべんなく敵の撃破スコアボーナスを累積させるというのも有効で、それだけで次の探索は確実に楽になる。プレイを重ねることでプレイヤーを強化できるし、プレイヤースキルも向上する。
同時イキに特別感をもたせたのは、たとえば最初のサキュバスクエストは道中のとある中ボス相手に同時イキするとフラグが立ってトゥルーエンドに入れるようになっていたりするが、そういうゲーム内のギミックの一つとして存在している感じだったが、今作はプレイヤーに対するニンジンとしてゲームシステム自体に組み込まれている。これ結構あたらしいというか、多数のセックスバトル系RPGが敗北シチュエーションに特化していく中で、「イカせあい」に本質を置いて同時イキ主体にゲームデザインを組むというのが、実はこれまでちゃんとできてなかったように思う。今作はそこのところのバランスをしっかり組み上げて、ゲームとしてもおもしろいしえっちな要素としても充実感があるようにできている。
また、終盤のネタバレになるが、終盤のボス2体は同時イキでしか倒すことができない。同時イキをプレイヤーに対するボーナス要素として配置してプレイヤーに学習させつつ、ボス戦のギミックとしてこれを解かせるというのはなるほど上手い。同時イキが目的でなければボス戦は実はそれほどむずかしくない。こちらはアイテムを持ち込めば回復できるしライフにも余裕がある一方、敵は一回イッたら負けなのだから、単にイカせれば勝ちという条件だと、レベル上げしないと勝てないとか、行動パターンを理解しないと勝てないとか、RPG的なギミックに寄ってしまう。サキュバスクエストやその短編、サキュバスラプソディーなんかがあくまでRPG寄りの戦闘を主体としたゲームデザインになっているのも、結局これに尽きると思う。でも今作はプレイヤーと相手のHPを同時に管理して同時にイクようにすればいいゲームだから、極端な話プレイヤーは弱くてもよくて、同時イキに必要なプレイヤースキルさえあればいい（実際ラスボスはうまくやればレベル1でも勝てる）。これはボリュームが短編規模だからこそできることではあるけれど、このボリュームでこのゲームデザインなら完璧に機能する。勝つことが目的じゃなくてゲームをコントロールするのが目的っていう意味だとグノーシアがそうだったんだけど、こういう視点は重要だなあとあらためて思ったので今後自分が何か作るときにも忘れないようにしたい。
このブログでここまで褒め倒すのは珍しいと思う。もちろん不満点がなかったわけではないので、それも書いておこう。
レベルアップ時の防御力、ライフいらない子ぽい 胸を使った攻撃はダメージが固定になる。胸以外をブレイクしてしまえば、たとえ防御力が紙でも関係ない。というわけで、胸以外を早々にブレイクできる攻撃力があればいいので、防御力は別に選ばなくていい。なんならライフポーション3を持ち込んでもいい。初期防御力でも装備品だけでガードすればクリティカル以外では一撃では死なない。
ライフはライフポーション3を持ち歩くだけでいい。重量1で3回復できる。
というわけで、レベルアップ時に選んで意味があるのは攻撃力とAPだけだが、まあそれでも不要なものを選り分けて有効なものを選ぶ、というのはプレイヤーの学習結果なので、全くの無意味ではない。一番売れるのが黒だったとしても売れないカラーバリエーションを用意することで購買者に自分で選んだ感を味わわせて購買意欲を高めるみたいな話があるが、自分で選んだ感というのは思ったより重要。
まあでももうちょっと防御力とかライフに意味があってもよかったかもな～と思う。防御力は序盤にはそれなりに便利ではある。快楽値を稼ぐより安全に勝つ方がいい場面もあるし。ただ、ライフのほうはレベル1上がって1回復じゃさすがに割に合わない。3回復くらいでもよかった気がする。ラスボス前にダストシュートを使えるようにしてほしい クリア後のためにアイテム温存したいんだけどダストルームに入ると強制的に全アイテム持たされることになるので。なんでダストシュートが制限されてるのかもよくわからない。
クリアしたらラスボス前に帰還できるようにさせてほしい マカロンと戦う前にクリアしたらマカロンのスコアを記録するためにもう一回ラスボス倒さなきゃいけなくなったので。道中ボスみたいに帰れるようになっててほしかったなあという。
クリア後があるなら一回しか戦えないボス二種にもスコア記録がほしい
特にボーナスなくていいので、単にスコアとして記録したいですね。クリア後の楽しみにもなると思うし。回想モードのゲームバランス固定じゃないモードがほしい
クソ雑魚と化したスタラをヒイヒイ言わせたいしクソ雑魚主人公でショコラやラスボスにヒイヒイ言わされたいんじゃ！ よくあるこれ系のゲームだとプレイヤーのレベルを増減させたりできるが、今作はレベルごとにプレイヤーが自分で能力値を選ぶタイプだから、そのへんがむずかしいのかも……と思ったが、単にプレイヤーの能力値を任意入力できるようにすればいいだけっぽい気がする。あと無限に射精できるようにしてほしい。なんだかんだ絞られたい欲求はある。ありまぁす……。ボス以外も同時イキしないと倒せないモードもほしい。連続絶頂はロマンじゃん？
MODがあればよかったね、とは思うが、MODがあるサキュラプとかサキュアカが異常なだけでこれが普通なんだよな。
まあという感じで基本的にクリアまでのゲームデザインに関してはほとんど文句がなかったです。おもしろかった。もっと遊びたいしもっといろんな種類の敵を出してほしいと思うものの、これ以上のボリュームにすると飽きるとも思うので適切な尺だったと思う。これがシリーズ2作目で1作目からゲームデザインをブラッシュアップしてるみたいなので、次回作が楽しみですね。
